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「母さん、俺は大丈夫」 24時間テレビ38 ドラマSP (2015/8/22) 感想

【追記 2015/08/25 18:35】
「拍手コメントへ返信 (2015/8/24の分)その2(本家blog)」に、“俳優・山田涼介” の応援団としての、この度の演技について少し書きました。よろしかったら合わせてお読み下さい。


24時間テレビ38 ドラマスペシャル「母さん、俺は大丈夫」

日テレ系24時間テレビ38 ドラマスペシャル『母さん、俺は大丈夫』公式
『病に侵されながらも、ピッチに戻れることを信じ、壮絶な闘病生活を送った高校生とその家族&仲間の物語』の感想。
なお、原案:清水久美子氏『サッカーボーイズ 明日への絆 君のためならがんばれる』は未読。

※この記事は、あくまでドラマとしての仕上がりについての感想です。本作で感動したり良かったと思われた方は、読まない方が良いです。それと、記事は長文です。


佐々木家の二男・諒平(山田涼介)は島根に住む高校生。弱小サッカー部の副キャプテンに選ばれたばかりで、県大会出場を目指し仲間たちと練習に励む日々。母の萌子(安田成美)が難病で長い入院生活を送っている三男(下田翔大)の世話にかかりきりのため、父の弘(赤井英和)と父子家庭のような生活を送っていた。
ある日、諒平は激しい頭痛に襲われ病院に運ばれる。兄の哲平(増田貴久)も転勤先の京都から駆け付けた。検査の結果は急性脳腫瘍。すぐに摘出を試みたが、脳の深い部分にある腫瘍は取り除くことが出来ず、手術は中止…。医師から余命が短いことを告げられた家族は絶望する。しかし、意識が戻った諒平は振り絞るように言うのだった。「勝つ、病に勝つ」と。諒平の言葉に背中を押されて佐々木家は前を向く。両親は彼の容態を好転させる道を懸命に探し、その甲斐あって諒平は石川の病院で再手術を受けられることに。哲平も仕事を辞めて、母の代わりに島根で三男の面倒を見ることを決意。こうして、諒平は萌子とふたり、石川の病院生活をスタートさせた。皮肉にも、諒平の発病が初めて母と息子の向き合う時間を与えたのである…。
その頃、諒平が所属するサッカー部では監督の永田(井ノ原快彦)が県大会の予選突破を目指して部員たちを励ますが、有竹(間宮祥太朗)や黒木(坂口健太郎)は主力の諒平がいないことで戦意喪失していた。弘は練習をサボっている有竹たちをみつけて諒平のいる病院に連れて行く。そこには、石川での手術に成功しリハビリに励む諒平の姿が!諒平の生への執念が弱気になっていた部員たちの心を動かし、サッカー部は県大会予選突破に向けてコマを進めていく。そして、ついに迎えた県大会予選の決勝戦…。
---上記の番組内容は[Yahoo!テレビ]より引用---

『今日の日はさようなら(2013)』に次ぐ秀作

毎年恒例の24時間テレビのドラマスペシャルの感想記事も、今年で7本目となった。そんな中で過去の作品と比較する意味など無いのだが、近年では一昨年放送された大野智さん主演『今日の日はさようなら』に次ぐ秀作だったと思う。まず、なぜ「次ぐ」と書いたのか、その理由を書いてみようと思う。

好みの問題で、亡くなったところから観たくない

私が一番残念だったのは、冒頭、静かな諒平(山田涼介)のナレーションで始まった少年期から高校生時代へ移行し、その後母の萌子(安田成美)のナレーションに切り替わり自宅での諒平の死後からのスタートになったことだ。

原案小説も未読、事前情報もほぼ無しの状態で観るから、いつもドラマがどの時点からスタートし誰の視点で描かれるのかとても気になるし、ドラマとして重要だと思っている。堅苦しい言い方を止めれば、亡くなったところから観たくないってこと。もちろん、私の好みの問題だが…

脚本と演出にもっと頑張って欲しかった

脚本の水橋文美江氏らしさも「次ぐ」の要因。近作『シェアハウスの恋人(20013)』はエピソードは良いのに全体がバラバラ、『三面記事の女たち -愛の巣-(2015)』は原作と音楽と俳優に助けれた印象と私にとってはあまり良くない。今回も時間軸が行ったり来たりし過ぎて散漫気味だった。

演出は『車イスで僕は空を飛ぶ』『生きてるだけで なんくるないさ』も担当している佐久間紀佳氏でこちらもうーんって感じ。ただ、演出は難しいと思われるサッカーをきちんとドラマの中で描いたことは評価したい。

“俳優・山田涼介” が光った3シーン

こんな?脚本と演出でも私を2時間惹き付けたのが、“俳優・山田涼介” の好演と高校生たちの友情のくだりだ。

まず、“俳優・山田涼介” の好演だが、今回は言葉少なく歯を食いしばって生き抜く男子高校生と言う難しい役を見事に演じたと思う。元気な時、震えが止まらない時、無表情、リハビリ中の怒りと笑顔など、実は諒平に多くのパターンは無い。それだけに、一進一退の病状や手術の失敗や成功による内面の変化を、表情だけで見せなくてはならなかったはず。

そこで、私の印象に残る3つを挙げるとしよう。1つ目は島根から石川の病院へ転院する途中で、サッカー部員たちに諒平が見送られるシーン。震えながらVサインをして強がって見せる諒平が、車のドアが閉まると絶望と悲しみが混じった複雑な表情にゆっくり変わるところ。

もう1つは、決まっていた退院が腫瘍の転移が見つかり叶わなくなったことを悔やんで病院を出て行ってしまう母に諒平が公衆電話で話しかけるシーン。薄暗がりで衣裳も背景もグレー系の中で僅かに覗いている諒平の顔。自分の生い立ちから幼少期のことや母の悔しさと喜びを、減免麻痺があるのに「俺は大丈夫だから」やさしく慰めるところ。ここは演出と演技がピッタリ合った名場面だと思う。

そして3つ目は、ラスト近くで自分が悪性脳腫瘍だと知り、壁をぶち破り泣き崩れるシーン。無念さ、怒り、悲しみ、恐怖などの複雑に入り混じった感情で、怒りに震えるようにして壁に感情をぶつけるところ。あの演技が無かったら、この死から始まり、母が息子の本当の気持ちにあとから気付くと言う構成は成立しなかったとさえ思う。

母と看護師の台詞が良かった脚本

ただ、脚本も悪いところばかりでない。サッカー部が予選突破して証平(下田翔大)が諒平の病室を訪れ、久し振りに家族全員が揃った日、萌子に新谷看護師(板谷由夏)が話しかけるシーン。「本当に大切なのは何かをよーく解かってらっしゃる。素敵なご家族ですね」と。この台詞が本作に第三者目線を入れることになり、物語に一気に奥行き感が出た。できる看護師らしい良い台詞だ。

また、先にも触れた諒平からの電話でに携帯電話で応える萌子の台詞もいい。子どもを産む辛さや喜び、子育ての難しさ、そして「元気に産んであげられなくてごめんね」と悔しさを滲み出す母親の苦悩と、その諒平に励まさせる母親の複雑な幸福感。上手く描かれている。

感動的な高校生の友情のくだりの3シーン

また、先程書いた私を2時間惹き付けた、高校生たちの友情のくだりも忘れられない。例えば、諒平を励まそうとチアガールのふん装で病院にやってきた有竹(間宮祥太朗)と黒木(坂口健太郎)と大ノ内(松川尚瑠輝)が、泣きながらコスチュームを脱ごうとするが手が震えてファスナーが外れなくて地団駄と踏む演技と演出もいい感じ。

父の弘(赤井英和)に3人組が石川の病院に強制連行?され、久し振りに諒平に会いたいような会うのが怖いようなコミカルなやり取りから一変して、シリアスなリハビリルームでのやり取りへの流れ。4人の男子高校生の本音がぶつかり合ったあとグランド整備をする3人組。この辺の青春の描い方も悪くない。

そして、あの病室での卒業式と合唱。本作でたった1人の女子高校生役を見事に演じた清水富美加さん演じる奈緒子と監督の永田(井ノ原快彦)を交えての仲間、そして青春の一体感を爽やかに描いた。こんな素敵なシーンがあるなら、死後から逆算しなくてもと思ってしまうのだ。確かにドラマチックではあるが…

あとがき

まだまだ書きたいことはありますが、今回はこの位で。いろいろ書きましたが、ドラマとしては、もう少し時間軸に落ち着きさえあれば、亡くなったところから始まっても悪くなかったかもしれませんね。とは言え、ドラマが言わんとしていることは十分に伝わりました。

本作には2つの物語がありましたね。1つは病に侵されながらも、再びピッチに立つことを信じて、壮絶な闘病生活を送った高校生とその家族と仲間の物語。

主人公の生き様を通して、普通なら意識すらしない「生きたい」と言う願いすら叶わなかった(叶わない)子供たちの存在を改めて心に刻むと共に、生きているだけでとても幸せなことであり、感謝を忘れずに一日一日を悔いなく生きることが考えさせられました。

もう1つの物語は、母と息子の物語息子の発病が息子と初めて向き合う時間となり、弱音を吐かず心配をかけない息子の本当の強さを彼の死後に知ると言う母親の苦しみと息子への愛おしさ。きっと「元気に産んであげられなくてごめんね」は私の心にずっと刻まれる言葉になると思います。

そして、本作には描かれていませんが、本作にはもう1つの物語(実話)があります。それが劇中に登場した3歳でミトコンドリア脳筋症を発症した三男・証平さんの「バスの運転手になりたいという夢」がボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」によって叶えられた話です。

もちろん、一番の願いは「健康で生きたい」だと思います。『しょうちゃんの夢のバス』と言う本になっています。

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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