

ざっくりストーリー
1996年、登山ガイド会社を経営する登山家ロブ・ホールは、登頂ツアー客を率いてネパールにやってくる。集まった8人の顧客は、世界各地から集まったベテランの登山家たち。
エベレストのベースキャンプ(標高5,364メートル)で約1カ月間入念な準備を整えた、別のツアーと協力体制を組みながら順調に第4キャンプ(標高7,951メートル)まで登っていく。
しかし、固定ロープの不備や体調不良などで下山が大幅に遅れてしまう。更に天候が急激に悪化。人間が生存できないとされる「デスゾーン(標高8000メートルを超える地帯)」で、散り散りになってしまう…
1996年に起きた大量遭難事故の実話を基に実写化
1996年に起きた実話を基に実写化した本作。流石に、実際のエベレストで撮影された臨場感は圧巻の一言。また、実際に大量遭難事故に遭ったメンバーは、世界中の山々で経験を積んだベテラン登山家たちと言うから、事実の大きさも半端無い。中には、紅一点で日本人女性(難波康子さん)もいた。
アイスランド生まれの監督の極限の寒さの表現は巧み
監督は、1984年に実際に起きた海難事故を基にした『ザ・ディープ(2012)』で過酷な状況で生き残った人間の苦悩と葛藤を描いたバルタザール・コルマウクル監督。アイスランド生まれの監督だけあって、映像では伝わり難いであろう極限の寒さの表現は巧みだ。
エベレストの威厳や恐怖のみが、ただただ押し寄せる
そして、奇を衒ったり過剰な脚本も演出も敢えてすべて排除し、人物紹介から始まり淡々と大量遭難事故までの経緯を描き、現在の実際の関係者の映像でエンドクレジットまで誘導していく。従って、映像からはエベレストの威厳や恐怖のみが、ただただ押し寄せてくる。ハリウッドの豪華キャストが勢揃いしているが、主役はあくまでエベレスト。
世界で一番高い場所に「タッチ」したい
さて、この大量遭難事故は登山者の過剰な自信や準備不足、大自然の脅威を十分に知りながらも、世界で一番高い場所に「タッチ」したいと言う気持ちに引き際を見極められなかった登山者の愚かさが生んだ悲劇。そして何より、アマチュアでもお金を出せば登山できるエベレストの大衆化、商業登山や公募隊へ、一石を投じる映画だと思いたい。
あとがき
まず本作を楽しむには、序盤の人物紹介をきっちり把握しないとダメ。そして、予告編からスペクタクル映像を期待してもダメ。内容は、世界で一番高い場所に「タッチ」したいと無謀にも挑む登山者たちと、愛の力で下山させたい家族の物語が、エベレストの威厳や恐怖と共に淡々と描かれるだけ。主役はあくまでエベレスト。そう思えば結構楽しめる。個人的には、じっくり2D字幕版で観たかった。
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