あさが来た (第156回 最終回・4/2) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』公式
最終週『柔らかい心』『第156回/最終回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
また、本記事では「宮崎あおい」さんの「さき」は本来の「立つ崎」が機種依存文字のため「崎」に統一しています。


あさ(波瑠)とはつ(宮崎あおい)は、ふたりで話し合う。今までふたりが歩んできた道のりを振り返る、あさとはつの思いとは…。宜(吉岡里帆)が久しぶりに加野銀行を訪れる。多くの娘に囲まれている千代(小芝風花)と再会した宜は、あさについて話をする。そして、あさは、女子大学校の学生や宜、千代たちとピクニックに出かける。あさがこれまで自分が見て、感じたことを集まったみんなに語りかける。すると…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

良くも悪くも、姉妹を魅せた

あさ(波瑠)とはつ(宮崎あおい)が向かい合って座るシーン。朝と言う設定の中でもいつも以上に明るい朝日。それも手元付近だけを明るくしているのが、このシーンの照明演出の特徴。また、その照明と巧みにリンクしているのがカメラと編集。

前半はあさとはつをダイアローグカット(台詞を話している人物を映す)編集で意図的に単調にしておき、はつの “姉が妹を労う” ポイントの台詞「そやかて、あんたかて、そうやったやんか」の後に、無言で微笑むあさを入れることで単調さを断ち切り雰囲気を変え、更に引きの2ショットになって少し老いたはつの全身動作を見せることで、顔のアップでは描きにくい “老い” を表現。

更に更に、中庭の奥の軒の瓦が光ることで奥行き感を出しつつ、はつを 逆光気味にして白装束のあさを映えさせるって計算。二人は薄ら明かりで家族と姉妹の絆の証である「御守り」を魅せることに重点を置いた最終回らしい演出だ。

ただ、ここまで姉妹を対等に(あさサゲ、はつアゲ)描く必要があるのかについてはもう語らない。

はつをここまで描く必要があるのか疑問だか…

その上で敢えて書く。先のシーンのラストもそうだったが、和歌山に戻ってきたはつが天を見上げる時も背景は緑の草木。地味なセットでのシーンが多かったはつを、ラストカットは生き生きとした緑の前でと言うのは清々しくて良かった

蘇った新次郎の “約2秒” のインサートが良かった

6年後。わざわざ? 風の強い屋外ロケで撮影されたラストシーン。春の勉強会の場所があさの別荘と言うのが、突然に現れた新次郎(玉木宏)にしっくり来たと思えたのは、新次郎がただの白い背景でなく、きちんと崖? の上と言う実景に立っていたからだ。

メルヘンチックな表現でなく、あさの深層心理下なのか全くの夢なのか、そのインサートカットを僅か2秒程度にしたのが実に巧いと思う。本来なら、3秒程度あると視聴者があれこれ想像出来るのだか、敢えて短い尺にすることで状況設定を考える間を与えず、グイグイと不思議な世界へラストまで引きずり込むような編集に思えたからだ。

まあ、最後の最後までヒロインは中途半端に描かれたとも言えなくもないが。

オーラスは “カットアウト” で正解だと思う

杖をついて歩く姿から、若かりし頃のように走り出すあさ。また、新次郎も若い姿。そして、最後の最後は妻を優しく労る夫と、それに素直に頷く妻で、見事に夫婦の物語に帰着したと思う。

また、夫婦のラストカットは新次郎ナメのあさのアップを、潔くカットアウト。ホワイトアウト(徐々に白くなって終わる)などを使わず、妙な余韻を引っ張らないことが最後の最後まで女傑らしさを魅せてくれた、と言うことにしよう。

半年間の総括… 評価したいこと

さて、半年間の総括。平均点は70点。前半は中々良くて80点平均で時々満点もあった。年明けから60点平均で時々及第点ギリギリもあったかなって感じ。

評価したいのは、「廣岡朝子さんと言う江戸から明治を跨ぐ “時” を生きた女性」を原案にしたことと、「貧しくないヒロイン」と言う2つの新しいことにチャレンジしたこと。また、巨大セットの今井家ならでの広さと奥行き感ある映像を見せてくれたこと。そして、女傑と呼ばれた女性実業家のパイオニアとそんな妻を支えて応援した夫との愛の夫婦の物語を “何とか” 描き切ったこと。

半年間の総括… 残念だったこと

残念だったのは、一部のスタッフの思い入れと世間の評判を受けて、脇役のエピソードを必要以上に膨らませ、結果的にヒロインの物語をブツ切れのように見せてしまったこと。本作への不満はこれに尽きる。

しかし、この作戦のお陰で本作は賞賛の声で一杯になり、視聴率も上がった。NHKも多くの視聴者はそれで良いと思うが、もし本作の構成のまま全10話の連ドラだったら…と考えても朝ドラの感想記事では意味無いか。

あとがき

波瑠さんの肝っ玉の座った演技、玉木宏さんのしなやかな仕草、宮崎あおいさんの存在感等々、私なりの新発見がたくさんあった半年間でした。

脚本はもっと脇役の出番を控えめにして、ヒロインの部分に集中して欲しかったです。でも、俳優さんたちの演技に見応えがあったのと、演出が全体的に良かったので、終わり良ければすべて良し…と言うことにします。半年間、当blogにお付き合い下さり、ありがとうございました。

「上から偉そうに」と何度もお叱りのコメントを頂きましたが、そうして半年間を支えて下さった読者の方々にも感謝します。

[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝

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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
1 2 3 4 5 6
第2週『ふたつの花びら』
7 8 9 10 11 12
第3週『新選組参上!』
13 14 15 16 17 18
第4週『若奥さんの底力』
19 20 21 22 23 24
第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
25 26 27 28 29 30
第6週『妻の決心、夫の決意』
31 32 33 34 35 36
第7週『だんな様の秘密』
37 38 39 40 41 42
第8週『京都、最後の贈り物』
43 44 45 46 47 48
第9週『炭坑の光』
49 50 51 52 53 54
第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『九転び十起き』
61 62 63 64 65 66
第12週『大阪一のおとうさま』
67 68 69 70 71 72
第13週『東京物語』
73 74 75 76 77 78
第14週『新春、恋心のゆくえ』
79 80 81 82 83 84
第15,16週は “五代さまウィーク”、その後は “はつが来た” で「あさロスが怖い」視聴者対策をするNHKをどう思う?
第15週『大阪の大恩人』
85 86 87 88 89 90
[備忘録] 自分の「あさが来た」の感想がブレる理由
第16週『道を照らす人』
91 92 93 94 95 96
第17週『最後のご奉公』
97 98 99 100 101 102
第18週『ようこそ!銀行へ』
103 104 105 106 107 108
第19週『みかんの季節』
109 110 111 112 113 114
第20週『今、話したい事』
115 116 117 118 119 120
第21週『夢見る人』
121 122 123 124 125 126
第22週『自慢の娘』
127 128 129 130 131 132
第23週『大番頭のてのひら』
133 134 135 136 137 138
第24週『おばあちゃんの大仕事』
139 140 141 142 143 144
第25週『誇り高き人生』
145 146 147 148 149 150
最終週『柔らかい心』
151 152 153 154 155

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