あさが来た (第78回・12/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第13週『東京物語』『第78回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
あさ(波瑠)は、五代友厚(ディーン・フジオカ)と酒を飲み、語りあう。あさの仕草を笑う五代は、徐々に平静をとりもどす。しかし、あさは酒に酔って眠ってしまい…。一方、大阪の新次郎(玉木宏)と亀助(三宅弘城)は、美和(野々すみ花)の営むレストランで、ビールを飲みながら、ふゆ(清原果耶)について話し合い…。五代の事務所で目覚めたあさは、慌てて大阪に戻っていく。新次郎に出迎えられた、あさは…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
アバンから本編への流れは、説明的だが朝ドラらしい
昨日、「先週と同じ西谷真一氏が演出しているのかと本気で疑ってしまう」と書きつつ、あとがきで「あさと五代が更に深い信頼関係を築く場面に期待したい」と書いた。そして、今日のアバンタイトルのファーストカットを観て、やはり西谷氏であることを確信した。
その理由は、1カット目が昨日のラストカットの五代友厚(ディーン・フジオカ)とあさ(波瑠)の抱擁する過程と重複させず、五代があさから “体を離す動作” から使われていたからだ。このきめ細かな演出(編集)は先週のアバンで見せた西谷氏の手腕に通じると思うから。
だって、今回の抱擁、観る人にとっては「炭鉱や千代を放り出したまま何やってんの?」なんて捉え方をするかもしれない。しかし、物語を良く見れば、この抱擁があさと五代が更に深い信頼関係を築く場面だと言うことは昨日の15分間を見れば明らかなこと。
しかし、敢えて言うならあさと五代、いや波瑠さんとディーンさんのファンにとってはそう言う見方をすると思う。それを排除するために、映像的には説明的で蛇足だが、敢えて冒頭で “体を離す動作” を入れたと思う。
主題歌明けで更にあさが台詞で補足するのも、そう言う視聴者向けの年末大サービスだと思う。本来、しなくて良いのに。まあ、こう言うのも朝ドラらしいと思うが…
劇中のあさと新次郎は、想像以上に成長し進んでるのだ
そして、場面は東京から大阪へ、お酒はウィスキーからビールへ、登場人物はあさから新次郎(玉木宏)と亀助(三宅弘城)と美和(野々すみ花)へ。まだウィスキーの美味さを分からないあさと、ビールを美味そうに飲む新次郎を描いて、新次郎の懐の深さをチラ見させる辺りは、実にさり気なくていい。
ここもまた、「正吉が死んだのに…」なんて言う見方もあろうが、物語の中の登場人物たちは想像以上に成長、進んでいるのだ。それを1日15分で描くのは困難。だから、こんな細切れ的表現になってしまう。そしてネタ切れのように映るのだ。くだらない時に褒めて、良い時に攻める、これも朝ドラファンの王道なのだが…
和ませ役の友近さん演じるうめがいい
そして、今日の3つ目の場面は、あさとうめ(友近)の軽妙なコント。やはり、お笑いで鍛えた友近さんの演技は、ほんの僅かな登場でもしっかりと場を和ませてくれる。また、昨日指摘した東京の街の人通りの少なさについてだが、今日は僅かだが歩行者が多かった。やはり何かあったようだが今日はスルーしておく。
もっと、東京で感動した出来事を見せるべきだった
ラストはあさが新次郎に東京(一応)視察の結果報告。あさが東京でびっくりぽんしたことが列挙されたが、本来ならそれらをもっと描き魅せるべきだったと思う。それをやや怠ったために、抱擁が目立ってしまった。まあ、ロケセットでの撮影に困難が伴ったと言うことにしておこう。
あさと新次郎が良い感じで別人格に描き分けられている
そして予告編。正吉がいなくなっても、あさと新次郎が良い感じで別人格に描き分けられているから、『新春、恋心のゆくえ』なんて男女の話も成立すると思う。ただ、厳しく言えば先々週や先週と比べると、東京と大阪、あさと新次郎の描き方に苦戦のあとが見られたのは確か。是非、年明けから持ち直して欲しい。
あとがき
今日で全体の半分が終わったことになりますね。そんな目で見てみると、前半で描かれた『はつが来た』に割いた尺が、この1か月ほど殆ど活かされていないのが気になります。それと全体が硬派から軟弱化しているのも。まあ、まだ半分3か月はありますから、どうなるか分かりませんけれど…
とにかく、いろいろあった『あさが来た』の感想記事も年内はこれが最後になると思います。半年間何だかんだとありましたが、やさしく見守って頂き、ありがとうございました。また年明けの1月4日からよろしくお願いいたします。
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
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第6週『妻の決心、夫の決意』
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第7週『だんな様の秘密』
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第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
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第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
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第12週『大阪一のおとうさま』
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第13週『東京物語』
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