[読書] キュッパのはくぶつかん (オーシル・カンスタ・ヨンセン/著,イラスト・ひだにれいこ/翻訳 ・福音館書店) 感想

「北欧フェスティバル2015クリスマス」で偶然出会った
2015/12/23に書いた記事『日本橋高島屋の「クリスマス×リトルプリンス 星の王子さまと私」イベントに行って来ました』で触れたイベント会場の横で同時開催されていたのが、『北欧フェスティバル2015クリスマス(公式※現在は終了)』で、北欧関連の商品を売っていた。
ノルウェーの絵本の人気キャラ KUBBE(キュッパ)
当然、そこでこの機会にしか手に入らない幻のムーミングッズなどに客の注目は集まっていたのだが、私の目に留まって興味を惹いたのが、これまで見たことのなかった名も知らぬ丸太の木のキャラクター。よく見ると、ノルウェーの絵本「キュッパのはくぶつかん」の人気キャラ KUBBE(キュッパ)と言うらしい。
あまりのかわいらしさについ「リフレクトキーホルダー(税込864円)」。極端に長く暗い北欧の冬では、夜間の交通で存在を認識されることが不可欠ってことでの反射グッズ。特に、裏面のデザインが秀逸過ぎる。他にも子供の頃に戻った気分で、幾つかグッズを買ってしまった。
ふと出会ったグッズから知ることになったこの絵本
そんなことから、ふと出会ったグッズから知ることになったのが、ノルウェーの絵本作家、オーシル・カンスタ・ヨンセンによる「KUBBE」と言う絵本。早速、『キュッパのはくぶつかん』と言う絵本を買って読んでみた。
「子供のしつけ法」なんて次元でない
読む前は、いろいろ集めるのが大好きな丸太の男の子のキャラクターが、森からあれこれと持ってきて家の中が散らかるのを、賢いおばあちゃんに片づけを教わる…そんな教育的なテーマが背後にある絵本と思っていた。ところが、本書はそんな「子供のしつけ法」なんて次元でなかった。
まず、主人公が好奇心の赴くままに収集してきたものを、自分なりの価値観で意味づけをしカテゴライズして、博物館をつくって住民たちにプレゼンする。そして、写真に納め図録を作り会場に来れなかった人に見せると言う発想と展開が面白い。この他にもキュッパはいろんな工夫をするのだが…
かわいい絵で、今時の情報整理法が書いてある
これ、なぜ面白いかと言うと、様々なものが落ちている森は、今の情報社会でありモノが溢れた社会を表し、片付けると言う行為は、今私がブログを書いているような「情報の整理」に通じる。そして、まとめたり更に新たな価値観の想像は芸術や科学への一歩まで示唆している。
見た目は可愛らしいキャラクターのシンプルな絵本だが、実はものすごく奥深い。しかし、一生懸命に博物館を運営するのだが、疲れて一週間で飽きちゃう部分や、自分のモノは自分のモノ、他人のモノも自分のモノ、自分のモノはみんなのモノ的な子供らしい自由な価値観も、大人の目線だと懐かしくて微笑ましい。
是非、大人が読んで「身近なモノの価値」を再認識するのに丁度良いと思う。
あとがき
北欧らしいデザインが楽しくて美しいので、部屋に飾るのも良いと思います。それ程にメジャーで無いのも、「自分のモノ」的で魅力的です。絵本としては読み易く、大人も子どもも楽しめます。グッズもあるので、探してみてはいかがですか。
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