相棒 season14 （第16話・2016/2/17） 感想

テレビ朝日系・『相棒 season14』（公式）
第16話『右京の同級生』の感想。

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右京（水谷豊）は、小学生時代の同級生・律子（竹下景子）と偶然再会する。彼女は、外国人労働者を支援する医師になっていた。その翌日、律子の患者であるマリオが清掃業者として出入りするビルの脇で他殺体が見つかり、右京は捜査に乗り出す。殺されたのは、外国人に就職をあっせんする団体の職員だった。一方、入国管理局の摘発情報の漏えい問題を極秘に調べていた亘（反町隆史）も、現場のビルの名前に聞き覚えがあった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

「また、登場人物を複雑にしてつまんなくする巻だ」

今回は、管理人みっきー以上に『相棒』ファンの “みっきーの同級生”（簡単に言うと “妻” です）と観たのだが、その妻の第一声が「また、登場人物を複雑にしてつまんなくする巻だ」だった。うん、的を射てる。

さて。脚本は、Season13 の『人生最良の日』の山本むつみ氏。演出は、Season14 の『最終回の奇跡』『秘密の家』の池澤辰也氏。物語は、Season10 の『藍よりも青し』にちょっと似てるだろうか。右京（水谷豊）の3日間だけの小学生時代の同級生・律子（竹下景子）が不法就労等外国人をかわいそうに思って…

なぜ「右京の同級生」なんて設定を追加したのか？

まず、合点が行かないのは、なぜ「右京の同級生」なんて設定を追加したのかってこと。正直、この設定が無くても、巨悪を見逃したまま尻切れで終了した時点で残念回なのに。

確かに、昔はこのような右京の今まで描かれなかった新たな設定を見るのは楽しかった。しかし、ここ数年と言わずとも、Season14 になり亘（反町隆史）が新加入しているのに、「杉下右京の事件簿」が多発している状況で、更に右京を推すような話をつくるのは、単純に「右京劇場」が加速し大人の事情が鼻につくだけ。

もちろん、同級生の設定を削除したところで、もっと亘を言葉だけで「共同戦線」なんて言わせずに、グイッと前に出して特命係のもう1人の特殊な立場の人間として活躍させなければ、「右京劇場」から脱皮するのは難しいと思うが。普通に、不法就労等外国人と悪徳斡旋組織の話にしたら良かっただけなのに。

右京の正義感の描き方が、気に入らない

更に気に入らないのが、右京の正義感の描き方。右京の正義感の基準は彼の中にあり、それは絶対的正義であり刑事の信念でもある。どれだけ親しい相手だろうとどれだけ巨悪だろうと、悪は悪として許さない。それが右京の正義。それがあるから、特命係に在籍する訳で、言わば本作の大きな生命線でもある。

それが、今回は、同級生の犯罪関与と大物の国外逃亡の2つを見逃した。観てみぬふりをしたと言って良いかもしれない。まさか、右京が歳をとったから丸くなったとか？おいおい、右京に人情味は似合わない。いや、あってはいけない。右京が持ち合わせない人情味を補うのが相棒なければいけないのだから。

まさか、「杉下右京純情派」なんてことにはならないと思うが、右京が冷酷さと人情味を併せ持ち自在に使い分けるようになったら、『相棒』の終焉ってことになる日も近いと思う。そんなことまで考えてしまった『右京の同級生』だった。

あとがき

亘も捜一も米沢さんも大した活躍もしませんし、最近では一番の残念回でした。Season14 も残すところ一ケ月半。このまま亘はそーっと退場してしまうんでしょうか。次回に期待…して大丈夫かなあ。

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