コウノドリ (第9話・12/11) 感想

TBSテレビ系・金曜ドラマ『コウノドリ』(公式)
第9話『燃え尽きて…病院を去る時』ラテ欄『医師が病院を去る時…』の感想。
なお、原作漫画:鈴ノ木ユウ氏の『コウノドリ』は未読。
不妊治療を続けてついに念願の子どもを授かった美雪(西田尚美)は、出生前診断を受けた方が良いのかと悩み、サクラ(綾野剛)に相談する。そんな中、23週で切迫早産の妊婦の受け入れ要請が飛び込んでくる。何とか受け入れ態勢を整え、すぐに出産となるが、早くに生まれた赤ん坊は肺の形成が十分ではなく、低くはない確率で障害や死亡のリスクが残っていた。新井(山口紗弥加)は両親にそれを告知することになり…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
新井医師の “無力感” と “使命感” の苦悩
前回は、これまでで最も様々な妊娠と出産、親と子、生と死を盛り込んだ。敢えて言うなら、妊婦や患者の立場からの視点を中心に、(医療関係者だけでなく)多くの人が関わっているのを魅せた。
そして、今回は妊婦や患者らの視点はそのままに、日夜いのちの重さと向き合う周産期医療従事者たちの視点、特に真面目な医療従事者ならば必ずぶつかるであろう自分の “無力” を感じつつも、懸命に母子のいのちを救おうと全力を尽くす周産期医療従事者たちを見事に描いた。
特に、常に冷静で責任感が強く頑張り屋の新生児科医・新井(山口紗弥加)だからこそ感じる強い “無力感” とそれに打ち勝とうとする “使命感” が中心に描かれた。ホント、1時間に一切の無駄のない構成に脱帽するだけだ。
両親に抱っこされる赤ちゃんを魅せた秀逸な1カット
そして、赤ちゃんにとって、家族にとって “何が” 幸せなのかを誰よりも自問自答している今橋(大森南朋)だからこそ、医療の限界をきちんと患者たちに伝え、赤ちゃんを親に抱かせるシーン。まるで神様の視点のような俯瞰のカメラで赤ちゃんが手渡させる1カットが素晴らしかった。
2時間ドラマや劇場映画では味わえない連ドラらしさ
更に、今回は妻を亡くし娘を一人で育てる浩之(小栗旬)の苦労も継続して描かれた。本作の素晴らしいのは、周産期医療と言う妊娠から出産そして新生児までの長期の過程を扱う病棟であることを、連ドラの中できちんと描いてること。2時間ドラマや劇場映画では味わえない連ドラらしい楽しさが本作にはある。
サクラの主人公らしさも存在感もピカイチだ
そして毎度のことだが、決して出番は多くないが、きちんとサクラ(綾野剛)がの主人公らしさが描かれることに驚かされる。特に、終盤での助産師・小松 (吉田羊)とのやり取りや、さらりとインサートされる “BABY” のピアノシーンだけで、今回も存在感はピカイチ。
登場人物全員参加型ドラマの楽しさと無駄のない物語
これも毎度の繰り返しになるが、本作には登場人物全員参加型ドラマの楽しさがある。医療従事者も妊婦も患者も赤ちゃんも全員が必要枠で無駄のない物語。次回が最終回とのことだが、どんな最終回になるか?よりも、終わらないで欲しいと言う気持ちの方が大きいのは間違いない。
あとがき
本当に隅々まで丁寧にきっちりと作り込まれているドラマだと思います。無意味な煽りもなく、奇を衒うこともなく、とにかく丁寧に登場人物たちの心情を紡いでいく。他の連ドラも本作を見習って欲しいと思います。次回はいよいよ最終回。終わって欲しくないですが、大いに期待します。
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