[読書]面白くて眠れなくなる社会学 (橋爪 大三郎/著・PHP研究所) 感想

どのようにして今の社会が成立しているのか?
「社会学とは何か?」と言うより、「社会学の基礎」を若い人や中高生向けに書かれているような印象。言語、戦争、憲法、貨幣、資本主義、私有財産、性、家族、結婚、正義、死、宗教、職業、奴隷とカースト制、幸福の15のテーマに分け、どのような思考や思想で社会が成立しているのかが書いてある。
先生が丁寧に解かり易く説明してくれているような文体
文体は多少癖がある語り口調だが、少し読んでいるとむしろ先生が丁寧に解かり易く説明してくれているように思えてくる。内容も同様で、参考例がとても身近かなものが多く、世界や社会全体のことを自分の身の周りに置き換えて考えやすく書かれていて、誰にでも読みやすいと思う。
あくまで社会学の視点からの見分
ただ、少し注意が必要だと思ったのは、宗教関連や経済学関連の記述。私の拙い知識では大きな間違いがあるようには見受けられなかったが、あくまで社会学の視点からの宗教や経済学で、戦争と平和、人生観や死生観、政治や経済などが書かれていることを忘れない方が良いと思う。
豊かな比喩も読み物として楽しい
だから、逆に、宗教や経済や政治の内側の人の視点でないことを活かした、「憲法は手紙です。人民から国にあてた手紙(P.36)」とか「宗教はコンピューターの“OS(基本ソフト)”みたいなもの(P.197)」などの表現は、大人でも意外にしっくりする例えだと思う。このような豊かな比喩も読み物として楽しい。
あとがき
本書は、本書で社会学を知り興味を持った若い世代が、筆者の後に続いて社会学を学ぶきっかけになる指南書と言った位置づけだと思います。
しかし、中年の私が「なるほど、こう言う捉え方が出来るのか!」と恥ずかしながら再確認したテーマが幾つもありました。若い人向けの本ですが、中高年が読んでもためになります。
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