あさが来た (第79回・1/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第14週『新春、恋心のゆくえ』『第79回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
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明治11年12月、あさ(波瑠)は、年越しの準備で慌ただしい。祝いのお膳を用意し、庭では餅をつき、活気ある加野屋の年末である。番頭の亀助(三宅弘城)は、ふゆ(清原果耶)の縁談の話が気になっていた。そして、新年、「本年も幸多かれ」とみんなで拝み、お正月のごちそうにありつく加野屋の人々。あさは、亀助の気持ちをわかっていて、なんとか応援しようとする…。そして亀助は、ふゆに勇気を出して話しかける…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週は、ペンギンのアニメを採用した新田真三氏の演出
いよいよ新年第一発目。後半戦の始まりである。冒頭、あさ(波瑠)が嫁いでから13年経過したことをナレーションで処理して、超短めの先週のおさらいを入れて、サブタイトル直結の番頭の亀助(三宅弘城)とふゆ(清原果耶)の恋バナのネタ振りとサブストーリーになりそうな予感たっぷりのあさと新次郎(玉木宏)と千代(東出奈々)のカット。
今日のアバンタイトルは明らかに12月を担当した3人の演出家とは違うタッチ。そう、あの『はつが来た』が大量に挿入されていた頃をよく担当していた新田真三氏の演出だ。第9週であのペンギンのアニメーションを採用して、語り重視から映像的演出に本作中に変化した人。さて、1か月ぶりの登板で腕は鈍っていないだろうか。
ヒロイン以外を面白おかしく描くのも悪く無いが…
さて、こちらは年明け早々だがテレビの中は年越しの準備と言う時間差攻撃で始まった本編。そして、9分過ぎには年明けのシーン。
新年第1週だけに、過ぎると思う程に緩いと言うか、如何にも朝ドラと言う程に長閑な話。とは言え、既にネタ振りされているから、こんなもんだろと言う感じ。総集編では、新年の挨拶とおせち料理以外はばっさりカットされる6日間なのだろう。まあ、ヒロイン以外の部分を面白おかしく描くのも、朝ドラらしくて私は悪いとは思わない。
亀助とふゆの恋バナを応援するヒロイン夫婦と子育てを良い意味でだら~と描くのも、新年早々からがっつり大事件で始まるよりのんびりしていて良いかもなんて思う部分もある。
あさが女性実業家のパイオニアなのが薄まってない?
しかし、どうしても気になってしまうのが、本作が「女性実業家のパイオニア・広岡浅子の生涯」をなぞった物語であることが、どんどん薄まっていくこと、いや事実「はつが来た」が挿入されなくなった頃から明らかに薄まっていること。
また、一部の読者さまからお叱りを頂戴するのを承知で書けば、去年の前半戦の3か月で、あさが “女性実業家のパイオニア” であることが強調し目立って描かれたのは、新選組にお金を貸すの貸さないののくだりと炭鉱のくだりくらい。敢えて言うなら、あさの女性実業家年表の数行が映像化されたに過ぎない。
今作のヒロイン・白岡あさのモデルが、数々の大偉業を成し遂げだ人物であることは放送前も今も番宣や民間企業CMでも知らせているのだから、もう少しそこを描いても良いと思う。このままでは、某朝ドラの二の舞 “年表の箇条書き” への道を進んでしまうのでないかと心配なのだ。
のちに「第14週が勿体無かった」とならないよう祈る…
「びっくりぽん」で流行語を狙おうが、恋バナを描こうが、楽しさを表現するために脚本も演出もコント風に仕立てようが、確かに朝ドラだから楽しければ良いのだ。良いのだが、私には「はつが来た」が撤収してからの方が、何となくあさが群像劇に埋没しているようで少々期待外れで、悲しくさえなってきている。
2か月以上前、あれだけ一部の読者さまの批判を浴びても「はつが来たは早く止めるべき」と書いたのに、今やその頃の方が「あさがきた」の部分がしっかり描かれていたようにさえ思えてくる。視聴率が良いから、楽しければと何でもやってると、のちに「第14週が痛かったね。勿体無かった」なんてことにならないことを祈る…
あとがき
今日は、千代を演じた東出奈々ちゃんの演技があったのが良かったですね。あれが無かったら、「こう言うのを見たいんじゃない」なんて声が聞こえてきそうです。細かい演出はそんなに悪く無いと思います。特に千代への演技指導?なんて微笑ましくていい感じ。
ただ嫁入りして13年経っても娘みたいな感じのあさの言動なんかをこの調子で描いて、仕事は箇条書きだと、苦労知らずのヒロインの偉業年表風ファンタジーになってしまうような。言うことがおかしいかもしれませんが、「はつが来た」の頃の良くも悪くも視聴者を釘付けにした『あさが来た』の再来に期待します。
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
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第6週『妻の決心、夫の決意』
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第7週『だんな様の秘密』
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第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
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第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
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第12週『大阪一のおとうさま』
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第13週『東京物語』
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第14週『新春、恋心のゆくえ』
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