ナポレオンの村 (第2話 15分拡大・7/26) 感想

TBS系日曜劇場『ナポレオンの村』(公式)
第2話・15分拡大『都会からの移住家族…母に贈る真夏の夜の奇跡』の感想。
なお、原案:高野誠鮮氏の『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』は既読。読書感想の記事はこちらです。
神楽村に基希(林泰文)とその娘2人が移住してきた。サポートを任された浅井(唐沢寿明)は、一家を村一番の米作りの名人・洋吉(谷隼人)の作業場に案内する。続いて村人たちにも紹介するが、長女のヒロミ(山口まゆ)は反抗的で、村人たちの神経を逆なでする。後日、ヒロミが入院中の母親においしいおかゆを食べさせてあげたいと浅井に相談しに来た。浅井は、おかゆを作る土鍋やかまども手作りしようと提案する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原案のエッセンスは残した見事な独創的ストーリー
度々、原案と比較して恐縮だが、第2話からは原案との比較で良い面は少しずつ掘り下げようと思う。
今回のテーマは「移住者支援」、原案ではかなりの長期間に亘る難題であり、しっかり章立てもされており、村民たちと移住者の心を1つにする大事なエピソードだ。
そして、更に原案での最大の課題である「地元米をブランド米にして大儲け」するくだりまで中盤に盛り込んで、原案を知る人にはかなり贅沢な内容の第2話だった。で、観終えた感想は、原案のテーマ性は残したまま、本作らしい独創的なエピソードを創り上げ、見事に連ドラに仕上げてきたと思う。
たった1つの脚本の工夫が、物語に厚みを出した
ただ、第1話同様に浅井(唐沢寿明)の一言であっと言う間に激変してしまう村民たちの違和感にはがっかりだが、一話完結を考えると止むを無いと思えるし、前回に無かったある脚本の工夫によって、違和感がほぼ無くなりつつある。
その工夫が、移住者のヒロミ(山口まゆ)に由香里(麻生久美子)をオーバーラップさせたことだ。村に馴染むことより母の病状を案じる1人の少女・ヒロミの変化と、村の存続より市長からの命令を重視する1人の女性公務員・由香里自身の内面や浅井への偏見の変化を丁寧に描いたことで、物語に厚みが出たのだ。
お蔭で、単純な「スーパー公務員・浅井の大活躍物語」でなく、間違いなく「星河市神楽村の再生物語」に昇華した。正常進化中と言って良いと思う。また、ファンタジックなまとめ方も、日曜劇場に相応しい大人も子供も月曜からの元気がもらえるドラマとして、後味の良い清々しいエピローグだった。
あとがき
前回の「あとがき」で書いたように、「結果の面白さで魅せる作品だから、謎の小出しや後出しは止めて、直球勝負が良い」になってました。引っ張るのは福本市長(沢村一樹)だけにしたのもグッド。一話完結のスッキリ感、清々しい後味、感動を押し付けない爽やかさ、どれも日曜劇場らしくて良いです。
そして、今回で一番驚いたのは、エンディングで原案のの核心部である『神子米』のくだりを15分間の拡大部分であっさりと描いてしまったことです。原案をしっかり丁寧に連ドラの脚本として再構成したのが良く解かりました。こう言う原案(原作)の再構築やアレンジこそ他の脚本家やドラマも見習うべきだと思います。
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【これまでの感想】
第1話
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