ナオミとカナコ (第5話・2016/2/11) 感想

フジテレビ系・『ナオミとカナコ』(公式)
第5話『夫殺したこと驚くほど後悔してない』の感想。
なお、原作:奥田英朗「ナオミとカナコ」は既読(読書感想の記事)。
ついに直美(広末涼子)と加奈子(内田有紀)は達郎(佐藤隆太)を殺害。その時、陽子(吉田羊)から達郎の携帯電話に連絡があり、留守番電話には「殺されないように」と吹き込まれていた。直美と加奈子は青ざめるが、計画通り、車で遺体を運び、森の中に掘っておいた穴に埋める。朝日が昇る中、夫を殺したことを後悔していないと笑顔で直美に話す加奈子。そして午後、直美と加奈子は達郎になりきった林(佐藤=2役)を中国に送り出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
アメリカン・ニュー・シネマのロード・ムービーが蘇る
昼間に殺害するなんてことはないだろうが、この夜と言う時間帯が実に本作に合ってる。例えば、死体を遺棄しに行く途中の車内で、車内も車外も真っ黒で2人の顔だけが白く浮かび上がるのも、ある意味神秘的。
カーラジオから女性ヴォーカルデュオ PUFFY の「これが私の生きる道」が流れるなんて、アメリカン・ニュー・シネマのロード・ムービーを感じさせる演出。流石、日本版『テルマ & ルイーズ』をイメージしただけのことはある。
細部にまで演出が施されていて、気持ちが良い
山中で達郎(佐藤隆太)の死体を埋めるシーン。自らの行動が、“走り出したら止まらない、女2人の短絡的で刹那的だけど勇気ある自己実現の旅の物語” であることを自覚するのがも印象的だ。自分たちのしたことの重大さと自分たちの未来を天秤にかけた2人の女の切実さがひしひしと伝わって来た。
だが、少し落ち着くと、気楽にディナーのビールで乾杯する可愛げのある殺人犯たちは、翌日はランチで殺人計画続行の打合せ。直美は赤色のセーター、加奈子は白色のジャケットで2人でおめでたい紅白仕様。だが、洋服の前は開けていないことで、芯の強さを描く。本当に細部にまで演出が施されていて気持ちが良い。
テーブルに映る姿など、徹底的にサスペンス仕立て
そして、33分過ぎに物語が大きく動き出す。達郎の無断欠勤が発覚し達郎の家族や勤務先が騒ぎ出し、朱美(高畑淳子)の不穏なツッコミも厳しくなる。じわじわと世間が直美と可奈子に攻め入る緊迫感と、素人算段の詰めが甘い殺害計画のボロがいつ出てしまうのかの緊張感のバランスが実に良い。
その後もラストまで、順子(富司純子)の記憶障害、銀行のコンプライアンス、陽子(吉田羊)の鋭い勘を、台詞に頼らずにきちんとサスペンスの演出で魅せていく。それにしても、高畑淳子さんと吉田羊さんの見るからに気の強そうな感じが、余計にドラマにリアルさを加えてる。スゴイ。
あとがき
絶妙な配役と俳優たちの名演技の上に、考え抜かれた美術、照明、カット割りなどのセンスのいい演出が乗っかっていますから、最強ですね。犯罪者を応援すると言う理不尽な自分が、実に奇妙な感覚です。いつ、どんな「ボロ」が出るのか、原作既読の私でも次回が待ち遠しい限りです。
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