[読書] 病気になるサプリ 危険な健康食品 (左巻 健男/著・幻冬舎) 感想

サプリメントの真実が解る本
以前、紹介した『ニセ科学を見抜くセンス (左巻 健男/著・新日本出版社社)』(読書感想)の著者が書いた、摂取することが日常的になっているサプリメントや健康食品の類いが、健康補助なのに病気を引き起こしたり、生命の危険の原因にもなることがあることを、広告の騙しのテクニックや科学的根拠の面から解かり易く解説した本。
健康食品・サプリの危険性を暴く3つの視点
本書を要約すると、大きく3つの視点がある。
1つ目は「製造の背景」である。
原価率は平均10%以下、特にビタミン系の非天然の合成物は卸値が10%を超えることはないと言うほど、製造者が儲かるのだ。その上、薬品のように厳密な製造段階のテストも無いし、効き目も品質もあやふやでも商品として店頭に並んじゃう。効果を責任保障しなくても、儲かる商品を作る輩がいるのは当然のこと。
2つ目は「広告手法」である。
ダイエットサプリメントに見れるのが、「私はこれを飲んで痩せました」ってCMやテレビ番組。しかし、著者によれば、1日数回体重測定するだけでも、どんな時に体重が増加したかを記録すれば、自然に生活環境を見直し修正して痩せると言う。従って、調査やテスト段階で「食べ過ぎ」に注意させてるだけってこと。
3つ目は「科学的根拠」である。
これについては本書にたくさん書かれている。例えば、グルコサミンやコンドロイチンが関節や股関節の痛みに効くと言う明確な結果はないとか、「焦げを食べるとガンになりやすい」は動物実験においてサンマ2万匹の焼き魚を毎日15年ほど食べないとガンと関係は見られないとか。
巻末付録「人気サプリの実力寸評」が解かり易い
巻末付録「人気サプリの実力寸評」が簡潔にまとまっており実に解かり易い。そこに挙げられている怪しいサプリはこんな感じ。詳しくは本書を読めば一目瞭然。これまで信じていたのが馬鹿らしくなってくる。
グルコサミン、コラーゲン、青汁、ヒアルロン酸、DHA、ローヤルゼリー、ブルーベリー、コエンザイムQ10、ウコン、安価な黒酢や香醋、EPAなど
あとがき
この私も、「ダイエットをおいしく、楽しく。」とか「健康的なダイエットをサポート!」なんて広告の謳い文句を信じて飲んでいたこともありますが、ほぼおまじないのようなものだったように思います。
ただ、ダイエットサプリを飲むことで、食事に気を遣うようになる効果はあると思います。あとは、原材料や製造方法の安全性の問題。そこが、広告では解かり難い。本書はその辺を少しは解るようになる手助けになると思います。
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ニセ科学を見抜くセンス
そのサプリ、危険です! 本物サプリの正しい選び方
こんな「健康食品」はいらない! (だいわ文庫)
なぜ疑似科学が社会を動かすのか (PHP新書)
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