[読書] 知識ゼロからの南無阿弥陀仏入門 (ひろさちや/著・幻冬舎) 感想

穏やかに暮らす仏教的ヒントが詰まった本
「南無阿弥陀仏」と言うお念仏の中にもある「阿弥陀」。その「阿弥陀様」とは誰か?似たような言葉で「観音様」とは何か?その辺の区別も難しい仏教初心者向けの、天国と極楽浄土の違い、如来と菩薩の違い、お釈迦様と阿弥陀様の違いなどを知ることを通して、穏やかに暮らす仏教的ヒントが詰まった本。
仏教界では言う「おもしろさ」とは、修行のこと
とにかく、仏教の難しい言葉や概念を斬新な言葉で分かり易く解説してある。例えば、なぜ修行をするのか?人は死ぬと観音様になって極楽浄土に行く。そこは何不自由ない幸福な世界だからハッピーすぎておもしろくないしつまらない。では、仏教界では言う「おもしろさ」とは何か?
それは「おもしろい=修行」ってこと。要は、修行は喜び。喜びを得るために、極楽浄土からこの世である下界(娑婆 [しゃば] 世界)に遊学に来る。私たちが生きるこの下界は、苦しみ(病気、事故、戦争、飢餓などなど)がある場所だから修行が出来る。そしてまた死んで極楽浄土に行ってまた修行に出る。この繰り返しこそ修行ってこと。
あなたの近くにいる人も観音様かもしれない
人は誰でも死ぬと極楽浄土に言って観音様になる。そして、修行のために下界に来てまた死んでを繰り返すと上に書いた。本書の解釈でユニークなのは、あなたも、あなたの近くにいる人も観音様かもしれないと考えようってこと。電車で席を譲るのも観音様にだったらスッと譲れるはず。
憎たらしい奴、ガツンとやってやりたい奴も観音様かもと思えば、優しい言葉をかけられる。そうすることで、自分自身が嫌な思いをせずに―心やすらかに暮らせると言う生きる作戦。そして、これが修行であるってワケ。「南無阿弥陀仏」を唱え、極楽浄土と観音様の存在を意識することが穏やかに暮らす方法だってことだ。
あとがき
本書の考え方を取り入れると、6つある修行の内の一つ「布施」が、見返りを期待せず、自分の持っているものを、他社に投げ出すことと言うのがストンと腑に落ちませんか。
娑婆世界で苦しみの涙をしっかり流せば流すほど、その人の瞳は美しくなるそうです。その時に、阿弥陀様が「よく苦しんできたね」といたわりの言葉をかけてくれるのだそうです。久し振りに、心にジーンと来た仏教の本を読みました。皆さんにお勧めします。
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