まれ (第104回・7/28) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まれ』(公式)
第18週『親心ロールケーキ』『第104回』の感想。
なお、当記事は、受信料を支払ってるだけでモノ言わぬのもしゃくなので、本作への僅かな期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。楽しくご覧になっている方や愚痴や重隅突きはウザいと思う方は、読まない方が良いです。また、ネタバレサイトで先のあらすじを読んだ方、こちらに書き込むのは止めて下さい。
希(土屋太鳳)の「マ・シェリ・シュ・シュ」最終日がやってきた。ちゅう房を掃除し、ショーケースのガラスを磨く希は、ここで過ごした日々を思い出す。天中殺では、かつての店の先輩・陶子(柊子)も訪れ、思い思いに希の旅立ちを祝福する。夜になり、天中殺2階、希が過ごした部屋に大輔(柳楽優弥)が訪れ、大悟(小日向文世)について話し出す。そして、大輔の言葉を聞いた希は、部屋を飛び出してしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
脚本&演出の最悪のセンスを1分間で魅せた
放送開始以来、日に何度も録画を観直して記事を書いているが、大悟(小日向文世)が希(土屋太鳳)を “一生懸命に育てていた” ことや “腕前が上達していたこと” そうだ。こんな大切なことを、常連客の台詞1つと、値札の差し替えの1カットで済ませるこの最悪の脚本と演出のセンス。僅か1分間で感じさせるのは見事と言うべきか。
明日から能登パートの出演者が歌う2番の歌詞になる
そして、本日が放送では聞き納めになった『希空~まれぞら~』の土屋太鳳さんが作詞した1番の歌詞ヴァージョン。これほどドラマの中身とオープニング映像に隔たりがある朝ドラも近年珍しいが、明日からは能登パートの出演者が歌うと言う。個人的には能登の自然の風景に、小林未郁さんが歌う英語ヴァージョンでお願いしたいが…
もはや連ドラの体を成していない
もうその後は突っ込むのも馬鹿馬鹿しい展開。芸人に「弥生」役の設定を捨てさせてモノマネ披露させたり、珍(孫成順)の唐突な中国の家族の話を入れたり冒頭の1分と合わせて、脇役まで総動員で「希アゲ」のコント三昧。
あんなに無駄を描く時間がたっぷりあったのだから、少しでも “皆に愛されていた希” を描けば多少は連ドラとしての説得力があるが、このたった15分間に、それもすべて後出しジャンケンで “皆に愛されていた希” を強引に台詞で盛り込むから、面白くもなんともない。いや、もはや連ドラの体を成していない。
紙が画面に映ったら、脚本家のネタ切れの合図
さて当blogでは、本作で紙(ノート、模造紙、巻物)が登場した時は、脚本家がネタ切れで台詞が書けないから、紙で説明してるだけの手抜きシーンと言う解釈がお約束。そして、今回も「粘りつくような」「芯を作る」と繰り返しただけ。そして、視聴者にはなぜロールケーキを作り出したのかも説明無しの状態で、話は進んじゃう。
粘りつくような執着心も無い修行と、なぜパティシェになりたいのか芯のないヒロインが、連呼するのだから呆れる限りだ。もちろん、この2つの台詞に「地道にコツコツ」と「子供の頃からの夢」を重ねたいのだろうが、過去の描写を見れば普通なら恥ずかしくて書けない台詞。しかし、流石の篠崎先生はビシッと書いて下さった。お蔭で物語が余計に陳腐になったが。
なぜ足し算でドラマの「芯」を描こうとするんだろ
そして、また昨日に続いて大悟と希の厨房コント。あんな厨房の隅に大悟が隠れている必然性が解からない。昨日も書いたが、深夜の厨房で大悟一人が調理台に手を乗せてため息でもついていれば良いだけなのだ。それで大悟の今の心情描写は十分過ぎるくらい。
なのに隠れて、その上「まずい」を言わせたり、ペティナイフを出すからコントに見えちゃう。真ん丸な涙顔で感動しろと音楽で強引に盛り上げるにも無理がある。
そしてなぜか、ここで池畑親子のほのぼの話。何が何でも家族を描きたいのは解からないでもないが、ここは師匠と弟子のシンプルな別れ話にしておけば良いのに。どうして足し算でドラマの「芯」を描こうとするんだろう。
あとがき
今回の15分間の詰め込み具合と強引さは、もしかしたら残りの放送で巻き返しをしようと言うつくり手の意思だったのかもしれません。修行を描かず、成長もしない希を描いて来た過去の104回分の放送を、無理矢理ですがリセットしたわけですから。
だとしたら、明日の第104回を第1回として創ってくるかどうかが、残り1/3の放送を決めてしまうような気がします。とにかくあれこれ描かずに “横浜で一生懸命に育てられた(修行はしてないけど)” ことと “腕前が上達していたこと” ありきで進めば良いのです。
そして、とっとと漆塗屋の手伝いを済ませて、再び何も無かったように「世界一のパティシェを目指す物語」にしちゃえば良い。終わり良ければ総て良しの言葉通りに。さて、脚本家と演出家、そしてNHKが起死回生の最後のチャンスをどうするか。明日からお手並み拝見です。
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【これまでの感想】
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