あさが来た (第148回・3/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第25週『誇り高き人生』『第148回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
※ 本作は 3/5 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日、ベタボメ感想だけではないので、ご理解を。
千代(小芝風花)と啓介(工藤阿須加)の婚礼が近づいていた。花嫁衣装を選ぶ千代の前にあさ(波瑠)が用意したものとは…。美和(野々すみ花)のレストランで結婚パーティーが盛大に行われ多くの人が祝福に訪れる。その様子を見た、あさと新次郎(玉木宏)は…。その夜、あさと新次郎は、これからのことについてゆっくり語りあう。加野屋の将来を心配しているあさは、ふたりでゆっくり暮らそうと持ちかけた新次郎に…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
啓介の尺を、あさと新次郎に充てれば良いのに…
前回の感想で、「完全にエピローグモードになっている本作」と書いたが、今回の15分間に限っていれば、「やや過剰サービス気味」と言い改めた方が良いって感じだ。
折角、先週辺りから大風呂敷を懸命に畳んでいるのに、千代アゲをするがあまりに啓介(工藤阿須加)と言う新キャラをこの場に及んで登場させたため、畳みつつ広げる結果になっているのがホント残念。
しかし、脚本家も演出家が畳む方に重点を置いているのは、千代(小芝風花)たちの結婚披露宴のシーンを描かず後日談的に振り返る内輪の宴に差し替えたのは好感が持てる。ただ、啓介に割く時間を、あさ(波瑠)と新次郎(玉木宏)に充てて、きれいなエピローグにした方が美しいと思う気持ちは変わらない…
今回、唯一新次郎が大きく身体を動かした場面が印象的
さて、今や脚本について書いてもしょうがないから、演出的な部分に触れてみる。これは脚本上も関わることではあるのだが、今週になって新次郎の歩くシーンが極端に少ないことにお気付きだろうか。逆に、あさの凛とした立ち姿や姿勢よく歩く姿が増えている。
今回で言うなら、まずアバンの冒頭であさが障子戸を開けて入ってきて、立ったまま話す。披露宴後のあさと新次郎は座ったまま。千代たちを見送る時は立ったままで、新次郎は動かず仕舞い。
そして私が良いなと思ったのが夜のシーン。最初、新次郎は座ったまま。あさは和服を畳み終え、スクッと立ち上がり画面奥から手前にササッと歩いてきれいに正座をする。正対しての夫婦の会話がしばらく続いて、隠居の話の中で次の台詞きっかけでよっこいしょと言う感じで、あさの真横に移動する。
「あさはな、日本一のお嫁さんやさかい、日本一の富士山の見えるとこにでも別荘買うて、二人でのんびり過ごす言うのはどないやろうな」
隠居の提案をした新次郎に対して、あさは「まだまだ休むわけにはいかしません」といつものポジティブ思考で答える。そんなあさをじっと見つめる新次郎が実に印象的だ。今回で唯一新次郎が大きく身体を動かした場面こそ、きれいなエピローグに相応しい演出だった。もちろん波瑠さんと玉木宏さんの演技も…
何とか物語をあさと新次郎に戻そうするのは良いこと
そして、年明けのシーンは、まず歩む(歩く)千代夫婦、回廊を走るあさの足元のアップとみかんを口に入れる千代の口のアップのカットバック(切り返し)と言う何とも斬新でシュールな編集で、千代の妊娠を予感させた。
取って付けたような演技指導であり編集だが、新次郎はここでも座っていることで、夫婦の「老い」を違いを見せてると同時に、千代アゲをしつつも何とか物語をあさと新次郎に引き戻そうとしているのがわかる。一体、ここまで千代アゲを仕掛けているのは誰なんだ。脚本家や演出家より上層部なのは間違いなさそうだ…
あとがき
制作統括の佐野元彦さんが、過剰サービスの仕掛け人なんでしょうね(あくまでも、私の勝手な想像ですが)。普通に夫婦の物語と女傑と呼ばれたヒロインの話で十分面白いのは、原案を読めば周知のことなんです…
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
19 20 21 22 23 24
第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
25 26 27 28 29 30
第6週『妻の決心、夫の決意』
31 32 33 34 35 36
第7週『だんな様の秘密』
37 38 39 40 41 42
第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
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第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
61 62 63 64 65 66
第12週『大阪一のおとうさま』
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第13週『東京物語』
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第14週『新春、恋心のゆくえ』
79 80 81 82 83 84
第15,16週は “五代さまウィーク”、その後は “はつが来た” で「あさロスが怖い」視聴者対策をするNHKをどう思う?
第15週『大阪の大恩人』
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[備忘録] 自分の「あさが来た」の感想がブレる理由
第16週『道を照らす人』
91 92 93 94 95 96
第17週『最後のご奉公』
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第18週『ようこそ!銀行へ』
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第19週『みかんの季節』
109 110 111 112 113 114
第20週『今、話したい事』
115 116 117 118 119 120
第21週『夢見る人』
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第22週『自慢の娘』
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第23週『大番頭のてのひら』
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第24週『おばあちゃんの大仕事』
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第25週『誇り高き人生』
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