99.9‐刑事専門弁護士‐ (第3話・2016/5/1) 感想

TBS系・日曜劇場『99.9‐刑事専門弁護士‐』(公式)
第3話『消えた1000万!!空白の15年…母と娘の絆』の感想。
会社員・果歩(山下リオ)が会社の金庫から現金1千万円を盗んだ容疑で起訴された。本人は無罪を主張しており、末期がんを患う果歩の母・冴子(麻生祐未)が、深山(松本潤)らに弁護を依頼する。この事件は、担当を希望した彩乃(榮倉奈々)が主任を務めることに。佐田(香川照之)は深山にサポート役を命じる。だが、過去の経緯から冴子に不信感を抱く果歩が「あんな女に助けてもらいたくない」と言い、彩乃らの弁護を拒否する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
彩乃を軸にした物語が、本作らしさに新鮮味を添えた
「刑事専門弁護士」が活かされたドラマになっているし、斑目法律事務所の刑事専門ルームのチームワークも活かされている。そして、今回はワンパターン化防止のためなのか、敢えて彩乃(榮倉奈々)を軸に物語を動かすと言う変化球で攻めてきた。
お蔭で、前回までと同様のとにかく真実を追求する深山(松本潤)の物語と、彩乃が長年疎遠になっている母子を何とかしたいと言う人情話の2本立て風の構成になって、これまでよりも一層物語に厚みが出たと思うし、細かいことに目をつぶれば、かなり新鮮な本作らしいドラマになっていた。
「0と6」のトリックの貧弱さが気になった
ただ、気になったことが3つある。
1つは、あの「0と6」のトリックについて。まず、幾ら何でもトリックが貧弱過ぎる。あの程度のトリックを見抜けないのでは、そもそも本作の根幹である検察の捜査力に大きな疑問を抱かせてしまう。それもかなりの序盤で視聴者に提示したから、そこに気づいた視聴者は、何を楽しみにしたらいいのか?
それ以前に、今回の彩乃らの行動は弁護士ではなく、刑事、少なくとも検事の仕事だと思う。やはり、この程度の稚拙なトリックの事件を一々起訴してたら、上に書いたように検事、検察の能力が疑問視されて、刑事専門弁護士の凄さが描けないと思う。
彩乃の守秘義務に対する考え方が気になった
2つ目は、弁護士の守秘義務について。中盤で彩乃が果歩(山下リオ)を素直にさせるために?果歩の母・冴子(麻生祐未)の余命が1か月であることを告げ、更に冴子の遺言を声を出して読み上げるのは、法律に詳しくない私でも、弁護士の謁見であり背信行為だと思う。
確かに、彩乃が機転を利かせて…とすれば、よりドラマチックになると思うが、法律を扱うドラマなら、やはり誰もが感じるような法的におかしな描写は避けるべきでは?彩乃に一言「万が一の時は、私に一任されているから言います」とするだけで良かったのに、勿体ない。
遺言の朗読が彩乃から冴子に変わったのが気になった
3つ目は、その彩乃が冴子の遺言を読み上げるシーンの演出について。映像的演出として、最初は彩乃の声で始まり、途中から母・冴子の声に変わるのは良くある手法。ただ、私はあそこで母の声に乗り替わるのは演出として失敗だと思う。なぜなら、あれでは、果歩に感情移入が出来ないから。
あの母と娘は、15年以上疎遠の関係だ。だとしたら、娘は15年前の母の声しか知らないはず。しかし、映像では母が遺言を書くシーンが挿入されるから、明らかに今の母の声。ここがおかしい。私は、彩乃の朗読を聞いた果歩が脳内で母の声に変換しているだろうと言うのをこちらが想像して、初めて果歩に感情移入出来ると思う。
本作では、更に15年前の母と娘の会話のシーンまで挿入してしまった。これ、結婚披露宴で事前に録音した「母への手紙」を流したり、司会者が代読するようなもの。生で、披露宴の本番で涙ながらに花嫁が読み上げるから、手紙を書いている時の花嫁の気持ちとそれを受け取る母の両方に素直に感情移入出来る。
これが、録音や司会者の代読では、違和感が生じるはず。前者は「えっ、録音?」、後者は「代読?」って。今回の演出はこの真逆をやってしまったのだ。彩乃の代読で進む中で回想シーンを入れれば良かったのに、録音と回想を混在させたら彩乃の存在意義も感動も薄まる。なぜこんな演出をしたのだろう
松本さんや榮倉さん、そしてゲストの好演に助けられた
そんな気になるところが多い第3話だったが、ゲストの山下リオさんと麻生祐未さんの好演に助けられたと思う。特に、病室での母子の再会のシーンでの山下リオさんの演技に心を奪われた。あの感動のシーンが無かったらと思うと…。もちろん、松本潤さんや榮倉奈々らの好演も見逃せない。
ただ、いくら俳優陣が頑張っても、脚本や演出がもっとしっかりとキャラを立てて、現実味のある設定で弁護士と検察の攻防戦を描かないと、折角の良い芝居も無駄になる。どうか、もっと脚本と演出に頑張って欲しい。面白い題材だけに、もっと楽しいドラマを期待したい。
あとがき
恋愛ドラマでない松本潤さんもすごくいい感じですし、全体としては本作らしさも出てきて良いと思うんです。オリジナル脚本と言う点でも大いに応援したいのです。でも、今回は流石にあり得ないなぁと思う脚本や演出が目についちゃいまいた。次回の巻き返しに期待します。
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