あさが来た (第75回・12/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第13週『東京物語』『第75回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。
あさ(波瑠)とうめ(友近)は、東京の五代友厚(ディーン・フジオカ)の事務所を訪れる。そこに現れたのは、政府の要人で内務卿を務める大久保利通(柏原収史)であった。あさは、三人でこれからの日本について語る。居眠りしていたうめが目を覚ますと、その様子に驚いて…。改めて大阪のためにがんばろうと思う、あさ。一方、大阪の新次郎(玉木宏)は千代の世話をしながらあさのことを心配に思って…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
“ヒロインの物語” を早く進めたい、が溢れたアバン
今日は祝日だから、さほど物語を進めないかと思いきや、アバンタイトルの冒頭から火曜日の振り返り無しでスタート。この、とにかく “ヒロインの物語” を早く進めないと描きたいことが描き切れないと言う感じが、先々週から前面に見えており、放送前からそれを一番に期待していたから、嬉しい限りだ。
そして、今日のアバンは1分40秒強と、西谷真一氏の演出の割に長尺仕様だが、きちんと五代友厚(ディーン・フジオカ)のあの “ファースト・ペンギン” のくだりに続く物語と、昨日の福沢諭吉(武田鉄矢)に次ぐ明治維新の大物キャラクター、大久保利通(柏原収史)を「びっくりぽん」を効果的に使って、心地良いアバンに仕上げたと思う。
五代の事務所でのやりとりは、見応え十分
主題歌明けも実にスムーズな展開。五代の事務所の前半は朝から午前中って感じの強めの青い日差しが射し込む部屋で「あさ=朝」を見せ、その後は敢えて柔らかな昼下がりの設定へ。
日差しが射し込む窓、汽車の汽笛、うたた寝から目を覚ますうめ(友近)、溶けかけたアイスクリン、柱時計の5時の時報音と、時間経過を示すカットをゆっくりと積み重ねて、大久保らとあさ(波瑠)の会話を、これからやってくる「普通の明日の朝」を「日本の夜明け」に見立てたいような夕景シーン。
大久保に「なかなか力がある」と言わせたあさの芯の強さを、ナレーションを挟まずに、演技と台詞と音楽だけで描いたのも好感が持てる。
五代のあさへの気持ちをチラリと描くのも悪くない
そして、東京の夜の街。ガス灯のやわらかな光に照らされるあさ、それに見とれるような五代。何とも五代の仕事とは別の思いを感じさせるような描き方も、朝ドラにしては珍しい。しかし、こう言う男女のことを描くのも、本作のリアリティーに繋がるエピソードだから、やり過ぎさえしなければ、ファンサービスとしてアリだと思う。
あさと新次郎の対比も面白いし、ふゆも見逃せない
「その頃、大阪では」のナレーションも必要ないと思うが、場面変わって大阪の加野屋。こっちはこっちで亀助(三宅弘城)に煽られて肉食系にされた新次郎(玉木宏)は千代の世話をしながらため息をつく。実に夫婦の対比が面白い。
そして、新次郎の取り得が身長の高さだと亀助が言い続けると、突然ふゆ(清原果耶)が新次郎を加勢。ふゆもいつの間にか成長したようだ。そして、謎の男の話で亀助の恋バナを面白おかしく匂わせる。こちらはこちらで、ふゆで男女のことを描くのも意外とハラハラと楽しい。
終盤の2分も無駄なく、話を進める徹底さ
でもって、「新次郎がいろいろなことにやきもきしている間にも」は余計なナレーション。だが、物語は残り1分間でも着実に前進するのが良い。港での蒸気船の音なんかも実に風情があって良かった。
そして、「牛鍋 伊勢熊」であさとふゆ。待ち合わせの伏線役に福沢諭吉が陣取ってるのも面白い。あさの待ち合わせ相手は、きっと五代に影響を受け米国留学していた弟の忠嗣だとは思うのだが、ネタ振りもきちんと、祝日なのに最後の最後まで手抜き無しの15分間は楽しさ満載だった。
あとがき
もう、ナレーションなんて不要なくらいに、俳優の演技と照明や音楽や効果音で描いていると思います。物語も着実に進んでいますし。今週は安定感抜群ですね。明日も楽しみです。
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
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第6週『妻の決心、夫の決意』
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第7週『だんな様の秘密』
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第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
49 50 51 52 53 54
第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
61 62 63 64 65 66
第12週『大阪一のおとうさま』
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第13週『東京物語』
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