[読書] 分煙社会のススメ。 人を排除しない、多様性のある社会を目指して (室井 昌也/著・論創社) 感想

理想的な分煙社会が出来るなら…
まず始めに断っておく。私は非喫煙者であり超がつく嫌煙者だ。しかし、愛煙家や喫煙者を排除しようとは思わない。理想的な分煙社会が出来るのなら、それに越したことは無いと常々思っている。だから、敢えて本書を手にしたのだ。
内容は、追い詰められた愛煙家たちのインタビュー集と、分煙を行っている実例紹介だ。決して「禁煙ファシズム」のように非喫煙者や嫌煙者を敵視した内容で無い。むしろ、冷静に「理想的な分煙社会は相手を認め、分かりあう、多様性を認めるということが重要」と訴えている。
本書の愛煙家の主張は「愚行を認めろ」
ただ、本書の喫煙者の論点は、「受動喫煙は非科学的だ」とか「タバコ=悪」は如何なものかってことだし、愛煙家の言い分は、「愚行を認めろ」と言うことだけ。まあ、本書は嫌煙者への反論が目的でないから当然だが、少々訴える力にパワーが足りないせいで、分煙の実例も肩透かしに感じてしまった。
結局、煙草メーカーや禁煙ビジネスが儲かるだけ
飲食関係の店に限って言えば、愛煙家は全席喫煙店が安心して利用できるはずだ。非喫煙者は出来れば分煙、ホントは全席禁煙を選びたい。と言うことは、中途半端な分煙店舗は両者の満足を得られないのだ。結局、タバコメーカーや禁煙ビジネスが儲かるだけの話ってこと。
あとがき
人を排除しない、多様性のある社会は目指すべきだと思います。ただ、煙草による健康被害が科学的、医学的に否定されない今、そして喫煙者が年々減少している今の日本では、自然に非喫煙者向けにシフトしていくのではないでしょうか。
ラッシュ時の女性専用車両のように少し捻じ曲がった状況でも、中途半端な対策よりもやるならキッチリやった方がマシと考えるべきではないでしょうか。
分煙社会が如何に難しいかを改めて知るのに、良い本だと思います。
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