[読書] ときめくフレーズ、きらめくシネマ (戸田 奈津子/著, 金子 裕子/著・双葉社) 感想

100本の映画の100のフレーズから日常英会話を学ぶ
映画字幕翻訳の第一人者、戸田奈津子さんが100本の映画から日常で使えそうな100のフレーズを厳選して翻訳の解説をした本。単純な台詞の翻訳でなく、切り取ったシーンの情景の丁寧な解説から始まるから、英語本来のニュアンスが解かり易い。特に映画字幕ならではの工夫は、他の英語教本では学べないし楽しい。
翻訳解説と映画解説、雰囲気ある写真で見開き構成
また、紙面構成は見開きで1作品だから、目次から興味のありそうな作品を見つけて、そこから読んでも大丈夫。左頁は、戸田奈津子さんのシチュエーションとフレーズの解説、映画ライターの金子裕子さんの歯に衣着せぬ映画解説とDVD紹介。右頁は、採り上げた英語の台詞と翻訳文と、紙面の半分を占めるその台詞の情景の写真。
戸田さんならではの豪華俳優たちとの交流エピソードも
プロローグでは、戸田さんがどのようにして英語に関わるようになったのかが結構しっかりと書かれており、また各作品の解説文には戸田さんならではの豪華俳優たちとの交流エピソードが添えられている。実は字幕や翻訳の記載より、映画や映画界の紹介が多いから、意外と幅広い人が楽しめる一冊だと思う。
あとがき
“洋画は字幕派” の私にとって、戸田奈津子さんの名前は40年以上スクリーンで拝見している私の英語の大先生と言いたいところですが、映画を数百本観て字幕を読んでも、それだけでは片言の自己紹介ができる程度の英語力しか身に付きませんでした。
但し、本書を読んでDVDの字幕を見ると、字幕の素晴らしさを再確認します。もちろん、日常英会話のヒントも習得できます。
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字幕屋に「、」はない (字幕はウラがおもしろい)
はじめての映像翻訳
字幕翻訳者が選ぶオールタイム外国映画ベストテン
字幕の花園 (集英社文庫)
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