あさが来た (第95回・1/22) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第16週『道を照らす人』『第95回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
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あさ(波瑠)のもとにやって来た五代友厚(ディーン・フジオカ)の秘書は、五代の体調が危ないことを伝える。あさは新次郎(玉木宏)とともに五代のもとに駆け付ける。横たわっている五代が目を覚ますとあさが来ていて…。五代にあさは、死なないでほしいと必死に訴える。五代は、これまでのあさとの思い出を語りだす。そして、まだまだ死ぬわけにはいかない、やり残していることがたくさんあると語り…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
音、照明、撮影で心情を描き、アバンらしく盛り上げた
まず、ヒグラシの声で季節感を出し、遠くのカラスの声で不吉な予感を醸し出し、静かで弱弱しいピアノ曲で五代への女たちの不安な気持ちを描く。続いてBGMは雄大ながらどこか寂し気なストリングス系の曲に変わり、途中のトランペットで男たちの五代の思いへの共感を描いた。
そして音楽が止まるのに合わせて、あさ(波瑠)が膝から崩れ、新次郎(玉木宏)が駆け寄り支える。ハンディカメラで臨場感を出しながら、背後の窓から強烈な光を入れて、あさと新次郎に照明のエッジを効かせて、ここで大きくエピソードを前進させて、主題歌のイントロが先行して入ってくる。
2分45秒の長尺なアバンタイトルだが、音楽と効果音、照明とカメラワークでこの場に居合わせた登場人物たちの心情を丁寧に描きつつ、終盤で映像に変化を加えてイントロ先行させたことで、「ついに…」と言う期待と不安をドラマチックに盛り上げたと思う。サントラの発売が待ち遠しい…
トライアングル「あさ×新次郎×五代」の見事な描写
本作の、いや、あさの物語にこれまでで最も丁寧に且つ長きに亘り描かれて来た「あさ×新次郎×五代」の3人を頂点にするトライアングルが奏でてきた音がついに終わるのを描いた今回。
昨年12月後半から「新次郎×五代」、今年に入ってからやや急ぎ足だが「あさ×新次郎」、で、それらに次ぐ最後の一辺とも言うべき「あさ×五代」が出会いから描かれた。回想シーンでは、子供時代のあさ役に鈴木梨央さんを充てたりと、映像的な工夫もいい感じ。
照明もいつもの座敷の昼下がりの柔らかな黄色系でなく、朝日に近い印象の青白い系のキリッと締まった照明で、五代(ディーン・フジオカ)のトレードマークでもある白いシャツ(あさも白い和服で合わせてある)、あさの赤く染まった泣き顔とこぼれる涙を力強く見せた。
また、廊下の新次郎はチラリと映るだけだが、顔半分だけ見える照明で、暗い側の寂し気な表情と奥の明るい窓のコントラストが絵画のよう。潤んだ赤い瞳が印象的なインサートカットだった。とにかく今回の「あさ×新次郎×五代」のトライアングルは見事な映像で美しい音色を奏でたと思う。素晴らしい。
今回のような映像的表現こそ、テレビドラマだと思う
そして、終盤。語りで五代の死を告げたのも良かった。映像で見せるべきものとそうでないものがあるはず。それをきちんと見極めてナレーション処理して、遺された美和(野々すみ花)とあさを映像で描くのはホント良いこと。
特に、座敷に1人ポツンと座るあさが、庭に背を向け座敷の奥まで届くような日差しを背にして、長い影を作っていたシーンも印象的。ここ数日の同じ座敷とは思えない演出。BGMが終わって新次郎が入ってくると風鈴の音。奥の草も風に揺れる。
先程の廊下の新次郎のカットに似たような一枚の絵画のようかカットだが、こちらは実に動的。あさと新次郎、そして時代が大きく動いたことを表現しているのだろう。今回は、語りを含め、こう言う映像的表現こそテレビドラマだと思う。それだけに、もっと前から…と思ってしまうのだ。
あとがき
今日の五代の台詞、これからのこのドラマの進むべき方向を告げていたと思います。そして、今日の15分間で、これまであさに一区切りがつき、次のステップのあさを描く支度は整ったと言って良いのではないでしょうか。あとは、ヒロイン中心に物語を描くことを期待します。
そして、今回新ためて本作のサントラの良さに気づかされました。まだ、サントラ盤は未発売なんですよね。でも、『連続テレビ小説「あさが来た」オリジナル・サウンドトラック Vol.1』が2016年1月27日、『連続テレビ小説「あさが来た」オリジナル・サウンドトラック Vol.2
』が2016年2月24日に発売になります。そちらも楽しみです。
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
19 20 21 22 23 24
第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
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第6週『妻の決心、夫の決意』
31 32 33 34 35 36
第7週『だんな様の秘密』
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第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
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第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
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第12週『大阪一のおとうさま』
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第13週『東京物語』
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第14週『新春、恋心のゆくえ』
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第15,16週は “五代さまウィーク”、その後は “はつが来た” で「あさロスが怖い」視聴者対策をするNHKをどう思う?
第15週『大阪の大恩人』
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[備忘録] 自分の「あさが来た」の感想がブレる理由
第16週『道を照らす人』
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