スペシャルドラマ「デート～恋とはどんなものかしら～ 2015夏 秘湯」 （2015/09/28） 感想

フジテレビ系・スペシャルドラマ『デート～恋とはどんなものかしら～ 2015夏 秘湯』（公式）
『あの超絶恋愛不適合カップルが帰ってきた大ヒットロマンチックコメディ最新作!!遂に半同棲へ!!温泉旅行で浮気発覚!?私は貴方の心が欲しい…月に祈る本当の想い』の感想。

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　ある日、山下公園で待つ藪下依子(杏)の元へ、鷲尾豊(中島裕翔)が走ってくる。後悔していないのか、と聞く鷲尾に、ワクワクしていると答える依子。ふたりは鷲尾の車に乗り込んだ。同じ頃、谷口巧(長谷川博己)は、和服姿の橋本彦乃(芦名星)と温泉街を歩いていた。巧は彦乃の横顔に見とれ、彦乃も見つめ返す。
　1カ月前、依子と巧は未だ完成しない「結婚契約書」の作成を続けていた。そんな時、「浮気」に関する項目を入れ忘れていたと気づくが、自分たちには不要だと結論。そして、ついに結婚契約書が出来上がった。
　後日、島田佳織(国仲涼子)は来られなかったが、鷲尾、島田宗太郎(松尾諭)、藪下俊雄(松重豊)、谷口留美(風吹ジュン)、谷口努(平田満)の前で、依子と巧は結婚が合意に至ったと発表。しかし、契約書を読んだ鷲尾は、燃えるような愛欲のない結婚でいいのか、と依子に詰め寄った。一同に制させるが、納得がいかない鷲尾はその場を立ち去る。
　夜、依子の前に現れた藪下小夜子(和久井映見)は、実は鷲尾が言う愛欲を味わいたいと思っているのではないか、とハッパをかける。その言葉が響いた依子は、結婚前に予行練習期間を設けようと巧に提案、半同棲がスタートした。出勤、帰宅、食事、入浴時間などが決められている依子のスケジュールに合わせ、慣れない家事に奮闘する巧。ところが、あまりに細かいルールに、巧は息苦しさを感じるようになり…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

普通のSPは「その後」なのに、本作は「続き」だ

今年3月24日に連ドラ放送が終わって（最終回の感想記事）、ちょうど半年後と言う超短期間での今回のスペシャル番組が放送された。内容に入る前に、今回のSP番組が興味深く始まったことについて書こうと思う。

連ドラ時の本作の構成は、まず冒頭で「現在」を描き、続いて「目的の事案」まで過去から遡ると言う構成だった。そして、今回も同じ構成。そこで興味深いことが起こった。半年後のSP番組なのに連ドラと連続しちゃったのだ。普通のSP番組は「その後」なのに、本作は「続き」になってた。これって何気にスゴイことだと思う。

今回も秀逸なちょっと変わったキャラの王道の恋バナ

内容は、脚本は古沢良太氏、演出は武内英樹氏、その他スタッフも連ドラと同じだから、本作らしさをふんだんに取り入れ、レギュラーの登場人物を効果的に使いつつ、各人も丁寧な描写で魅せるのも健在。互いが惹かれ合っていく過程を描いた王道の恋バナを、ちょっと風変わりなオトナキャラで見事にブレずに描き切った。

“つり橋効果” を上手く活かした大人の純愛ラブコメ

それに今回の物語を面白く思ったこと。そもそも、依子（杏）と巧（長谷川博己）の “半同棲” の開始そのものが「あの時のドキドキは恋に違いない」と思い込んでしまい、恋愛感情が芽生えやすくなる “つり橋効果” のようなものだった。

その上に、彦乃(芦名星)を中心に巧のつり橋効果と、それを勘ぐる依子のつり橋効果を重ねて、更に恋愛にピュアで真面目な2人を描いたこと。いい大人たちが「人を罠にかけた」のには感心しないが、終盤の以下の台詞に帰結したから、終わり良ければ総て良しってことで。

   巧「でも、心の真ん中にいるのは、いつも君ですよ」
依子「えっ」
   巧「心の中心部分をいつも君が占めていて、
        周辺の端っこに時々他の人が…
        どうせ心の中なんて見せられやしないんだ。
        いくら説明したって証明しようがない」
　　　　　　　　（中略）
依子「心が欲しいです。あなたの心が欲しいです。
        中心部分だけでは嫌です。
        例え隅っこでも、他の誰かを好きになるのは嫌です。
        あなたの自他楽なところも
        ダメなところも全部受け入れます。
        だから、隅々まで全部欲しいです」

少々気になったこともある

少々気になったこともある。1つは島田佳織役の国仲涼子さんが声だけの出演だったこと。妊娠中とは言えドラマの登場人物としては依子と巧の一番の理解者だけに残念だった。

また、半同棲が崩壊し始めてから、温泉旅行で真実が明るみに出るまでのくだりに、本作らしさが乏しかったこと。普通の恋バナとしては面白いのだが、超個性的な恋バナとしては全編に “らしさ” を散りばめて欲しかった。

それと、CMへの切り替えの編集がブツ切れが多いのも気になった。2時間18分の長尺だからしょうがないとは思うが。

あとがき

今回のエンディングとこの構成だと、季節毎にSPドラマが作れちゃいますね。それにしても、期待を裏切らない本作は健在でした。フジテレビ、こう言う作品を量産すれば良いのに、なぜ出来ない？？？

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