[読書] 言いがかり110番―あらゆるトラブル、もめごとの賢明な対処のために [改訂新版] (藤井 勲/著・企業開発センター) 感想

前半は、犯罪絡みの「言いがかり」。
後半は、「ご近所トラブル」や「揉め事あるある」
本書は、95年刊『言いがかり撃退術』の全面改訂版で、昨今のインターネット関連の犯罪や東日本大震災を受けての地震による倒壊や耐震補強工事などのリフォーム絡みの問題などが補強されているようだ。
そして、本書の中身は大きく2つに分かれる。前半はいわゆる犯罪絡みの「言いがかり」に対しての法的対処方法。後半は、日常生活における隣近所同士や知人や恋人関係などの「ご近所トラブル」や「揉め事あるある」をどう解決するか。
前半は、反社会的組織や詐欺の話が主だから、目次をめくって該当するなら読んでみる価値はある。
しかし、後半の「ご近所トラブル」や「揉め事あるある」は、明日は我が身って感じのリアルな事例がたくさん掲載されており、今そのトラブルの渦中にいる方はもちろん、将来のための自己防衛策として読んでおくと役立ちそうな対処方法が解かり易く書いてある。
情で考えず、理尽くめで考え、法で対応がベスト
私は、TBS系情報番組『ひるおび!』内のコーナー『八代英輝の解決ジャッジマン』や、NHKの『バラエティー生活笑百科』などの暮らしの中のトラブルを法律的に解決する方法を紹介するテレビ番組が好きでよく観る。そこでいつも感じるのは、一般人では今一つ「法律の(解釈の)一貫性」が見えた来ないと言うことだ。
あのケースの時は法律は被害者の味方だったのに、このケースでは被害者は救われないのかと言った具合に、解説されても心情的に納得し難いことがある。これについて、本書にこんな記述がある。
情の処理が納得・了解を第一とするならば、理の処理とは、相手方の要求、意見にかかわらず、物事について一般的、常識的、客観的な判断の下に、正当な内容、正しい筋で対処することです。単に「何が正しいのか」です。その判断の下に受け入れるべきところは受け入れ、断るべきことははっきり断る。是々非々をはっきりさせることです。
本書P.15より引用
やはり、本書にあるように情で考えず、理尽くめで考え、法で対応するのがベストのようだ。法律の本だが、決して難しくないし、自分の興味関心のある項目だけ読んでも勉強になると思う。
あとがき
我が家も千葉県に引っ越してから戸建住宅住まいになり、マンション住まいとは違ったご近所トラブルに随分遭ってます。隣の家の犬の無駄吠えがうるさいとか、近所の野良猫に自腹で餌を与えている人や、夜中まで大声でカラオケを歌ったり、自治会のお金を1千万円盗んだ人とか。最後の一件は「言いがかり」レベルで無いですが。
やはり、にわか知識でも法律を知っていると知らないとでは、人生の損得においても安全・安心な生活を送る上でも大切なことだと思います。地味な本ですが、家族みんなで読んでおくと、いざと言う時に役立つと思います。
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