あさが来た (第152回・3/29) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
最終週『柔らかい心』『第152回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
※ 本作は 3/5 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日、ベタボメ感想だけではないので、ご理解を。
千代(小芝風花)と啓介(工藤阿須加)に娘が誕生したことを記念して、あさ(波瑠)たちは、みんなで写真を撮ることになる。啓介は、加野銀行だけでなく淀川生命でも精力的に働くようになる。新次郎(玉木宏)は、あさにある贈り物をする。新次郎が贈るものとは…。そして、加野銀行に、九州の炭坑で共に働いた宮部(梶原善)と治郎作(山崎銀之丞)がやってくる。懐かしい話であさや新次郎は、盛り上がる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「加野銀行」の木札
今回のファーストカットを観れば、今回が「加野屋の暖簾」の話で突っ走ることを力強く提示していた、前回も書いた俳優の演技と小物で物語を紡いでいく西谷演出。今回は、「加野銀行」の木札を啓介(工藤阿須加)の傍らに置いて映し込ませるとで、今後の「加野屋の暖簾」と啓介の関係を暗示さえて。こう言う演出が必要なのだ。
写真撮影のシーンが火曜日とは、意外と早い
そして、アバンタイトルで予告編にあった写真撮影のシーン。あの予告編の家族写真の1カットに新次郎(玉木宏)が写っていたから新次郎の死は無いだろうと思わせておいて、火曜日にその希望を打ち砕く。まあ、あざとい脚本ではあるが、アバンで見せたのはネタバレさせるなら早いうちにと言う編集だと思っている。
まだ、登場人物のために話を作るのか
さて、結婚40周年の記念樹植栽のシーン。何とか、添え木の話があったから好意的脳内補完で寄り添う夫婦と解釈したが、どうせ入れるなら、もう少し植木職人の木の説明に「なるほど」と思わせるようなエピソードを添えられなったのか。だから、以前書いたように、登場人物のために話を作るのは禁じ手なのだ。
箇条書きの脚本を演出で膨らませようと必死だ
宮部(梶原善)と治郎作(山崎銀之丞)を登場させて、九州の炭鉱のその後の繁盛ぶりから日露戦争勃発へのメリハリは、号外配りのカットのお陰で何とかドラマらしく描いたが、何せ脚本が箇条書きだから、演出で膨らまそうにもどうにもならない苦悩がひしひしと。
もっと、あさの「平和論」「経済論」も聞きたかった
「日本を救うのは武器でなく商いだ」と自前の「平和論」と「経済論」を語るシーンは良かった。ただ、残念ながらここも箇条書き。榮三郎(桐山照史)が言ってた「お姉さんは戦が嫌い」のくだりを含めて、もっと丁寧に描いていたら、このあさの言葉ももっと重みのある台詞になったろうに…
あとがき
あさがすべての事業から手を引いて、その記念で加野銀行の前で記念写真を撮って、あとは縁側であさと新次郎が寄り添い、新次郎が昔話をしながら久し振りに三味線を弾いて…なんてそれだけ良かったと思います。
これまでに登場した人物をお祭り騒ぎのように再登場させたい気持ちはわかります。懐かしいし楽しいから。ただ、先週末からのぽっと出のキャラで最終週を描くのは、やはり “蛇足” に見えてしまっています。
あさと新次郎の夫婦の物語と、それに絡む娘夫婦の話がすごくよいエピソードになっているんです。特に波瑠さんと玉木宏さんの演技も相まって、とてもよいエピローグの雰囲気になっています。そこに登場すべき人物とそうでない人物はいるはずです。そこが大人の事情の取捨選択になっているのが、残念で仕方がありません。
さて、3/27の『賢者の知恵』上の記事ですが、読んでみると何とも言えない気持ちになれます…
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
7 8 9 10 11 12
第3週『新選組参上!』
13 14 15 16 17 18
第4週『若奥さんの底力』
19 20 21 22 23 24
第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
25 26 27 28 29 30
第6週『妻の決心、夫の決意』
31 32 33 34 35 36
第7週『だんな様の秘密』
37 38 39 40 41 42
第8週『京都、最後の贈り物』
43 44 45 46 47 48
第9週『炭坑の光』
49 50 51 52 53 54
第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『九転び十起き』
61 62 63 64 65 66
第12週『大阪一のおとうさま』
67 68 69 70 71 72
第13週『東京物語』
73 74 75 76 77 78
第14週『新春、恋心のゆくえ』
79 80 81 82 83 84
第15,16週は “五代さまウィーク”、その後は “はつが来た” で「あさロスが怖い」視聴者対策をするNHKをどう思う?
第15週『大阪の大恩人』
85 86 87 88 89 90
[備忘録] 自分の「あさが来た」の感想がブレる理由
第16週『道を照らす人』
91 92 93 94 95 96
第17週『最後のご奉公』
97 98 99 100 101 102
第18週『ようこそ!銀行へ』
103 104 105 106 107 108
第19週『みかんの季節』
109 110 111 112 113 114
第20週『今、話したい事』
115 116 117 118 119 120
第21週『夢見る人』
121 122 123 124 125 126
第22週『自慢の娘』
127 128 129 130 131 132
第23週『大番頭のてのひら』
133 134 135 136 137 138
第24週『おばあちゃんの大仕事』
139 140 141 142 143 144
第25週『誇り高き人生』
145 146 147 148 149 150
最終週『柔らかい心』
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