まれ (第146回・9/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まれ』(公式)
第25週『秒読みコンクールケーキ』『第146回』の感想。
なお、当記事は、受信料を支払ってるだけでモノ言わぬのもしゃくな上に、8/20にクランクアップしてしまったため、本作へのほんの僅かな編集への期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。
楽しくご覧になっている方や愚痴や重隅突きはウザいと思う方は、読まない方が良いです。また、ネタバレサイトで先のあらすじを読んだ方、こちらに書き込むのは止めて下さい。
大悟(小日向文世)の考える世界一を知った希(土屋太鳳)は、ケーキをリニューアルし、店の営業を再開する。日が替わり、希のもとに一子(清水富美加)がやってきて、近日中に開催される「全国フランス菓子コンクール」で希の密着取材を担当することになったという。コンクールへの出場など寝耳に水の希だったが、どうやら大悟が勝手に応募したらしい。調べてみると、そのコンクールのレベルは非常に高く、困惑する希だったが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
やはり、土曜日を最終回にするべきだった
大悟「俺が世界一を目指したのもブランクのあとだった。
前の妻を亡くして、どん底に落ちてから5年。
這い上がることが出来たのは、
輪子や美南や大輔がいたからだ。
あいつらは、俺は世界一だと信じてくれたからだ」
●そもそも「世界一」とは何なのか?
●「世界一になる」と「世界一を目指す」のどちらが重要なのか?
●大悟はどれほどの「世界一」なのか?
この3点が完全に不明瞭な状態なまま、ただただ「世界一」の単語を連発して、秒読み態勢を煽っている本作。まあ、このまま明瞭になることは無いかもしれないから、この件はここで終わりにする。
で、問題はこの大悟(小日向文世)の台詞だ。この言葉を素直に読み取れば、家族が自分を「世界一」と信じたから自分は「世界一」だってことになる。おいおい、それなら本作は土曜日に終わっててもおかしくなかったんだってば。
私が昨日の感想で書いたように、土曜の最後に、夫の圭太(山崎賢人)と子供たちに「お母さんのケーキは世界一美味しい」と言わせて終わりで良かったってことだ。
しかし、篠崎先生は最後の2週間を家族の物語に強引に路線変更するために、この大悟の台詞で話を蒸し返し、徹(大泉洋)の出番づくりをしてる。ホント、何を描きたいのかさっぱり解からない。
センスが無くても味だけで世界一になれるってこと?
希「コンクールに出ようと思います。
無謀やとは思う。ほんでもあれ、
味をっちゃ重視しとるコンクールねん。
センスは無理でも味で勝負してみれっつう
シェフのメッセージかなと思って」
今日は驚きの連続だ。今度はこの希の台詞。世界中のパティシェの憧れで、フランスが誇るパティシェコンクールの最高峰である(らしい)「世界パティシェコンクール」を、いつもの希のいい加減さで勝手に「味を重視してるコンクール」とし、大悟にあれだけ駄目出しされた美的センスを磨かずに、世界一を目指そうと何とも図々しい発言。
ところで、前回の『2015 JAPAN洋菓子コンクール 北陸地区大会』も沙耶(飯豊まりえ)がイチゴをトッピングしただけとは言え、味は優勝みたいな解せないオチで終わった。どうやら、篠崎先生自身が、ケーキは味さえ良ければいいと言う美的センスの無いお方なのだろうか。
そうでも考えないと、「世界パティシェコンクール」の優勝を味だけで決めるなんて無茶苦茶な採点基準を提示しないと思う。まあ、内容や世間の評判がどうであれ、視聴率さえそこそこ取れば大成功と言うNHKの起業思想とは合致する。5日ぶりに「いいとこ」に認定でもしておくか。
ついに本日の、いや本作で最低で最悪な台詞が…
しかし、本日一番の最低で最悪な台詞は上の2つで無い。番組冒頭近く、大悟が「プチ・ソルシエール」を初めて訪れたシーンでそれは発せられる。その前に、既に前夜に希は大悟に家で会っているのに、店でもう一度驚くって、どう言う意図があるのか解からないが、無駄なくだりとだけ言っておく。で、この会話の中にあるだ。
大悟「売れるのか、これで」
希「はい。一応」
大悟「楽な商売だな」
希「…(無言)」
この会話も素直に読み取れば、大悟は「俺の店に居た時はもっと本気でケーキを作っていたのに、自分の店で自分の客に売るケーキは手抜きをしてるんだな」ってことになる。
更に、この会話の延長線上には恐ろしいことが秘められている。大悟は認めないケーキだが、素人は希が手抜きをしたケーキでも喜んで買う。と言うことは、「希が手抜きずに本気を出せば世界一になれる」と言うシナリオが大悟の台詞に含ませていることだ。でも、これは篠崎先生の路線変更するため仕掛けだからしょうがない。
そして、私が最低で最悪な台詞と言うのは、最後の希の「…(無言)」だ。自分の夢を支えてくれているお客さまへ平気で手抜きをしていることを認めているのだ。そんな人間に、火事場の馬鹿力のように世界一を決める時だけ本気モードに入るなって、ドラマだって許し難い。
もはや、篠崎先生は食べ物を商売にするドラマを書く資格さえ無いと思う。
あとがき
うーん、どうしようもない状態ですね。物語が完全に「世界一」に舵を切りつつ、家族の物語にしようとしているのに、肝心の主人公夫婦は、きちんと我が子の躾をし、忙しいなりに部屋の掃除をし、出来るだけ自分たちの手で30歳の夫婦らしい家族を築き上げると言う、普通の人が必死に頑張ってることをせずに、世界一だけ目指してる
と言う大きな矛盾。
これに共感や賛同する視聴者ってどんな人なんだろうとさえ思っちゃいます。
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【これまでの感想】
第1週『魔女姫バースデーケーキ』
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第2週『告白シュークリーム』
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第3週『卒業ロールケーキ』
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第4週『さよなら桜もち』
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第5週『情熱ミルフィーユ』
25 26 27 28 29 30
第6週『母娘キャロットケーキ』
31 32 33 34 35 36
第7週『横浜激辛プチガトー』
37 38 39 40 41 42
第8週『危機的クリスマスケーキ』
43 44 45 46 47 48
第9週『再出発エンゲージケーキ』
49 50 51 52 53 54
第10週『逆転一発パンケーキ』
55 56 57 58 59 60
第11週『泥沼恋愛チョコレート』
61 62 63 64 65 66
第12週『官能カスタードクリーム』
67 68 69 70 71 72
第13週『運命カカオ64%』
73 74 75 76 77 78
第14週『絶体絶命メッセージプレート』
79 80 81 82 83 84
第15週『下克上駄菓子ケーキ』
85 86 87 88 89 90
第16週『絶縁コンビニスイーツ』
91 92 93 94 95 96
第17週『究極選択パリブレスト』
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第18週『親心ロールケーキ』
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第19週『潮時じゃがいもガレット』
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第20週『男たちのウィークエンド』
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第21週『復活マルジョレーヌ』
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第22週『出産クッサンベイビー』
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第23週『いっぱい失敗タルトタタン』
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第24週『女たちのジレンマムース』
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第25週『秒読みコンクールケーキ』
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