とと姉ちゃん (第18回・4/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』『第18回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
君子(木村多江)は、滝子(大地真央)に呼び出され思わぬことを聞かされる。滝子は常子(高畑充希)の中にあるおかみの資質を感じ取り、常子を清(大野拓朗)の嫁にし、青柳商店を継がせたいと考えていた。昔と同様に家を優先して自分の考えを押し付けようとする母に君子は激しく反発、再び家を出て行く決心をする。理由も分からぬまま、君子に連れられ常子たちがやってきたのは青柳家のすぐ裏にある仕出し屋『森田屋』だった…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
3週間を振り返ると、波瀾万丈な人生には見える
3週間が過ぎた。そこで、物語の進行が遅いと放送前から報道されていた本作の3週間を振り返ってみる。すると、物語が何となく薄っぺらに感じる理由が見えてきた。
第1週目。早くもとと(=父)・竹蔵(西島秀俊)が亡くなり、葬儀のシーンもなく、何となく常子(高畑充希)が父親代わりをすることに。
第2週目。4年経過して、突然、小橋家は経済的に苦しくなって、長年絶縁していた東京に住むかか(=母)・君子(木村多江)の 母・滝子(大地真央)の元に大量の荷物と共に家族4人で引越し。
第3週目。金曜日に滝子が常子の商売人の才能を見抜いて、やっとヒロインらしく物語の中心に描かれると思ったら、土曜日には君子が滝子と仲違いして家を飛び出して、滝子と犬猿の仲の裏の家に家族で住み込みで働くことに。
こうして書き起こしてみると、展開が早いと言うより、波乱万丈な人生って感じはする。が、父親が死んで不可解な言動の母親代わりを長女がやろうとしてるだけなんだが。
物語が薄っぺらなのは “出来事” しか描いてないから
更に残念なのは、実際には各エピソードも大して掘り下げて描かれてはいないこと。むしろ、ダイジェスト版風に連続性は乏しく羅列しただけって感じ。本来なら、もう少しととが亡くなった後の苦労話や、東京へ引っ越すかどうかの葛藤や、静岡への恩等も、もっと丁寧に描いていたら、各登場人物の “人となり” が見えたのに…
その “出来事” もパターン化してる
それに、その肝心な “出来事” がパターン化して来ているから困る。贋作の絵画の時は、まず贋作を持ってきた男が登場して、落書き事件があってから実は贋作でしたとあっさり解決。
米騒動の時は、まず親戚の鉄郎(向井理)が登場して、あとから小橋一家が米がないと騒いだが、食べたのは親戚だからってことで、二人三脚して運良く米をゲットして解決。
今回もまず縁切り状態の滝子が登場して、常子を嫁にしたいと一大事かと思ったら、君子の逆転ホームランでまた引越しただけ。“出来事” だけが存在してその前後で大して話は進まないってパターンなのだ。
だから、登場人物の中身が見えてこない。だから、物語が薄っぺらに感じてしまうのだ。そして、エピソードありきで物語をつくるから、物語に登場人物たちが動かされている感じが否めないのだ。
ヒロインの勉強する姿が、あった方がいい
そんな状態で、第4週は常子の編入試験を描くらしい。確か第3週の序盤で編入試験のネタフリがチラッとあったと思うが、それっきりでまるで話を蒸し返すように来週のサブタイトルに昇格するのは違和感ありすぎ。
杓子定規なことは言いたくないが、家族で観る朝ドラだからこそ、常子が勉強する姿は入れる価値はあると思う。もちろん、勉学なんてしなくても合格してしまう才女と言うのもアリだと思うが、やはり3姉妹の長女だし、あの勤勉なととの娘なのだから、あった方が良いと思うが、語りで補強するだけかも。
あとがき
実は、ずっと気になっていたことがあります。それは “勉強” があまり描かれないことです。“勉強” は、とととの重要な絆の1つではなかったのでしようか?『とと姉ちゃん』と題する物語で一番大切なのは、とととの “絆” であり “つながり” ではないでしょうか?
それが、ないがしろにされてるうちは期待はし続けますが、面白いにはまだまだ遠いと思います。だって、前回あんなに誉めたのに1日しかモタナイなんて…。今日は、愚痴らせて頂きました。来週は心機一転するつもりです。
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