映画「パディントン(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
ある日、イギリスの大都会ロンドンのパディントン駅に、真っ赤な帽子を被った小さな紳士が、南米ペルーの奥深いジャングルから家を探しにやってくる。右も左も分からない彼は思い切って英国紳士らしく通行人たちの声をかけるが、誰も相手にしてくれない。その理由は、彼が “クマ” だから。
やっと出会った親切なブラウン夫人に、出会った駅名から “パディントン” と名付けられた彼は、ブラウン夫人の家に居候することになるが、初めての都会暮らしと野生の本能が顔を出してはドタバタの連続。そしてブラウン一家と一緒に自分の家を探し始めるが、博物館の剥製師ミリセントが彼を剥製にするために狙っていた…
新鋭のポール・キング監督の才能が輝くまくる映画
長年世界中で愛されている、マイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」の実写映画化。
『ハリー・ポッター』シリーズなどのプロデューサー、デヴィッド・ハイマンが製作を手掛け、原案・脚本も手掛けたポール・キング監督は、これまでに監督した長編映画は2009年のコメディ「Bunny and the Bull」のみという新鋭。『007 スペクター』で “Q” を演じたベン・ウィショーがパディントンの声を担当。
原作の世界観を残しつつ、新鮮なVFXクマが素晴らしい
それ程、期待はしていなかった。予告編でみたパディントンもお世辞にもカワイイとは言えず、いつもながら外国人の描く動物型人間は妙なリアル感があるなって感じで。しかし、これが物語が進むにつれて、どんどん愛着が湧いてくる。あの赤い帽子も青いコートも抜群に似合って見えてくる。
それに、観終えてみると、あのVFXが生み出したパディントンの意匠が、原作の世界観を全く壊すことなく、斬新さと新鮮さを併せ持っていることに気づく。これが、本作を大人が観ても十分に楽しめる大きな要因の一つだと思う。
“じっくり見ては大笑いする” の連続
とにかく笑いのセンスが抜群。名作映画のパロティーや音楽の使い方などもやり過ぎず、全体の「間」が素晴らしい。脚本と演出の両方できちんと「間」が計算され尽くされている感じで、物語を魅せるところと笑いのポイントが実にバランスが良く、“じっくり見ては大笑いする” の連続なのだ。
センスのいい英国流のユーモアが心地良い
チャップリンの映画に通じる、如何なる状況(本来好ましくない状況)にも笑いを添えるたり、 自分自身も笑いの種にすると言った英国流のユーモア。そして、その英国流のユーモアが本作でもパディントンと一家の良好な関係を築く重要なファクターになっている点も如何にも英国映画って感じで良かった。
あとがき
予告編ではどう見てもザ・ファミリー映画ですが、原作の世界観を壊さずに新鮮さを加えたVFXが生み出したクマの意匠の素晴らしさ、パディントンとブラウン一家が良好な関係を築くまで強い物語、その過程で盛り込まれる英国流の上質なユーモアで、笑ったり泣いたり感動したりの繰り返しです。自分もクマでまだ感動できるんだって興奮しますよ。
因みに、実写版の続編が既に決定されており、脚本・監督は本作のポール・キング監督が後継するそうです。これもまた楽しみです。
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