恋仲 (第2話・7/27) 感想

フジテレビ系『恋仲』(公式)
第2話『戻れない距離』の感想。
あかり(本田翼)や翔太(野村周平)と思わぬ形で再会し動揺する葵(福士蒼汰)の部屋に、上京した公平(太賀)が転がり込む。そんな中、保育園のウサギ小屋の設計を万里子(吉田羊)から任された葵は、初仕事に力を入れ、その夜の同窓会の参加を断る。ところが、公平は参加者があかりと翔太だけだったため、2人を葵の部屋に招く。帰宅した葵は、将来有望な医師だという翔太に対抗し、自分も大きな仕事を任されているとうそをつく。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
登場人物たちの喋る言葉がぜ~んぶ状況説明台詞ばかり
10分観ただけで、絶望感が漂い始めた第2話。その理由は、登場人物たちの喋る言葉がぜ~んぶ状況説明台詞ばかりなこと。冒頭の第1話の「あらすじ」だけでもお腹一杯なのに、その後も予告編直前までほぼ説明台詞の連発。
確かに内容はあるのだが、物語はほぼ停滞状態。この程度の状況説明の補足なら、前回に葵(福士蒼汰)のモノローグをちょっと増やせば十分に足りただろうに。第2話だよ、第2話。少しは実のある話を進めて欲しい。
設定など以上に、第1話の既視感が漂う第2話
前回、15分も延長して、葵とあかり(本田翼)の滑舌の良くない台詞で散々本作の初期設定の説明をしたのに、第2話で “もう一度説明し直し” みたいな構成って如何なものだろうか。前回の低視聴率を受けて新規視聴者のための “もう一度説明し直し” が間に合うはずは無いから、当初からの計画通りだろう。
だとしたら、困ったぞ。第2話なのに第1話の既視感があるってことだから。ストーリー、台詞、俳優、演出、映像、青春・夏・恋を表現するアイテムなどが、過去の『月9』の寄せ集め、既視感のだらけなのに、本作の既視感まで第2話で漂うとは。
違うドラマを観ているような錯覚
ただ、この今回に漂う第1話の既視感はちょっと不思議だ。出演者が同じだし、葵の会社のシーンなんて使い回しか?と思う位に、良い方に捉えれば連ドラに必要な連続性や一貫性は保たれている。しかし、例の “もう一度説明し直し” をやってるから、違うドラマを観ているような錯覚をしてしまう。
しかし今回も、葵とあかりの2人を中心に描き、群像劇に陥っていないのは評価したいし、少女漫画チックな物語から、少しだけだが “熱くて切ない恋バナ” にシフトしているように感じるのも悪くない。だからこそ、これ以上、台詞や映像表現で失敗して欲しくないのだ。
第1話のチェペルでひかりが新郎を待つシーンで…
でも本作は、既視感や7年間を遡ると言うトンデモない構成から打破する最良の視聴率回復策を出来なくしてしまったのだ。それは、第1話の冒頭のチャペルで新郎を待つひかりのシーンに、走る葵と翔太(野村周平)のカットをインサートしてしまったことだ。更に葵のナレーションで「これは、ボク葵ともう1人の蒼井、どちらかが彼女と結婚するまでの物語」とまで言ってしまった。
これによって、最終回までの構成を大胆に変更することが不可能になった。新郎を待つひかりだけにしておけば、何でも出来る。例えば、第4話で葵か翔太と結婚させて、3人のその後の三角関係だってアリ。番狂わせで公平(太賀)が結婚して全く違う展開にするのもアリ。そう、何でもアリだったのだ。
なぜ、こんな「今さら」なことを書くのかと言うと、本作全体に漂う「既視感」を打破するには、もっと大胆なオリジナルラブストーリーに再構築しないと厳しいと思うからだ。結婚やチャペルをエンディングにしない恋バナ。それこそ、これまでの恋バナドラマの歴史を創って来た『月9』がやることだと思う。
あとがき
全体に既視感が漂っていて、物語の先が読めちゃうのは、『月9』の恋バナとしてはかなり物足りません。「旬の俳優でオリジナル脚本で恋バナ」で視聴率が取れる時代で無いと思います。少なくとも全盛期の『月9』は、『月9』から旬の俳優を生み出し、新たな脚本家に斬新な脚本を許可し、そう言う時代の牽引者的役割さえありましたから…
「旬」とは、少なくとも期間が限定されています。企画立ち上げ時は「旬」でも放送開始時は「旬」が過ぎていることもあるはず。脚本も演出も「旬」があります。そして視聴者にとっては放送時間そのものが「旬」なんです。だから、出来る限りしなやかに補足や修正が出来るようにしておくこと。これが今の連ドラの現場に必要なことだと、今日の第2話を観て痛感しました。
がんばれ『月9』、がんばれ『恋仲」。
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【これまでの感想】
第1話
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