[読書] 小説土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯 新装改訂版 (古川 智映子/著・潮出版社) 感想 ※平成27年度後期 連続テレビ小説「あさが来た」 の原案

新装改訂版 小説土佐堀川 ――女性実業家・広岡浅子の生涯
【おススメ度】★★★★

私の評価基準(書籍用)


小説と朝ドラの原案、それぞれの感想を書いてみる

本書は、2015年9月28日スタートのNHK連続テレビ小説『あさが来た』の原案とされている。と言うことで、当blogとしては、1冊の小説としての感想と、朝ドラの原案としての感想に分けて書いてみる。

主人公の純粋な心の強さに多くの読者が元気を貰える

まず、1冊の小説として。内容は、裕福な家に生まれた主人公が、嫁いだ先の両替商で、当時の社会や経済の混乱と激しい女性蔑視の中で、徐々に衰退していく名家を1人で立て直していく女性の物語だ。

少女の頃から万事が大雑把で面倒くさいのが大嫌いだが、とにかく「商い」と「新しい知識」が大好きで、小事に拘らずに常に未来を見てポジティブに挑戦をし続けたパワフル・ウーマンが起業家の広岡浅子さん。

また、3度も生死を彷徨うが、「商い」同様に、困難にぶつかると、真摯に自分の心と向き合って、必ず解決策を見出して乗り越えていくのが、痛快で感動的。主人公の純粋な心の強さに多くの読者が元気を貰えると思う。

時代背景の説明不足はあるが、十分元気な大阪を感じる

ただ、読み物としては、幕末から明治初期にかけての描かれる時代背景の説明が若干不足気味のため、私のように知識不足だと少々中盤が退屈になる。しかし、関西弁の台詞など含めて当時の生き生きとした大阪の勢いは伝わってくる。因みに「土佐堀川」は大阪の商業の中心地・中之島に流れる川の名前。

朝ドラの原案としては、かなり難しい部類では?

さて、朝ドラの原案としてはどうだろう。史実に基づけば、ヒロインは明治維新の3年前1866年(慶応2年)に結婚した17歳から、1919年(大正8年)に亡くなる69歳までが描かれることになり、最近作恒例の中年時代以降の老けメイクの違和感と、雑な描写に ならなければ良いが。

また、多分(で恐縮だが)、朝ドラ史上で最も裕福な家庭に生まれたヒロインになるはず。また、江戸時代後期からスタートするのは朝ドラ初だそうだ。こうなると心配なのは、江戸、明治、大正と3つの時代を描くのがチープになりやしないかってこと。結局、気がついたらセット撮影ばかりなんて狭苦しい映像を朝から観るのはちょっと辛い。

心配事はまだ2つある。それは時代背景を朝ドラと言うかNHKがきちんと解かり易く且つ捻じ曲げずに描けるかってこと。また、女性蔑視の点などもステレオタイプの人間ばかりで容易に描かないかなども心配だ。

最大の心配事は、脚本が大森美香氏ってこと

しかし、最大の心配事は脚本が大森美香氏ってことだ。近作のNHKのドラマ『妻たちの新幹線』と『聖女』は、何れも女性視点の脚本だったが、『妻たち~』は妻だけが目立ち新幹線をつくった男たちが無視され、『聖女』は主人公の女性が全く救われないエンディングだった。どうもヒロインに肩入れすると何でもアリなような作風に思えてしょうがない。

社会や観た人が明るくなるような軽妙な作風を期待

ただ、日テレ『東京バンドワゴン ~下町大家族物語』は男性が主人公だったからだろうか、意外と詰め込み過ぎ以外は普通だった。フジ『ハングリー! 』は、上手にシチュエーションと登場人物たちの雰囲気で物語を引っ張っていって、お得意の大団円エンディングでそれなりに成功をおさめた。

と言うことで本作については、人間ドラマをじっくり描くのでなく、且つヒロインに過剰な肩入れせずに、大阪の元気なヒロインが周囲も日本も元気にするみたいな方向ならイケるかも?それに、女性実業家の物語ってのが、如何にも朝ドラらしくて良いとは思う。

あとがき

今回初めて、朝ドラ放送前に原作を読んでみました。原作は分厚い本ですが、意外な程にサクサクとテンポよく読めますし、教科書でしか知らない有名人が登場しますので、読み物として面白いし、何より広岡浅子さんがパワフルで女性企業家のパイオニアとしてとても魅力的です。脚本にいじられる前に読んでみるのもお薦めです。

さーて、『あさが来た』ですが、ヒロイン・今井あさを波瑠さんが、少女時代を鈴木梨央さんが演じます。まず子供時代は問題なさそうです。で、出演者陣を見てみると、波瑠さんが埋没しないかどうかが肝になりそうです。

そこで、とにかく群像劇にならない程度に脇役を活かしてヒロインを立たせつつ、大阪らしい空気感を賑やかに描けば、大失敗は無いような気がします。取り敢えず放送前なので朝ドラに期待します。


     

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