あさが来た (第135回・3/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第23週『大番頭のてのひら』『第135回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
※ 本作は 3/5 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日、ベタボメ感想だけではないので、ご理解を。
意識を失っている雁助(山内圭哉)の手を握るあさ(波瑠)とうめ(友近)。すると…。そして、加野銀行では、榮三郎(桐山照史)が、生命保険を新しい事業としてはじめたいと提案する。それは、雁助の病院を訪れた時に思ったのだった。賛成するあさと新次郎(玉木宏)。一方、和歌山のはつ(宮崎あおい)の家では、次男の養之助(西畑大吾)の結婚が決まる。はつと惣兵衛(柄本佑)たちは喜びに包まれる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週のアバンは、この位にシンプルなのが良い
今回のアバンタイトルは実にシンプル。意識を取り戻す雁助(山内圭哉)が数カットのインサートで見せながら、最後はうめ(友近)、そしてあさ(波瑠)の悲鳴でサラッと主題歌へ。昨日も書いたが今週はエピソードがあざといだけに、映像ではこの位シンプルな方が鼻につかない。意識不明の名演技の山内さんにもご苦労さまを言いたい…
病院の待合室と病室の照明演出が、凝っていた
主題歌明けの病院の待合室のシーンの照明演出が、なかなか凝っていて良い感じだ。あさたちが立つ頭上には1つ大きめの円形のペンダントライト。奥の雁助の病室には裸電球丸出しの傘付きのアルミのペンダントライトが1つ。
あさと新次郎(玉木宏)と亀助(三宅弘城)は1つの大きな灯りの下。しかし、うめだけは違う灯りに当たってる。居る場所が違うのだから当然だが、うめがドアに近いところに立っているため、実は照明はあまり当たっていない。そして、待合室できっちりと明るくなるうめ。
これまであまり灯体を意図的に画面に入れ込んで来なかった本作だが、今回のこのシーンでは積極的に入れ込んでいる。お蔭でどの照明に当たっているかで、登場人物の立場を演出しているのだ。多分、待合室のペンダントライトの有無で、このシーンのリアルさはだいぶ違ったと思う。押し付けない照明演出と言えると思う。
加野銀行のシーンには、時間的表現が無くなった
ここで、編集的な部分から映像を見てみると、ちょっと不思議な、いやもしかすると巧みな仕掛けが施されているのかも?と思えることがある。それは今回登場する加野銀行のシーンがすべて青白い色の照明で、時間がいつかわかりにくい設定になっていること。朝でも昼過ぎ、昼下がりでもない時間帯。
敢えて頭上からの照明を排除して、正面(横)からの照明をメインにしたちょっと舞台風のやんわりと且つベタッとした照明。因みに、序盤での病室は夕景なのに、直後の電報を受け取る加野銀行は夕景には見えない。和歌山の眉山家のシーンもおそらく夕景だろうが、生命保険の話をする加野銀行は夕景でない。
多分、編集上の使い勝手を考慮して、意図的に加野銀行のシーンは時間を明確にしない照明にしているのでないだろうか。これなら度重なる脚本の変更にも対応しやすいから。確かに映像的には違和感が無いと言えば嘘になるが、ビジネスのくだりは時間的な表現を強調しないと言うのは、語りを入れるにも自由度が効いて、意外と良い作戦だと思う。
あさと新次郎の夫婦の夜の会話のシーンも良かった
そして、銀行のシーンに時間(的表現)がない分、終盤の新次郎とあさが縁側で話す夜のシーンの照明が活きてくるとも言える あさの膝下にあるガスランプ、部屋奥の橙色のランプの行燈、下手(左手)の青白い照明と奥行き感のある、病院の待合室と病室ような凝った灯体の配置。夫婦の話の内容ともしっくり合っていた。
手毬の効果音など、今後も編集による演出に期待
翌朝?の加野銀行の前でのシーンでは、宜(吉岡里帆)の「ラブ」の台詞に合わせて、手毬が鳴る音が印象的に先行して、続いてうめの手元の手毬が回る音に繋がると言う何とも乙女チックな演出が見られた。と思ったら、爽やか過ぎる位に啓介(工藤阿須加)が登場。
アバンでは、エピソードをシンプルな演出で描き、終盤では思い切りメルヘンチックな演出で難を隠す。流石、水曜日になると新田真三氏の演出の良さが際立ってくる。とにかく今回は撮影での工夫と音による効果が、強引な展開をそう感じさせないように上手く働いた。この調子でラストまで編集に期待したい。
あとがき
多分、収録現場でも物語の違和感については気づいている(いた)と思います。それが今回の照明になったと思えば、本作もまだまだ脚本、演出、俳優の三位一体が見られる可能性はあると言うこと。とにかく僅かな編集に期待を込めて、次回も観てみます。
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
19 20 21 22 23 24
第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
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第6週『妻の決心、夫の決意』
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第7週『だんな様の秘密』
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第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
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第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
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第12週『大阪一のおとうさま』
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第13週『東京物語』
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第14週『新春、恋心のゆくえ』
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第15,16週は “五代さまウィーク”、その後は “はつが来た” で「あさロスが怖い」視聴者対策をするNHKをどう思う?
第15週『大阪の大恩人』
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[備忘録] 自分の「あさが来た」の感想がブレる理由
第16週『道を照らす人』
91 92 93 94 95 96
第17週『最後のご奉公』
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第18週『ようこそ!銀行へ』
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第19週『みかんの季節』
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第20週『今、話したい事』
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第21週『夢見る人』
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第22週『自慢の娘』
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第23週『大番頭のてのひら』
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