とと姉ちゃん (第31回・5/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』『第31回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
森田屋に居候し始めて3か月。常子(高畑充希)や鞠子(相楽樹)たちは、少しずつその生活になじんでいった。しかし、母・君子(木村多江)と祖母・滝子(大地真央)の関係は変わらず険悪なままで、君子はその真相を話そうとはしない。君子と同じく森田屋のまつ(秋野暢子)と息子の宗吉(ピエール瀧)も卵焼きをめぐり、親子けんかが絶えない。何とか関係を修復させようと悩む常子だが、ふとしたことから滝子の秘密を知ってしまう
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
アバンタイトルから、がっかりの連続…
今週こそは常子の物語を…と期待した月曜日。しかし、残念ながらアバンタイトルで、それも週の初めの台詞が語りで、しかも「森田屋に住まいを移して3か月…」と始まった。
そして映像も、前半は君子(木村多江)と滝子(大地真央)のヒロインの祖母と母の母子関係の確執の話、後半は突然に常子(高畑充希)たち小橋一家が料理に興味を持ったと言う話。こんなアバンで貴重な1分38秒を消化してしまった。なぜ、こんなアバンを創作するのだろう?
「3か月」と括ったら、「弁当,再試験,制服,新種」が…
こんなアバンを作ってしまったら、これまで森田屋で描いてきた「弁当の誤配」「再試験と腹心の友」「制服の盗難」「新種発見」と言う数々の “出来事” が本当に無意味な存在であることが、(敢えて言います)バレてしまった。
そう思えるのも当然だ。何度も書いて恐縮だが、本作は “出来事至上主義” とでも言おうか。とにかく “出来事” は次々と描くし、 “出来事” と “出来事” の間には時間経過もある。しかし、“出来事” 同士に関連性がない。そして、 “出来事” の中に時間経過が無い。
もっと言えば、“出来事” の中で人間関係は変化しているが、登場人物そのものは大して変化していない。何となく物語が進んでいるように見えるが、何か物足りなく感じるのは、エピソードの中で登場人物が変化をするのでなく、“出来事” の度に変化しているだけだからなのだ。
なぜ、登場人物たちの “成長” を描かないのか?
そして、本作で物足りないのは、登場人物たちの “成長” が描かれないこと。前述のように変化はしているが、成長をしているようには見えない。特に肝心な常子の「とと姉ちゃん」の部分は、時々張り紙が映る程度。ここが本当に本作の痛いところ。
これが、朝ドラを含む連ドラのホームドラマや群像劇なら、騒動や微笑ましい “出来事” の羅列でそれなりに成立してしまうと思う。ただ、本作は「暮しの手帖」の創刊者・大橋鎭子さんの自伝をモチーフにした、所謂「働く女の一代記」であることが発表されているから困るのだ。
とにかく、今週のサブタイトルにある常子が竹蔵の思いを知ると言う “出来事” を上手く活用して、次週以降はヒロイン常子の物語を描いて欲しい。
あとがき
一向に、ヒロインが群像劇の中の1人でしかありませんね。まずは、そこから変えて頂きたいです。朝ドラとしては、それなりに面白いとは思うんです。そして、芸達者な俳優さんたちの脇役の面白さはわかりますが、やはりヒロインの物語が観たいんです。次回、いや次週以降に大いに期待します。
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