とと姉ちゃん (第35回・5/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』『第35回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
滝子(大地真央)の元に届けられていた、竹蔵(西島秀俊)からの手紙。それは小橋家のささいな日常をつづったものだった。滝子は手紙のおかげで君子(木村多江)への気持ちが変わり、自分が間違っていたことに気づいたのだと告げる。常子(高畑充希)から竹蔵の手紙を受け取った君子は、今まで滝子の言動が自分の思い過ごしだったと悟る。和解しようとしたやさき、川べりで一人きりで遊ぶ美子(根岸姫奈)が誤って水に落ちてしまう
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
脚本だけでなく、演出もおかしくなってない?
もう、冒頭からおかしいのだ。住み込みで懸命に働かざるを得ない小橋家なのに、内職には見えないような裁縫をしている君子(木村多江)と、内職も手伝わず読書中の鞠子(相楽樹)が映っているのが。ここは、一生懸命に仕出し弁当つくりに精を出すところに、常子(高畑充希)が駆けつけるべきだった。
こう言う脚本、こう言う演出をするから、常子の手紙をお待ちしておりましたと緊張感のないシーンになってしまう。いつものように森田屋の面々が、宗吉(ピエール瀧)が「そりゃてぇへんだ」とそれこそ “一騒動” 起こすようなアバンタイトルにしたら良かった。どうも、脚本だけでなく演出もおかしくなってないか。
『美子、川に落ちる』の巻は、おかしなことばかり
で、本日の第1話『ととの手紙』が終わると、突然に第2話の『美子、川に落ちる』の巻がスタート。それも、ヒロイン推しをするために、毎日木場で働く3人の男衆よりも常子が真っ先に飛び込むと言う演出で。
陸から常子に指示を出す滝子もおかしいし、飛ぶ込んで濡れた服の上から毛布にくるまって暖を取るのも明らかに変。極めつけは「家はみんな忙しそうだし」と言った美子の台詞。だ、か、ら、君子と鞠子は部屋でくつろいでいたんだって。渡された脚本がおかしいと思えば、演出で補うべきではないのか。
「丁寧で思いやりのある "とと" みたいになりたい」
結局、こんな不自然だらけの設定と演出の『美子、川に落ちる』の巻のラストで、何となく映像的に常子の活躍で君子と滝子の不仲も解消?みたいにえがいてしまうから、第1話『ととの手紙』の存在自体が薄まってしまった。
もちろん、「ととの手紙」そのものは、とと(=父)・竹蔵(西島秀俊)の丁寧で優しくて思いやりのある人物だとよーくわかる内容だったし、それ自体は悪くはない。ただ、惜しいのはこの場面で、強引にでも常子に「丁寧で思いやりのある “とと” みたいになりたい」と言わせなかったこと。
もう、こうなったら1日も早く常子に「丁寧で思いやりのある “とと” みたいになりたい」と言わせて、タイトルの『とと姉ちゃん』の意味を提示して欲しい。それが出来る最高のチャンスを、美子が川に落ちる騒動で水の泡と化してしまった。あれこれ描過ぎるからこうなるのだ。
あとがき
前回に続き、ため息しか出ない15分間でした。どうしてこんなに脚本は盛り込んで、演出はいずれもを大事件のように描くのでしょう。メリハリや緩急がないのですよ。だから、未だに何を描こうとしているのか見えてこない。きちんと魅せるべきものとそうでないものの区別をした方が良いと思います。
今日は金曜日ですが、次週以降に期待します、としか書きようがりません。
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
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第5週『常子、新種を発見する』
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第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
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