ナオミとカナコ (第7話・2016/2/25) 感想

フジテレビ系・『ナオミとカナコ』(公式)
第7話『どうして警察が…だまされた女』の感想。
なお、原作:奥田英朗「ナオミとカナコ」は既読(読書感想の記事)。
達郎(佐藤隆太)の失踪を信じない陽子(吉田羊)の追及をぎりぎりでかわした直美(広末涼子)と加奈子(内田有紀)は、犯罪の証拠が映っている防犯カメラの映像の保存期間が切れる10日後を祈るような思いで待つしかない。が、新しい人生を歩もうと決めた加奈子は、朱美(高畑淳子)の会社の面接を受け、契約社員として働き始める。一方、興信所の所長・三枝(前川泰之)から失踪の理由は女ではと指摘された陽子は山本(近藤公園)に連絡する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
脚本家・浜田秀哉氏の “原作の脚本化” が実に上手い
原作と比較する必要なんて無駄なことは百も承知なのだが、原作小説は、「ナオミ編」と「カナコ編」のような前後2部構成で事件発生から結末までを描いている。そして、本作も原作になぞらえて第7話から「カナコ編」のような描き方になっている。こう言う脚本家・浜田秀哉氏の “原作の脚本化” が実に上手いと思う。
結局は直美に頼るしかない加奈子を描いた見事な構成
本作は(原作も)、決して犯罪者視点でDV夫殺しをただ描いているのではない。幾度も書くが、本作は “走り出したら止まらない、女2人の短絡的で刹那的だけど勇気ある自己実現の旅の物語” だ。 直美(広末涼子)と加奈子(内田有紀)の人生そのものを描いてこそ、意味がある。
その点で、この事件で一番人生が変わった(変えたかった)加奈子が、序盤では再出発した人生を謳歌すると共に、中盤のマンション管理人からの防犯カメラ映像の話に腰砕けになり、結局は直美に助けを求めるしかない弱い女の姿を、全話の折り返し地点で改めて集中して描いたのはお見事な構成だ。
正に、手に汗握るエンターテインメント・サスペンス
中盤までに直美に頼るしかない弱い女としてちゃんと加奈子を描いたことで、直美が唯一の親友であり共犯者であることも更に極まったし、加奈子が朱美(高畑淳子)の会社に勤め出したことで、敵か味方か分からない朱美の怪しさや恐ろしさも益々面白くなってきた。そして、ついに強気な直美も朱美に弱みを見せるし…
また、探偵と手を汲んだ陽子(吉田羊)の追及の手が、徐々に直美と加奈子を攻め込み追い詰めていくのが、きりきりじりじりと観ているこちらの胃に迫ってくる感じ。また終盤では、完璧主義者に見えた陽子の誤解が、いい感じに物語に揺さぶりをかけてくる。正に、手に汗握るエンターテインメント・サスペンスに仕上がってる。
あとがき
ついに、林(佐藤隆太)が日本に戻ってきましたね。ここからが達郎と林の二役を演じる佐藤隆太さんの演技力の見せ所。原作小説の面白さを残しつつ、照明やカット割り、音楽など映像でしか表現できないアイテムで、面白い連ドラになっていると思います。次回にも期待します。
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