[読書] ニセ科学を見抜くセンス (左巻 健男/著・新日本出版社社) 感想

ニセ科学が、小中学校教育にまで入り込んでる
未だに「血液型性格診断」や「マイナスイオン」を信じている人がたくさんいるのだから、ニセ科学で騙して一儲けしようと言うプロの商売人やメーカーに仕掛けられたら、本気で信じ込んでしまう人もいるのは想像しやすい。
冒頭に紹介されている「EM(有用微生物群)菌」のことは、私は初見だったが、本書を読んだり関連サイトを読めば、こんなことを信じる人がいるのかと半ばあきれたと同時に、このニセ科学「EM教育」と称して、2014年5月時点で全国で1641校(全小中学校の6%強<出典>)で子どもたちに教えられている恐ろしい事実を知った。
注)上記の商品群は、飽くまで私の “ニセ科学のイメージ” です。
各商品の性能、効能、効果はご自身でお確かめ下さい。
科学知識が乏しくても、分かり易く書かれている
また、本書で紹介されている写真集『水からの伝言』は、当時私も読んだが、あまりの馬鹿馬鹿しさに驚いたが、2000年頃には関係書籍やグッズが店頭に並んでいたり、やはり学校で教材に使用されていることに愕然とした記憶がある。
これらの他にも、ニセ科学の例として「マイナスイオン商品」「ゲルマニウム」「水素水」「アガリクスなどの抗がんサプリ」「ホメオパシー・血液サラサラ・経皮毒・デトックス」などが、具体的に説明されている。決して科学知識を十分に持たなくとも理解できるように書かれているから心配はない。
注)上記の商品群は、飽くまで私の “ニセ科学のイメージ” です。
各商品の性能、効能、効果はご自身でお確かめ下さい。
ニセ科学に、騙されないためのテクニック
本書には、ニセ科学に騙されないためのテクニックも書いてある。例えば、「テレビの一方的な情報を鵜呑みにしない(P.70)」とか、「知りたい商品に “批判”、“批判” などをくっつけて検索する(P.182)」なんてのは簡単にできる。
また、「波動、共鳴、抗酸化作用、クラスター、エネルギー、活性、活性化、免疫力、即効性、万能、天然などの言葉があったら怪しい可能性が高い(P.182)」と疑ってかかるのは癖にしても良いと思う。
あとがき
基本的に、猜疑心が強くて臆病で小心者でケチな私は、科学っぽい雰囲気を漂わせているものや、如何にも医学的に正しいようなこと、信じがたい途方もない事実や効果を謳うものには近寄りません。それらに騙される人がいるのも信じられません。
と言いつつ、我が家の風呂にはゲルマニウム温浴の小石が入ってますし、風呂上がりにはマイナスイオンを発生するドライヤーを使ってます。やはり、ニセ科学がつけこむ隙間を作らないような、社会と正しい科学が共存する世の中を作るしかないと思います。
そのためには、科学を勉強するしかありません。その第一歩として本書や紹介した書籍を活用してはどうでしょうか。
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★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
水の常識ウソホント77 (平凡社新書)
「リスク」の食べ方―食の安全・安心を考える (ちくま新書)
病気になるサプリ 危険な健康食品 (幻冬舎新書)
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