映画「コードネーム U.N.C.L.E.(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
東西冷戦真っ只中の1960年代前半。ドイツナチスの残党が核兵器拡散をたくらむ謎の国際犯罪組織と結託し、世界を巻き込む一大テロ事件を企てていた。世界のパワーバランスを脅かすこの一大事を、長年の敵対関係にあるアメリカのCIAとソ連のKGBがこの件だけ手を組むことに。
コンビを組むのは、CIAで最も有能とされるナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)とKGBに史上最年少で入った超エリートのイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)。思考回路や方法論も真逆の2人は、組織に繋がる鍵を握るドイツ人科学者の娘を守りながら、科学者本人を探し出さなければならない。
そして、タイムリミットが迫る中、核爆弾大量生産技術の流出危機から世界を救えるのか…
この完成度、もはやリメイクを超えている
60年代後半には日本でもテレビ放映され、スパイものの大ブームを巻き起こしたとされるアメリカの伝説的TVシリーズ『0011 ナポレオン・ソロ』。私は世代的にドンピシャではないが、DVDで何度か観たことがある。とにかくすべてのキャラが立っていて、クール&コミカルな強いストーリーが魅力な作品。
それを、新感覚犯罪コメディ映画の傑作『スナッチ(2000年)』の監督ガイ・リッチーが、大人向けの洒落っ気とシュールさに満ちた脚本、スタイリッシュで洗練された演出、そして独特の映像感覚で現代風の小粋な極上スパイ映画に仕立て直したのが本作。この完成度、もはやリメイクを超えてさえいると思う。
徹底的にお洒落でシュールで小粋で洗練されてる
何せ、映画『ロックンローラ(2008年)』以来、ガイ・リッチー監督自ら脚本も書いているだけあって、字幕で読んでいても小粋で音的にも非常にテンポが良い。古き良き時代の優雅で美しい60年代が舞台だが、人も車もアクションは派手さは無いがスピーディでお洒落。時代を映し出す乗り物やファッションや小道具のチョイスもセンス抜群。
また、「核拡散の危機を阻止するスパイ映画」も「仲の悪い2人組が次第に意気投合するバディにある筋書き」も使い古されているのに、本作は冒頭のワーナーのロゴのデザインセンスだけで見事に吹き飛ばしてくれる。続く東西冷戦の説明映像のBGMに始まる全曲の選曲にも一切の手抜き無し。わかる人はより楽しめるって仕掛けもニクイくらいにカッコいい。
スパイ映画の当たり年に、かなりの掘出し物の1本
ただ、アーミー・ハマーが生粋のロシア人には見えないとか、国際犯罪組織の社長夫人ヴィクトリア・ヴィンチグエラを演じたエリザベス・デビッキがパリス・ヒルトンに超似てるとか、俳優絡みでは突っ込み所が少々。また、ストーリーも2人が動き出してから少しもたつくのが残念。
しかし、スパイ映画の当たり年なんて言われる今年の年末近くになって、本作はかなりの掘出し物であることは間違いない。是非ともシリーズ化を期待したい。
あとがき
上でも書きましたが、大人向けの洒落っ気とシュールさに満ちた脚本、スタイリッシュで洗練された演出、そして独特の映像感覚で現代風の小粋な極上スパイ映画です。アクションは派手さはありませんがスピーディでお洒落。60年代を映し出す乗り物やファッションや小道具やBGMのチョイスもセンス抜群。わかる人はより楽しめるって仕掛けもニクイくらいにカッコいい映画です。誰にでもお勧めできる映画です。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
「コードネームU.N.C.L.E.」 オリジナル・サウンドトラック
「コードネームU.N.C.L.E.」 オリジナル・サウンドトラック MP3
0011ナポレオン・ソロ2 [DVD]
Man from U.N.C.L.E. 8 Movies Collection [DVD]
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/7801/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/429952886.html でも、TB受付けております。
- 関連記事
-
- 映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」 感想と採点 ※ネタバレなし (2015/12/02)
- 映画「リトルプリンス 星の王子さまと私(2D日本語吹替版)」 感想と採点 ※ネタバレなし (2015/12/01)
- 映画「コードネーム U.N.C.L.E.(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし (2015/11/20)
- 映画「ラスト・ナイツ」 感想と採点 ※ネタバレなし (2015/11/17)
- 映画「アデライン、100年目の恋」 感想と採点 ※ネタバレなし (2015/11/09)