スペシャルドラマ「永遠のぼくら sea side blue」 (2015/6/24) 感想

日テレ系スペシャルドラマ『永遠のぼくら sea side blue』(公式)
『主演・有村架純をはじめ、いま最も輝く若手俳優たちが集結!海を舞台に動き出す8人の男女の恋・友情・家族・将来。彼らが選ぶ未来は…?青春群像ドラマの新たな金字塔!』の感想。
なお、本作を楽しんだ方、脚本家と演出家のファンは読まない方が良いです。
人生の選択を迫られた大学3年生の松岡あおい(有村架純)は、大好きな海の写真をきっかけに幼馴染の拓(山崎賢人)と共に海洋大学の学生たちと出会う。この中には高校時代の憧れの男性・航汰(窪田正孝)の姿も…。航汰の元カノ・夢花(成海璃子)、夢花に想いを寄せる亮(浅香航大)、不倫中の麗子(清野菜名)、夢を諦めた奏介(矢本悠馬)、そして写真家・近藤(東出昌大)。あおいと彼らの運命は大きく動き出していく…
演出:西村了/脚本:渡辺千穂
---上記のあらすじは[公式]より引用---
群像劇を知らない脚本家が書くからこうなる…
最初から『サキ』『ファースト・クラス』『戦う!書店ガール』の脚本家・渡辺千穂氏に、そもそも群像ドラマを期待なんてしていなかったのだが、ここまで群像劇を知らないとは思わなかった。
ただ8人の若い男女の基本設定を3行くらいの文章で決めて、あとはその8人の組合せで適当に思いついたそれぞれのエンディングを決めて、あとは筆の勢いで書いただけのような脚本。今時の若者が就職面接の席を立つことがドラマチックと考えているなら、根本から現代の捉え方を見直すべきだとさえ思ってしまった。
だから、本作では平成27年の夏を生きる若者たちが、何を考えどう行動しどんな未来を描いているのかなんて欠片も描かれていない、時代感覚も果てしなく乏しい、あらすじだけのお話。才能と魅力ある新人俳優たちが集まっても、愚脚本の前には立つ手が無いことを証明したような作品だった。
折角の屋外ロケの良さも乏しく、単調なカットの連続…
そして、『SHARK』『仮面ティーチャー』の監督・西村了氏が本作の演出担当だったが、やはりあの2作品の絶妙な仕上がりはまぐれだったのか。単調で工夫の無いカットの連続。折角の屋外ロケなのに、広さも奥行き感も乏しくて、ただ画面いっぱいに人気俳優を収めただけ。顔、顔、顔、全身、顔、顔、顔の繰り返しでは飽きてしまう。
特に、あおい。脚本上でのあおい(有村架純)の語りが多過ぎるのが第一の原因だが、あおいのカットがみーんな同じ。折角の有村さんの表情がまるで同じに見えてしまう。その上、いつもカメラがゆっくり動いて、何となく雰囲気のあるBGMを流して時間潰しばかり。雰囲気では登場人物の心の中は伝わらない。
「出演しているだけで良い」ってファンは少ない
もう、こう言う思い付き企画のような(スペシャルに限らないが)テレビドラマはいい加減に止めて欲しい。ドラマ離れが叫ばれ、視聴者層も高齢化しドラマ慣れした今、(若手に限らないが)人気俳優さんのファンの多くは、「出演していれば、それだけで良い」って人は少ないのでは?
『アルジャーノンに花束を』の感想記事の時に、多くの読者さまが「○○くんと物語の両方を楽しみたい」と訴えていたのはつい最近のこと。そう言う本当にテレビドラマが好きな人たちを簡単に裏切るような企画は没にして欲しい。
あとがき
今回は最近の朝ドラや連ドラで人気実力のある若い俳優さんたちで描く海辺の群像劇と言うことで、連ドラの閑散期に明るくて切なくい面白いドラマをと大きく期待したのですが、結果的に演出の西村了さんと脚本の渡辺千穂さんでは、荷が重すぎましたね。
友情も恋愛も将来もみーんな消化不良のまま終了。出演者の皆さん、お疲れさまでした…
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