松本清張二夜連続ドラマスペシャル第二夜「黒い樹海」 (2016/3/13) 感想

テレ朝系・松本清張二夜連続ドラマスペシャル第二夜『黒い樹海』(公式)
『北川景子が清張作品、初挑戦! 向井理、沢村一樹ら 豪華キャストが集結!! 雪景色の長野で大ロケーション! 旅情ミステリーの名作が 2016年によみがえる――!!』の感想。
なお、原作: 松本清張「黒い樹海」(講談社文庫刊)は未読。
東北に行くと言った姉が長野で謎の死をとげる!妹の祥子(北川景子)が死の謎を追いかけていくと、そこには新聞記者、医者、華道家、画家、デザイナー…と疑惑の著名人たちの存在が!さらに、鍵を握る人物が不審な死をとげていき…!? 誰が味方で、誰が敵なのか? 姉は何故、妹に嘘をついてまで長野に行ったのか? 姉の死は、本当に事故だったのか? 松本清張ならではの、重厚感あふれる傑作ミステリー!!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
こんな話だった…
脚本は、『ドクターX~外科医・大門未知子~ season2,3』『必殺仕事人2015』などの寺田敏雄氏。演出は、『緊急取調室』『死神くん』『DOCTORS 3 最強の名医』などの常廣丈太氏。
東北に向かったはずの姉・信子(小池栄子)が、長野県の雪山でのバス事故で急死する。東北にいるはずの姉はなぜ長野に向かったのか。バス前部に座っていたはずの信子が後部座席で亡くなっていたのは何故か。事故現場で拾われたのに不思議にも無傷の荷物。姉を見捨てて逃げた人物は果たして誰なのか。
姉を追体験するかのように姉と同じ仕事を始めつつ、真実を探しだす祥子(北川景子)だが、関係者とおぼしき人間が次々と殺される…
テレ朝御用達豪華俳優陣で “今どきのテレ朝感” が…
第一夜『地方紙を買う女』に比べると、原作の昭和設定を平成に置き換えた違和感こそ少ないが、全体に漂う昭和ののんびりとした雰囲気はどうしても漂う。ただ、その違和感の原因は脚本や演出と言うより、テレ朝御用達的な豪華キャスト総動員による “平成28年のテレ朝感” が蔓延していたからに他ならないと思う。
旅情ミステリー感とスペシャル感は、半端無かった
脚本と演出は、清張作品の重厚さは置いといて、とにかく旅情ミステリー感とスペシャル感を全面に押し出した映像づくり。雪山の長野での屋内外ロケをふんだんに盛り込み、バス事故は予算も気合も十分な仕上がり。CG、空撮何でも来いって感じ。地元の大協力っぷりは、往年の『西部警察』を彷彿させる勢いだった。
2夜目も、携帯の無い時代こその物語を強引に改変して…
ただ、残念なの3点。1つは、原作がどうか知らないが、2人目が殺されたあたりから、その後に続けられる殺人について、「事件を隠ぺいするためのものなら、最初から祥子を殺せば良いのに」と思えてしまったこと。その上、第二夜は15分拡大しているから、それが余計に引き延ばしを感じさせたように思う。
2つ目は、大勢の豪華俳優陣を登場させなくてはいけない大人の事情でもあったのだろう。序盤から中盤で目まぐるしく登場人物が出入りをするから、集中力に欠けたこと。そして3つ目は、豪華キャストの配役が今一つマッチしていない違和感と、俳優間での演技力の差がありありと見えてしまったこと。結局、全体的に力み過ぎって感じだった…
あとがき
どうも若い女性主人公が素人ながら協力者を得て、殺人事件の真相を暴いていくと言うストーリーが「素人探偵の事件簿」に見えちゃうんですよね。『遺産争続』の “黒い向井” の再来も中途半端でした。
過去に本原作がドラマ化された作品も観ていますが、ドラマ化しやすい題材ですが台詞が多い。特に主人公は独白も多いので、本作は俳優選びが肝になると思います。そこが今一つだったような…
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【これまでの感想】
松本清張二夜連続ドラマスペシャル第一夜「地方紙を買う女 ~作家・杉本隆治の推理」 (2016/3/12) 感想
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