[読書] 日本懐かし自販機大全 (魚谷 祐介/著・辰巳出版) 感想

著者の “オタク魂” と “レトロ感” 溢れる装丁
懐かし自販機巡りは、普通の観光旅行などでは飽き足らない人向けの遊びかもしれない。
わずか200~300円の自販機うどん・そばを食べるだけのために、
高速代とガソリン代を惜しむことなく使って遠くへと車を走らせているとき、 私は自由と豊かさに感謝する。
現代とは思えない非日常感や懐かしさを味わえる自販機コーナーが、いつまでも有り続けることを切に願っている。
本書の「はじめに」に書かれている著者のこの言葉に、本書のすべてが詰め込まれている。全国に広がるコンビニ店や道の駅に押されて、次第に姿を消しつつあるオートスナック、コインスナックなどと呼ばれ、親しまれていた無人の24時間営業の自販機コーナー。
そこで365日24時間明るい電気を灯して、利用者を迎えてくれていたのが、うどんやそばなどの食品系自動販売機。その現在を著者ならではの “オタク魂” と本書らしい “レトロ感” 溢れる装丁で魅了してくれる一冊。読み終えれば、誰もが巻末の「全国懐かし自販機 MAP』で近場の店を探すに違いない。
無人だからこそ感じる人の温かみ…
P.51で紹介される茨城県稲敷市の「あらいやオートコーナー」の「ひれかつ弁当」に書かれているのが、「無人だからこそ感じる人の温かみ…」と言うキャプション。食品系自動販売機の、オートスナックの魅力をこれほど的確に示した言葉があるだろうか。
利用者に見えないところで、日夜自販機をメンテナンスし食品を補充管理し、店内を清掃したりする人たちの支えがあってこそ、無人の店舗が成立する。まさに、無人だからこそ感じる人の温かみだ。
思えば、深夜に立ち寄る高速道路にある最新のドライブインよりも、昭和のオートスナックの方が何とも人の温もりがありホッとしたのは、無人だからだったのかもしれない。
あとがき
島根と山口の食品系自販機の保守管理を一手に引き受けている「自販機の神」と呼ばれる田中さんや、オートスナックなどの看板制作を手掛ける瀬戸工芸さんへのインタビューが情熱的で面白いです。もちろん、データブックとしての情報量もきれいな写真と共に実に興味深く読めます。是非、昭和の良き時代の自販機を見直してみませんか。
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