怪盗 山猫 (第4話・2016/2/6) 感想

日本テレビ系・土曜ドラマ『怪盗 山猫』(公式)
第4話『仲間の死の真相。盗む母の涙…』の感想。
なお、原作:神永学「怪盗探偵 山猫」シリーズは未読。
山猫(亀梨和也)が入手した細田(塚地武雅)のUSBメモリーに、悪徳不動産会社の情報が記録されていた。山猫らは、細田が生前、認知症の母親・芳子(市毛良枝)が実家と亡父の工場がある山をだまし取られたと話していたことを思い出す。一同は早速、芳子に接触。彼女に同情した真央(広瀬すず)は、山の権利書を取り返したいが、山猫は動かない。そんな中、勝村(成宮寛貴)を尾行したさくら(菜々緒)が「ストレイキャット」に現れる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
亀梨さんの芝居重視の映像が、独特な雰囲気を作る
スポーツ番組『Going!Sports&News』で、ベースボールスペシャルサポーターをやってる “野球大好き青年・亀梨和也” も野球やスポーツ選手への真摯な姿勢が好きで素晴らしいと常々思っているのだが、今作で “山猫” を演じる “俳優・亀梨和也” のメリハリある演技力に毎回ノックアウト気味なのだ。
例えば、冒頭での仲間たちとのボードゲームのシーン。超ハイテンションで勝村(成宮寛貴)にツッコミを入れるテンポや間の良さに驚いていると、真央(広瀬すず)が「こんな本気でボードゲームやる人初めて」と言うが、実は「ボードゲーム」の台詞を微妙に噛んでる。
本来ならリテイクして当然だが、演出の猪股隆一氏はそのカットをわざわざOKテイクとして使った。きっと、この山猫のハイテンションの芝居が良かったからに違いない。撮り直すより関本(佐々木蔵之介)が入室するタイミング含めて最良と判断したからだろう。
亀梨さんの芝居重視の映像が、本作の独特な雰囲気を全編に漂わせる作戦、好みは分かれるかもしれないが、私には傑作の予感すらするのだ。因みに、13分頃の鍋を食べるシーンで、勝村の「疑いますよ~」も微妙に噛んでるが、それも同じで残されている。これが亀梨さんのテンション重視の統一感だ。
細部にまで、山猫スタイルを徹底的に作り込んでる
とにかく、怪盗山猫のハイテンションを活かすための工夫が半端ない。「皆藤愛子」からの「怪盗アイコ」とか、筆談による会話とか、山猫が喋ろうが黙っていようが、常にハイテンションなのが見える。真面目な話も馬鹿馬鹿しい話も、山猫のスタイルを踏襲すべく、徹底的に作り込んでるのが良い。
狂気の山猫から、死者の魂を慰める山猫まで魅力的
後半、山猫が細田(塚地武雅)の母・芳子(市毛良枝)の企みに気づき、芳子を徹底的に追い込むシーン。それまでのコミカルなハイテンションと同じ、いやそれ以上のハイテンションで芳子に襲い掛かる狂気の山猫が、母子の関係を修復して、山猫がただの怪盗でないことを良い感じで見せたいいシーンだった。
そして、終盤、細田の墓前を訪ねる山猫。落ち着いた雰囲気でサングラスを外し、細田へ「ゆっくり休め」と細田のボードゲームのコマを置くのも良かった。
痛快さ、山猫のリーダーシップ、メリハリが良い
本作が楽しいのは、“俳優・亀梨和也” が生み出す独特の世界観なのだが、それ以外にも理由はある。話は若干パターン化しても、圧倒的な痛快さがあるし、山猫が常にチームを数手先までリードして進めるリーダーシップの凄さ、コミカルとシリアスをハイテンションと平常心で巧みに描くところとか。
ネタ振りも謎も先延ばしに全く感じないし、ホント良く出来てる。惜しむらくは、もう少し全体の人間関係をシンプルにしても良いかなと。複雑な人間関係をきちんと見せようとすると、折角の全体のテンション重視の雰囲気が説明っぽくなるから。とは言え、この放送枠らしい楽しさは超えていると思う。
あとがき
それにしても、よく亀梨和也さんをキャスティングしましたね。日テレさん、天晴れって感じで今夜も観ていました。好みはあると思いますが、ハマったら抜けられない面白さがあります。仕事で疲れて帰って来て観るのに、丁度良い軽快さと痛快なドラマ。次回にも期待します。
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