映画「アデライン、100年目の恋」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
交通事故で心停止した上に落雷によって29歳で老化が止まってしまったアデラインは、現代のサンフランシスコでジェニーと名前を変えて市立資料館で働き、老犬と世間の目から隠れるように暮らしていた、ある年越しパーティーで出会った青年エリスと恋に堕ちる。
エリスの両親の結婚記念日に実家に招待されたジェニーを、初対面のはずの彼の父ウィリアムから「アデライン」と呼び掛けられる。それは、ウィリアムが若かりし頃に真剣に愛した女性の名前だった…
不老不死の映画は数々あれど…
不老不死の映画は数々あれど、本作の主人公は生まれつきでなく、交通事故で車ごと水没したため反射性無酸素発作症により心拍が停止し。その瞬間に車に雷が落ちて大量の電気が流れ、蘇生し電磁圧縮作用で老化が止まったと言う、おいおいと突っ込みたくなるような理由が付いている。
とまあ、そんな理由で我が身が突然変異したのだから、もう普通の生活は送れないってことで、10年毎に住所も名前も見た目も変えて、人目を避けての引越し生活の日々で、何とか自分自身を見失わない生活を送る。この辺は、1960年代頃のアメリカのフェミニズムの波と上手く重ねていると思う。
結局は、一人の女性に、父と息子の両方が…って話
ただ、如何せん全体が大味過ぎる。不老不死になった説明も妙に長いし、青年エリスと恋に堕ちるくだりも、男性側の一目惚れは良く解かるが、ジェニーが惹かれ愛し合うまでに明瞭でなく、「何やってんの?」と突っ込みたくなる。
観客席に雷が落ちて恐ろしい睡魔から解放されるのが1時間数分後の、エリスのの父ウィリアムから「アデライン」と呼び掛けられるところ。ここまでが長いのなんの。その後は一人の女性に、父と息子の両方が肉体交渉を持つ俗に言う「親子どんぶり」の話。
それを、ウィリアムの惑星の話と絡めていい感じに仕立ててるつもりのようだが、結局はそう言う話。昔愛した女を目の前にした父親と、父が愛した女を愛する息子がどうなったのかは見てのお楽しみだ。
ドタバタせずに美しさと品があるクラシカルな恋愛物語
いずれにせよ、本作は主演を務めるブレイク・ライブラリーの魅力をどう見るかにかかってる。個人的には優雅なんだか薄幸なんだか良く解からないが、とにかく数奇な運命を歩む90年代初頭のレトロな雰囲気を上手に醸し出していると思う。
それと、父親役のハリソン・フォードの圧倒的な存在感が、強引に映画をまとめちゃうのもお約束な感じだが悪くない。
また、エンディングを見ても「これで終わり?」って感じなのだが、意外にもエンドクレジットの後味が心地良い。数奇な運命の女性の物語の割に、ドタバタせずに美しさと品があるから、全体がクラシカルな恋愛物語に見えて、これはこれでありかもしれない。
あとがき
数奇な運命を辿った女性の物語の割にドタバタせずに美しさと品があるから、全体がクラシカルな恋愛物語に見えることは見えます。しかし、前半の1時間が単調で睡魔との戦い。でも、ちゃんと目覚まし役はいるので、その後は一気に父と息子と一人の女をめぐるメロドラマ。全体的に大味ですが、安心して観られる作品です。
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