[読書] 映画術 その演出はなぜ心をつかむのか (塩田 明彦/著・イースト・プレス) 感想

映画術 その演出はなぜ心をつかむのか
【おススメ度】★★★★

私の評価基準(書籍用)


「映画術」と言うよりも塩田明彦氏の「映画演出論」

著者も意識したと言う『定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー』を彷彿させるような、映画監督として観客の心を掴むシーンに仕組まれた撮影上の細かな演出やアイデアなど映画づくり仕掛けやエキスを読み解く本だ。ただ、内容は「映画術」と言うよりも塩田明彦氏の「映画演出論」に近い。

魅力的な場面にするための「作戦」「技法」

特に興味深いのは、俳優の動きとカメラワークと編集(音楽も)がどのように連携し合って、観客を魅了する登場人物や記憶に残る場面を意図的に構築していくのかが、詳細な映像分析のフレーム画像と丁寧な文章で、映像に詳しくなくても良く解かるように書かれていることだ。

具体的には、取り上げた映画の各監督がそのシーンを創り上げるために行う、俳優の演技の組み立てと全体の動きの組み立てを通して、カメラの前でどんな出来事を創出し、どうフィルムに記録し編集し音楽を付けて、魅力的な場面にするかの「作戦」「技法」が書かれている。

監督と俳優の関係の重要性を説いた貴重な一冊

脚本と監督、俳優と演技力、演出と演技について書かれた本は多いが、監督と俳優の関係の重要性についてここまで実践的に突っ込んだ解説書は珍しいと思う。正に「演出術の授業」だ。映画好きはもちろん、映画監督を目指す人だけでなく、是非とも俳優を目指す人に読んで欲しい。映画監督になって画コンテを創る気分を味わえるから。

あとがき

とにかく映画(に限らないが)の良し悪しを語る時に「原作はこうだ」「俳優の演技が問題だ」「脚本がダメだ」などと評価してしまうことが多いと思います。そう言う見方もあるとは思いますが、本書は更に「監督と俳優はどうか?」に食い込んでいます。その意味で、俳優を目指す人や演技に興味のある人にも読んで欲しいです。

本書を読めば、新たな映画やテレビドラマの楽しみ方を学ぶと思います。ただ、映像や音響を文字で伝えることには限界があるのも事実。そこで、本書の非公式サイトに文中で紹介されているシーンやカットの映像を観ることが出来ます。こちらを観ながら読むと理解度が更に高まること間違いなしです。

映画術(塩田明彦著)UNOFFICIAL SITE
http://www.eigajutsu.com/


     

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定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー
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