天皇の料理番 (第12話 最終回 30分拡大版・7/12) 感想

天皇の料理番

TBS系『天皇の料理番』公式
第12話/最終回 30分拡大版『完結~料理番の人生敗戦の料理番がGHQに起こした愛の結末』の感想。
なお、原作小説:杉森久英『天皇の料理番』は未読。過去のドラマ作品も未見。


篤蔵(佐藤健)は、晩さん会に出した料理で大失態を犯してしまうが、陛下に掛けられた言葉が心に染みる。時代は次第にきな臭さを増し、戦争が始まると陛下の意向で皇居でも配給の食材だけで調理が行われることに。しかし、「めざし」しか配給がない日が続き、篤蔵らは頭を悩ます。1945年、戦争は終わったが、陛下が裁判にかけられるかもしれないと聞いた篤蔵は、料理人として何かできることはないかと知恵を絞る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

素晴らしいエピローグが、本作を見事に完結させた

ついに完結した。そんな言葉が最も相応しいような見事なエンディング、いや秋山篤蔵の壮大で波乱万丈の生き様を描き切ったドラマの素晴らしいエピローグが本作を見事に完結させた、と言って良いと思う。そして、第1話で離脱せずに良かったと、今心からそう思う。

30分の延長を “篤蔵の戦後” に費やしたのは見事

上で「秋山篤蔵の壮大で波乱万丈の生き様」と書いたが、私が本作に最も期待をし観たかったのは、篤蔵(佐藤健)の戦後だ。青年期から主厨長になるまでも大切なのだが、連ドラとしてこれだけ丁寧に積み上げてきたのだし、戦後70年の節目の今年、TBSが “篤蔵の戦後” をどう描くか、そこに興味がったのだ。

俊子(黒木華)を亡くした篤蔵と子どもたちのくだりはもう少し観てみたかったが、思い切って俊子の死からの10年間を省略して戦後に時間経過させた後は、30分間の延長を “篤蔵の戦後” にしっかりと費やしたのは見事だった。欲を言えば、もっと戦後の篤蔵を観てみたかったが。

篤蔵らが鴨のモノマネをするくだりにグッと来た

篤蔵「わしは、皆に夢を叶させて貰ったようなもんです。
         わしは、夢を叶させて貰ったもんには、
         夢を叶え続ける責任があると思います。

この台詞あたりから、篤蔵の昭和天皇への個人的な強い思いが描かれるのだが、私が最終回で最も印象的だったシーンが、GHQを接待するくだり。特に、篤蔵らが鴨のモノマネをするくだりにグッと来た。

戦後、アメリカから踏みにじられ西洋の猿真似だと馬鹿にされつつも、篤蔵のように歯を食いしばり耐えに耐え、日本人の底力で戦後ニッポンを創ってきた人たちを象徴したような名シーンだ。裕福で平和ボケさえしているような今の日本だが、こう言う辛い時代があったことを忘れてはならない。

宇佐美が天皇観を淡々と語るシーンも素晴らしかった

そして、篤蔵らの鴨のくだりの後まで引っ張った、宇佐美(小林薫)が感情を抑えて天皇観を淡々と語るシーンも素晴らしかった。

宇佐見「私にとって陛下は “味噌” です。
           大変不敬且つ曖昧な表現だとは思いますが。
           私は無学な料理人です。お許し下さい。
           産まれた時からそこにあり、馴染んできたものですから、
           味噌を親しみ慕うことは当たり前です。
           その意味を問うたことさえありません。
           しかし、もしある日突然、
           味噌を今後一切食べるなと言われたら、
           私はとてつもない寂しさを感じると思います」

劇中のこの時代も、平成27年の今年も、多くの日本国民がこんな感じの天皇観を抱いているのではないだろうか。脚本としては表現が難しい部分だが、老若男女が納得し易い上手い落としどころへ持ってきたと思う。

もっと “俊子の鈴” を全面に押し出しても良かった

そして、映像的なことを少しだけ書いてみる。個人的には、もっと “俊子の鈴” を全面に押し出しても良かったと思う。そして、全12話を篤蔵と俊子の夫婦の愛と絆の物語に振っても良かったと思う。

やはり中盤の篤蔵が主厨長になるまでの、父や兄との関わりに尺を充てすぎたような気がする。そのために、最終回も3人の遺影がかなり登場した。決して悪いとは思わないが、あれだけ遺影を映すなら、もっともっと “俊子の鈴” を映像的に(音だけでなくの意味)魅せてくれたら、もっと大きな感動を生んだと思う。

あとがき

やはり、2クールあったらもっと傑作になったと思います。連ドラの面白さや実在した人物の物語のアレンジ加減の良かった脚本、役とピッタリと嵌っていた俳優陣の演技、上手く時間経過と省略を用いた演出、いずれもとても良かったと思います。
いろいろ書きましたが、日曜日の夜に家族みんなで元気がもらえるホームドラマとして、傑作の1本になったのではないでしょうか。

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