下町ロケット (第2話 15分拡大・10/25) 感想

TBS系・日曜劇場『下町ロケット』(公式)
第2話/15分拡大『池井戸潤・直木賞受賞作~娘の愛で20億買収の危機を救えるか15分枠大SP』の感想。
なお、原作小説:池井戸潤氏の『下町ロケット』は未読。WOWWOW版は未見、ラジオドラマ版も未聴。
佃(阿部寛)は弁護士・神谷(恵俊彰)の提案で、ナカシマ工業への逆訴訟に打って出る。だが、今回の裁判を、大企業擁護派として有名な裁判官の田端(上杉祥三)が担当することになり、先行きに暗雲が立ち込める。そんな中、帝国重工の宇宙航空部部長・財前(吉川晃司)が佃製作所を訪問。佃が持つバルブシステムの特許を20億円で譲ってほしいと頭を下げる。この資金があれば、裁判を継続することができ、佃は頭を悩ませる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
やっと佃の技術屋魂や中小企業社長の意地が描かれた
前回の2時間枠の水増し(本作では “引き伸ばし” の方がピッタリか)によってだいぶ薄まってしまった、主人公・佃(阿部寛)の技術屋魂や中小企業の意地が、特許を売るか売らないかの葛藤を通して、今回は多少濃いめに描かれたのは評価したい。なぜなら、本作が描くべきはそこしかないのだから。
その意味では、佃がボーリングのスペアで人生の選択するのを映像的な面白さを加えて見せたり、裁判のシーンで娘とのやり取りからエジソンを引用して佃の技術屋の夢や考え方を描いたのも、法廷モノと言うより「佃劇場」として楽しさがあった。とにかく、この方向一点で進んで欲しいと願うだけなのだが…
“無駄な描写” と “解かり難さ” を改善すべき
佃「今やってんの、どっちだっけなあ」
殿村「確かに訳がわからなくなりますねえ」
最初に訴えられたステラエンジンの訴訟中の佃と殿村(立川談春)とのひそひそ話でのこの台詞に、今の本作の問題点が見えてくる。脚本家と演出家が作り出している “無駄な描写” と、主人公の描き方に二通りがあり、それが別の話のように同時進行している “解かり難さ” だ。
実際、殿村経理部部長と一緒に描かれる佃は、経営に苦悩する中小企業社長として描かれ、山崎技術開発部部長(安田顕)と一緒に描かれる佃は、夢や情熱と共に一技術者として描かれている。ここがポイントだ。
なぜなら、佃社長が自社の存続を第一に考えているなら、逆訴訟も念頭に特許を売却するかどうかで悩んでいるのを見せるだけで良い。そう、苦悩する社長は、夢や情熱を持った一技術者の佃である必要が無いのだ。そこを無理に同一人物にするから、話がブレて、結果的に佃の人物像さえブレて見えてしまっている。
早急に佃の物語を中心に方向修正した方が良い
その上、冒頭の前回のあらすじの復習の語りが、なんと2分35秒もあった。内容は前回ではまだ明確に表現されていない状況設定まで加えてあり、本作の2時間SPの第1話でも初期設定が十分に描かれていなかったことを証明している。
とにかく、本作は次週でまだ第3話。既視感はあるものの「法廷ドラマ」に仕上げるなら佃の必要が無いのは書いた通りだから、早急に佃の物語を中心に方向修正した方が良いと思う。
あとがき
相変わらず本業が俳優で無いタレントが登場するシーンは、かくし芸大会を連想させてしまいますが、恵さんを始め少しずつ出番がピンポイント化されているようにも思います。
とにかく本作は、元宇宙科学開発機構の研究員で、今は父親が残した下町の工場「佃製作所」の経営者として第二の人生を送る佃航平を描くべきです。そして佃を演じる阿部寛さんをもっと魅せるべきと思います。次回に期待します。
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下町ロケット
下町ロケット2 ガウディ計画
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第1話
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