あさが来た (第151回・3/28) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
最終週『柔らかい心』『第151回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
また、本記事では「宮崎あおい」さんの「さき」は本来の「立つ崎」が機種依存文字のため「崎」に統一しています。
※ 本作は 3/5 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日、ベタボメ感想だけではないので、ご理解を。
新次郎(玉木宏)は、千代(小芝風花)と啓介(工藤阿須加)の娘を、多津子と名付ける。喜ぶ千代と啓介。そして、加野屋にはつ(宮崎あおい)と養之助(西畑大吾)がやってくる。そのときあさ(波瑠)は、気落ちしていた。新次郎がその理由を話すと…。はつと新次郎は、実業家として世間から評価されているあさについて話し合う。すると、新次郎は、ある自分だけの思いをはつに打ち明ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
土曜日と選曲が違うだけで全く印象が違ったアバン
最終週の予告編を観なければ良かった。そんな15分間だった。アバンタイトルで軽く先週のおさらい。そのあと、あさ(波瑠)が新次郎(玉木宏)に病院へ行くように懇願するシーンを前回のチェロの落ち着いた劇伴から、数秒間のピアノソロの寂し気な劇伴に差し替えて、今日の物語を予感させる演出。
BGMを変えただけで全く印象の違う場面に仕立てた最終週の演出は、やはり西谷真一氏だ。以前も書いたが、照明や小道具使いやカット割りが巧い西谷演出は今日も随所に冴え渡っていた。それだけに、予告編を観なければ…と思ってしまう。
俳優の演技と小物で物語を紡いでいく西谷演出
とにかく、西谷演出は映像で魅せる。台詞や語りに頼らず、俳優の演技と小物と雰囲気で物語を紡いでいく。命名書、顕微鏡、赤い風車、時計の時報の音、女傑の記事、調剤袋、抹茶、湯気の有無、生け花、三味線、淡い色の和服だからこその襟に滲むあさの涙などなど、すべて挙げたらキリが無い。が…
抹茶の緑色と、生け花の華やかさ…
特に私の目を惹いたのは、あさと新次郎の主治医・大塚健作(渡辺いっけい)に供される抹茶の緑色と中庭の青々として緑色。実に “生” を感じさせる色を画面に何気に入れることで、“生” とは真逆のような “死” や “寿命” を感じさせ、夕方のカットでは中庭の緑色と、生け花の華やかさの対比。
あさとはつの姉妹のアンサンブル…
あさにはつ(宮﨑あおい)が夕方の縁側で亡き夫の話をするシーンも良かった。障子戸が開いている2間の間に2人が座っている。それぞれが話す時の背景は必ず夕日の当たる障子戸と暗い室内の文字通り “明暗” を分けるような構図。
これまで描かれてきた明暗を分けたような人生を送ってきた姉妹を象徴するような背景。しかし、お互いに歳をとり、徐々に幼き頃の姉妹の関係に戻っていくことが、同じ夕日に向かって座っていることで魅せる。劇伴もピアノとヴァイオリンのアンサンブルで、正に姉妹のアンサンブルが美しいシーンになっていた。
本作で一番いい夕景かもしれない…
ラストカットの抱き合う夫婦の2ショットも照明も、実に優しさ溢れる演出。夕景のシーンは寂しくなりがちなところを、いつもの夕日より少し橙色味を加えて、ちょっぴり情熱的でもあり前向きな、そう西部劇映画に出てくるような少し元気が出るような夕景。本作で一番いい夕景かもしれない。
あとがき
今日の15分、すごく良かったです。あさと新次郎の夫婦の物語の切ないけれど懸命に生きる最終章のプロローグとして良かった。ただ、冒頭で書いたように予告編によれば、このまま土曜日まで、あさと新次郎の夫婦の物語の切ないけれど懸命に生きる最終章だけが描かれるのではないのです。
こう言う書き方はしたくなかったのですが、予告編にあった客寄せと視聴者サービスとスタッフの自己満足のための “蛇足” のような部分は必要なんでしょうか。このまま、夫婦の物語だけを描けば、自然と家族たちも描かれ、素晴らしい半年間のエピローグになるでしょうに…
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
19 20 21 22 23 24
第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
25 26 27 28 29 30
第6週『妻の決心、夫の決意』
31 32 33 34 35 36
第7週『だんな様の秘密』
37 38 39 40 41 42
第8週『京都、最後の贈り物』
43 44 45 46 47 48
第9週『炭坑の光』
49 50 51 52 53 54
第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『九転び十起き』
61 62 63 64 65 66
第12週『大阪一のおとうさま』
67 68 69 70 71 72
第13週『東京物語』
73 74 75 76 77 78
第14週『新春、恋心のゆくえ』
79 80 81 82 83 84
第15,16週は “五代さまウィーク”、その後は “はつが来た” で「あさロスが怖い」視聴者対策をするNHKをどう思う?
第15週『大阪の大恩人』
85 86 87 88 89 90
[備忘録] 自分の「あさが来た」の感想がブレる理由
第16週『道を照らす人』
91 92 93 94 95 96
第17週『最後のご奉公』
97 98 99 100 101 102
第18週『ようこそ!銀行へ』
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第19週『みかんの季節』
109 110 111 112 113 114
第20週『今、話したい事』
115 116 117 118 119 120
第21週『夢見る人』
121 122 123 124 125 126
第22週『自慢の娘』
127 128 129 130 131 132
第23週『大番頭のてのひら』
133 134 135 136 137 138
第24週『おばあちゃんの大仕事』
139 140 141 142 143 144
第25週『誇り高き人生』
145 146 147 148 149 150
最終週『柔らかい心』