世界一難しい恋 (第6話・2016/5/18) 感想

日本テレビ系・『世界一難しい恋』(公式)
第6話『初恋成就でバカップル誕生!悲劇のダンスパーティ…真夜中に通じる心』の感想。
美咲(波瑠)の亡き祖父・雄三郎(渡辺哲)と零治(大野智)は、似ているところがあった。ホテル協会のパーティーまで1週間。一緒に水族館へ行った零治と美咲は、初めて連絡先を交換する。そんな中、零治は京都出張とパーティーの日程が重なっていることに気付く。出張は美咲、三浦(小瀧望)、まひろ(清水富美加)の3人がじゃんけんをして、勝った人が行くことになり、パーティーのことをまだ美咲に話していない零治は気をもむ。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
零治の "進化形" を演じ続ける大野智の演技の魅力
冒頭の水族館デートで「この位は一般常識だ」とカッコつけたのに、美咲(波瑠)にそっぽを向かれて追いかける時の零治(大野智)の両腕の開き方や、「零さん」と呼ばれて喜ぶ零治、社長室の椅子に自己顕示欲満々でふんぞり返って座る零治など、本当にスゴイと思う。
何がスゴイかと言うと、以前にも書いた1987年に公開されたアメリカ映画『摩天楼はバラ色に』の抜群のコメディセンスを魅せた主演・マイケル・J・フォックスを彷彿させるような、そう “和製マイケル・J・フォックス” と言って良い似た雰囲気と魅力で、今回は見事に零治の変化や成長を魅せてくれた。
特に、初恋が成就してからの嬉しくて堪らないドヤ顔の少年のようなシーンから、恋人からちょっと連絡が来ないだけでビクビクする気の弱さ、公私混同しながらも自分を制しようとする社長の姿など、当然に演出力も相まっているが、変化と成長中の零治の “進化形” を演じ続けるのは、見事と言うしかない。
恋が実り経験のない気持ちに翻弄される零治がカワイイ
今回は脚本に触れてみる。前回の最後で恋が実り、今回の中盤でケンカ、終盤で仲直りと言う展開はちょっと早い。と言うか、もう少しラブラブな2人を描いても良いようなものだ。しかし、零治には「客を満足させる才能は天才的だが、女性を喜ばせる才能は1ミリもない」と言う基本設定がある。
恋が実ったからこそもう一度その基本設定を活かして、上手に美咲を喜ばせることが出来ずにその分自分の主張を通そうとするわがままな少年の心を描いた。お蔭で美咲を怒らせてしまうのだが、これだと早い展開にも合点が行く。更に、今回は常に34歳で初恋を叶えた恋愛感情をこじらせたホテル社長と言う部分をいつもより強調することで、よりコミカルな零治に仕立てた。
舞子と石神の恋の指南役の活躍も見たかった
そのため、全編に楽しくて馬鹿馬鹿しいラブコメディの雰囲気が漂った。ただ、仕上がりが良かっただけに1つ残念だったのは、ほぼ全編が零治と美咲の2人だけで進んだこと。恋愛指南役の舞子(小池栄子)と石神(杉本哲太)がもう少し零治に絡めばもっと “本作らしさ” が強調されたと思う。
と書いたが、2人だけだとデートも上手く出来ないが、最後には何とか自分たちで仲直りできると言う、前述した零治の “進化形” を魅せるには、2人のシーンが多くならざるを得ないのはしょうがない。楽しかったから良いのだが、もっともっと面白くなると思う。
今回も "上手と下手" の演出テクで、零治の心の変化を
さて、前回の記事で反応が多かった、登場人物の感情を映像で表現する時に、下手(しもて:画面に向かって左側)向きは、後ろ向きでマイナスの感情を、上手(かみて:画面に向かって右側)向きは、前向きでプラス思考を、観る人が感じると言う反応を演出家は利用すると書いた。さて、今回は何処に使われていたかお分りだろうか。
例えば、ケンカのあと、やっと美咲からメールが届き落語の話が始まるシーン。基本的にずっと美咲は正面からやや上手向きで、零治は完全に下手向きで進む。しかし、「いさなみすやお」で名誉回復する瞬間一度上手を向くが、その後も下手向き。
しかし、話が盛り上がり電話を切ったあと、一度ベッドで上を向かせることで、その後の上手向きの零時を強調した。上手向きで星空を見上がるシーンなんて、まさに上向きな感情と言う言葉そのものだ。因みに「いさなみ先生」のくだりの時も零治と美咲もぜーんぶ上手向きだった。
また、ラストの「いさなみ先生」の話の時の零治は、下手向きと上手向きをテンポ良く切り替えして零治の不安な気持ちを上手く魅せて、やはり美咲は常に上手向きだ。そして「会おう」となった時の零治は意図的に下手向きのままでラストカット。この方が次にどうなるか?ってハラハラドキドキさせらるから。上手向きだと上手く行っちゃうように映るからだと思う。今回も印象的な演出が多かった。
あとがき
今回は、舞子と石神の出番が少なかったですが、その分もう1人の恋の指南役・和田社長(北村一輝)とその元カノ・リリコ(中村アン)が起承転結の「転」を上手く創出しましたね。主題歌を聞かせ終えてからのラストシーンも良かったです。次回にも大いに期待します。
それにしても、“俳優・大野智” が見事に “鮫島零治” の成長と変化を演じてくれています。これまでのキャラクターを被るような役ではないので、これも大野さんの芝居の新境地開拓ってことだと思います。波留さんも、やっと朝ドラの印象が薄まって “柴山美咲” に見えてきました。2人共、いい感じです。
また文末になりましたが、前回の感想記事に、「226回」ものWeb拍手を頂きました。本当にありがとうございます。ブログを続ける励みになります。
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