相棒 season14 （第10話 元日スペシャル2時間30分版・2016/1/1） 感想

第10話/元日スペシャル2時間30分版『英雄～罪深き者たち』ラテ欄『英雄～罪深き者たち首相候補を狙う連続爆破!!人質は全都民1300万人の命！占拠された豪華客船上で特命係が絶体絶命!!』の感想。

---

片山雛子官房副長官(木村佳乃)と音越官房長官(西村和彦)による新会派結成会見で、爆破事件が発生。そんな中、休暇中だった右京(水谷豊)は、元捜査一課の三浦(大谷亮介)から、伝説の革命戦士・本多(古谷一行)と娘の茉莉(内山理名)に関する気になる話を聞く。一方、亘(反町隆史)は、雛子が指揮を執る会議に招集されていた。爆破事件に本多の関与が有力視され、亘や警視庁公安3課を含むチームは事態の収拾に動き出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

期待ハズレがお約束の「元日スペシャル」…

脚本は、『相棒14』の第2話担当の真野勝成氏でちょっぴり期待、演出はお馴染の橋本一氏で、期待ハズレがお約束の「元日スペシャル」が、今年も放送された。

全体を見渡せば、伝説の革命戦士・本多（古谷一行）と娘の茉莉（内山理名）、官房 “副” 長官となった片山雛子（木村佳乃）ら長期連ドラならではのファンサービスもあり、2時間半もあれば当然だがあって当然の物語の捻りもあった。そして、かなり強引で無理矢理なねじ込み方だが亘（反町隆史）らしい言動も描かれた。

そして何よりきわどいところだが、終盤の1時間のお陰で「杉下右京の事件簿」のまま終わることは無かった。と言う訳で、何とか「元旦スペシャル」の汚名返上には一役買ったかもしれない。まあ、全編に “ギリギリ” が漂うレベルではあるが…

本多篤人と片山雛子をここまでアゲる必要ある？

今回の企画が「本多篤人退場劇」と「片山雛子議員辞職劇」のどちらからスタートしたかは憶測の域を出ない。しかし、“元旦スペシャルだから大事（おおごと）を描く” と言う意味無き “企画の縛り” がすべて裏目に出てしまったように思う。

普通にシンプルに、且ついつもの「なぜ特命係が？」的な大事件に関わる、元暴力団組長・鞘師九一郎（橋本さとし）らの次期総理候補の音越官房長官(西村和彦)暗殺計画事件で良かったと思う。

先に書いたように「退場劇」「辞職劇」ありきとしたら、折角の『相棒』ではそれなりに重要なお馴染キャラだから、これまで同様に丁寧に描いて、1時間枠で良いから完結して欲しかった。まあ、個人的には小野田公顕（岸部一徳）ほどの役職でも個性的キャラでも無いから、ここまでアゲる必要はないと思うが。

で、特に本多の父娘のくだりのお陰で、メインの暗殺計画事件がかなりブツ切れな印象になったのが一番残念で仕方がない。

三兎を追う者は一兎をも得ず…

まあ、1時間18分頃の右京（水谷豊）と亘（反町隆史）が船で久し振りに再会するまで、右京の新々相棒に富山の役場の植村明梨（武田梨奈）が抜擢されたかのような不自然な絡み方が気になってしまった。

そして案の定、序章の頃に右京が明梨に警察手帳を見せ、名前を変えているはずの「本多茉莉」の名をスルーした明梨を右京もスルーした。こんな重要なことをスルーしたまま右京が捜査を進めるってことは…とバレバレの展開と事件のオチ。

結局、無理矢理にこじつけて、過去の登場人物を物語に強引に連れ込んだ結果、二兎、いや三兎を追う者は一兎をも得ずって感じ。うーん、勿体ないなあ。

あとがき

冠城亘のいる『相棒』の「元旦スペシャル」としては、ギリギリ「杉下右京の事件簿」にならなかったのが救いでしょうか。それ以外は前年で仕方ありません。最近「小さなことが気になる…」の台詞が多用しすぎの本作で、今回の右京さんに “あの見逃し” はないと思いますよ。次回の通常回に期待します…

http://

   

★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
相棒season13(上) (朝日文庫)
杉下右京の多忙な休日
杉下右京の冒険 (朝日文庫)

---

★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/7947/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/431994630.html でも、TB受付けております。

---

【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話