あさが来た (第66回・12/12) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『あさが来た』(公式)
第11週『九転び十起き』『第66回』の感想。
なお、原案:古川智映子氏の『小説 土佐堀川』は既読。また、本記事では「宮崎あおい」さんの「さき」は本来の「立つ崎」が機種依存文字のため「崎」に統一しています。
また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
「炭坑の爆発は、事故でない」と話す五代(ディーン・フジオカ)。とまどうあさ(波瑠)。その時、治郎作(山崎銀之丞)が…。固唾を飲む炭坑で働く一同。そんな中、サトシ(長塚圭史)は…。後処理に追われるあさは、銀行づくりの夢が遠のくのを感じて…。正吉(近藤正臣)は、事態の収拾のため大番頭の雁助(山内圭哉)を九州に向かわせる。するとそのあと、正吉の自身の身に…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週のアバンタイトルは実に巧みな仕上がり
水曜日から書き続けているが、今週のアバンタイトルは実に巧みな仕上がりだ。今回も冒頭で次郎作(山崎銀之丞)の身の安全をむやみに引っ張ることをせず、サトシ(長塚圭史)のこともチラ見させただけ。
コンパクトにまとめた上に、主題歌のイントロを13秒程先行してスタートさせて歌アタマにオープニングタイトルをきっちり合わせて、今週描いてきた出産ストーリーから完全に仕事ストーリーに切り替える雰囲気を自然に作り出したと思う。
ファンサービスあり、音でも魅せて、会話もウマい
メインタイトル明けは、名探偵・五代(ディーン・フジオカが登場するも、だらだらと出番を作らず、あさの筋の通った一言で退場。こう言う五代ファンへのサービスとテンポの良さを同時にやる辺りがニクい脚本だ。
雁助(山内圭哉)の「加野炭鉱は、もう手放したらええと違いますやろか?」の後の、タイミング良くうっすらと夏らしい風鈴の音は何かに気付いた父・正吉(近藤正臣と新次郎(玉木宏)と悩みあさ(波瑠)を、その後のあさの体の変化と母・よの(風吹ジュン)のやさしさは夏の夕暮れの長閑なヒグラシの声がほのぼのとした空気感で包み込む。こんな音の演出もさりげなくて良かった。
そして、夫婦の会話の中に今週のサブタイトルの意味を入れて、更に我が子の千代を仲介役にして、母・あさの芯の強さと父・新次郎のやさしさまで見せる細かな会話もウマい。
ヒロインあさの物語として、観ていて安心感が半端無い
場面変わって、先の風鈴で閃いたさせて父のアイデアが「父の最後の頼み」として勘助に告げられる。照明演出は刻々と深まる夕暮れをじわじわと描き、敢えて夜のシーンを挟まずに雁助の旅立ちの朝に直結したのも潔い。
とにかく、まずはあさはしっかりと、次はあさの仕事関連を、それら以外は出来るだけコンパクトにと言う描写の法則のようなものが終始守られているから、ヒロインあさの物語として観ていて安心感が半端無い。
そしてラスト1分でサトシの謎解きのヒントを見せて、来週は父を描くことも本編内で暗示までさせる丁寧さ。今週は尻上がりに良くなった1週間だった。
あとがき
今週は、私にとっては月曜日と火曜日に若干の暗雲が立ち込めましたが、水曜日からは見事な仕上がりになって驚きました。やはり、3日目になると演出家さんも本領発揮と言ったところでしょうか。
脚本の構成も無駄がないし、ナレーションを極力排除して、台詞と演技で登場人物を描き続けたのも善し。演出もアバンタイトルから的確なカット割りや音楽の使い方など実に細かく手抜きなし。本編も脚本と相まって無駄なくテンポとメリハリがあって、その上笑いあり涙ありの盛りだくさんなのに奇を衒わない。
こんな脚本と演出が続けば、きっとすぐに私が懸念していた放送前の不安は吹き飛ぶに違いありません。次週にも期待します。
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【これまでの感想】
[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案
第1週『小さな許嫁』
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第2週『ふたつの花びら』
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第3週『新選組参上!』
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第4週『若奥さんの底力』
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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』
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第6週『妻の決心、夫の決意』
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第7週『だんな様の秘密』
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第8週『京都、最後の贈り物』
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第9週『炭坑の光』
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第10週『お姉ちゃんの旅立ち』
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第11週『九転び十起き』
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