創作テレビドラマ大賞「川獺(かわうそ)」 (2016/3/29) 感想

NHK総合・創作テレビドラマ大賞『川獺(かわうそ)―父は二度、嘘をついた―』(公式)
『父はなぜ世間を騙すような嘘をついたのか――。 14年ぶりに故郷に帰った息子がたどり着いた真実とは?』の感想。
松浦保は、父・明憲の危篤の報に接し、14年ぶりに故郷の高知の町に戻って来る。明憲は絶滅したはずのニホンカワウソを発見したとうその発表をして世間を騒がせ、それがきっかけで離婚して保とは別に暮らして来た。父はなぜ世間をだますようなうそをついたのか?わだかまりを抱きつつ、妊娠した恋人を守りきれない自分にもいらだつ保。だが、ふとしたきっかけで父の行動の陰にある理由があったことを知り…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
16年ぶりに父の生き方を理解して、前に進む息子の話
脚本は、山下真和(第39回 創作テレビドラマ大賞 受賞作)氏。演出は、『ちりとてちん』『江~姫たちの戦国』等の伊勢田雅也氏。音楽は、『父の花、咲く春~岐阜・長良川幇間物語~』『徒歩7分』等の冬野ユミ氏。
1979年にニホンカワウソが最後に目撃された高知県須崎市を中心にロケ撮影されただけあって、とても美しい風景が印象的な作品だった。海と山と空のコントラストが素晴らしい情景の中で、危篤の父の16年前の気持ちをやっと理解する息子が、自分の生き方を見つける物語。
脚本の粗っぽい部分は感じたが、地元の人達も参加しての地方発の単発ドラマとしては、豪華キャストを揃えたせいもあって、なかなか見応えのある作品に仕上がったと思う。ただ、テーマがかなり重いので好き嫌いはあるとは思う…
主人公と父、叔母、恋人の関係が見え難かったのが残念
残念だったのは、父・明憲(勝村政信)と息子・保(堀井新太)、保と叔母・圭子(高岡早紀)、保と恋人・由美(岡本玲)と言う、主人公と3人それぞれの関係性が見え難かったこと。多分、脚本上ではきちんと設定され演技指導では俳優に説明されているから、こちらも演技から汲み取る部分で好意的脳内補完で乗り切れたが。
やはり、50分間の放送尺の割に、登場人物と時間軸の移動が多過ぎたために、脚本に於ける初期設定が書き込み不足になったと思う。あと10~15分あれば描けたかもしれない。ただ、台詞自体は押し付けがましくもないし、説明臭さもなく、丁寧で生き生きしたものが多く好感が持てた。
あとがき
地味な小作品ではありますが、俳優さんたちの演技が良いし、高知の自然豊かな風景も満喫出来て良かったです。地元の方々の生き生きとした姿も元気を貰えました。少々、脳内補完が必要ですが、余韻の良いドラマだと思います。
※この記事を読んで本作に興味を持たれた方、再放送があります。
2016年4月5日(火) 15時10分~16時00分
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