アルジャーノンに花束を (第7話・5/22) 感想

TBS系『アルジャーノンに花束を』(公式)
第7話『壊れる絆…全てを失っても愛に生きる』の感想。
なお、原作小説:ダニエル キイス『アルジャーノンに花束を』は確か読んだはず。過去の映画やテレビドラマも数本鑑賞済み。
咲人(山下智久)に会うため、妹の花蓮(飯豊まりえ)が訪ねてきた。昔、花蓮にばかにされたことを忘れていない咲人は、懐かしがる彼女を冷たく突き放す。遥香(栗山千明)は、純粋な心を失ってしまったそんな咲人の変貌に心が痛む。また、咲人は母親の窓花(草刈民代)と竹部(萩原聖人)の関係を誤解して、恩人の竹部との関係までもぎくしゃくしていた。一方、梨央(谷村美月)は、自分の病気の新薬に関する衝撃的事実を突き付けられる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
感想を書く前に皆さまにお礼を申し上げます。『Web拍手に感謝!「アルジャーノンに花束を (第6話・5/15) 感想」の記事に255回も頂きました』に書きましたように、『アルジャーノンに花束を (第6話・5/15) 感想 (本家 忍者ブログ)』に256回(2015/05/23 00:10現在)ものWeb拍手を頂戴しました。皆さん、ありがとうございました。記事を書く励みになります。それでは本題へ進みます。もちろん?今回も長文です。
今回は、内容がぎゅうぎゅう詰めの1時間
今回は内容がぎゅうぎゅう詰めの1時間だった。特に “ロボ咲人” から “第3の新生咲人”へ変化する連ドラとして次なる章への重要な回でもあった。今回の感想は、その変化の過程で気になったり心の残った台詞やカットを抜き出して書いてみようと思う。
亡き父の幻が咲人を変えていくかのよう…
まず、書かなければいけないのは、今回の咲人(山下智久)が幾度か今は亡き父・久人(いしだ壱成)の姿を幻視すること。その度に咲人はフラッシュバックのような体験をし、幼き頃の唯一自分を受け入れてくれた父を思い出すことで、少しずつ咲人の脳に何かの刺激が伝わったように思う。
咲人を覚醒?「咲人さんを悪く言うのは止めて」
しかし、咲人は10数年ぶりに再開する妹・花蓮(飯豊まりえ)に対し、「人間は自分に不利な記憶を都合良く忘れてしまうものだから」と冷たく言い放つ。そう、まるで自分は既に人間ではないと言わんばかりに。そんな咲人に遥香(栗山千明)は、「咲人さんを悪く言うのは止めて」と複雑な心情をぶつける。
しかし、「私も咲人ですよ」と言葉では軽くかわすが、少しだけ目が泳ぐ。いよいよ “ロボ咲人” が変わる片鱗が見えた2人のやり取りだった。
第7話は、竹部社長がキーパーソンだった
竹部「家族なのに酷いって攻めるのは簡単だ。
でも、中にいる本人たちしか、
その苦しみや葛藤は解からない」
今回は、いつもと違ってかなりキーパーソンになった竹部社長(萩原聖人)。数ある台詞の中で私が選んだのがこの言葉。ラスト近くで、檜山(工藤阿須加)をからかう同僚を諌める柳川(窪田正孝)の「見た目じゃ解かんねえんだよ」にも通ずる、人間や人間関係の奥底にあるものを見よと言う竹部のこの言葉。
すべてを身に付けた咲人の自分自身への不信感
実は、この竹部の台詞は、本作の視聴者に対してのメッセージにもなっていると思う。そう思うと、この直後の竹部と咲人のぎくしゃくが最高潮に達するシーンが、また違って見えてくる。特にこの後の、見えないもの、聞いていないことに過剰反応する咲人は、すべてを知ることが出来ているはずの自分への不信感との戦いなのかもしれないと…
愛用のジャケットを置いて行ったのが印象的
会社を出て行く準備をする咲人を涙を流しながら見る遥香に「なぜ泣いているんです」と冷たく問いかける咲人が、愛用していたジャケットを置いて行くのが印象的。まるで、今の咲人の心と身体には “寒さ” は無いと言うことなのか。冷静と冷酷の狭間を行き来する咲人の脳と心のバランスの悪さを上手く表現していた。
もっと恐ろしいことの始まりを告げるアルジャーノン
レストランで蜂須賀(石丸幹二)から遥香とのキスの説明を聞いた咲人の目から、少しだけ鋭さと冷たさが薄まった。そして新しい助手が色気で仕掛けてくる直後、小久保(菊池風磨)に攻撃性を見せるアルジャーノンのカット。
冒頭のプレゼンで、咲人が自信満々に「ALGは穏やかな性質の未来社会をもたらす」と述べたことが、崩壊始めるのを感じさせる1カット。何か、これからもっと恐ろしいことの始まりを告げるようなアルジャーノンのまばたきが妙に印象深かった。
“ロボ咲人” から “第3の新生咲人”へ
そして、一晩明けると目の色が変わった咲人が研究所にいた。新しい父親として尊敬までしていた蜂須賀に、「自分に都合の良いロボットを作るための洗脳」と言明する咲人は、声を震わせながら「人間とは」「真心とは」を研究員たちに力説する。
幻視として現れた亡き父と竹部の思い、自分の遥香への、そして遥香自身の気持ちが “ロボ咲人” から “第3の新生咲人”へ変化に違いない。そして、最後にまるで一足お先にと言わんばかりに、壊れ始めるアルジャーノンと生まれ変わろうとする咲人の対比が何とも言えないエンディングだった。
あとがき
今回も、驚きの連続でした。冒頭からメモしながら見ていましたが、メモが追い付かない位に次々と咲人が変わっていくので、気が付いたらメモも取らずに見入ってしまいました。その結果のこの長文。まとまりも付かない駄文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
少しだけ咲ちゃんが戻って来たような今回の咲人。やはり、眼差しの鋭さや透明感は、“俳優・山下智久” が演じる白鳥咲人こそでした。他の俳優さんも素晴らしい。私なんて、あのネズミさえ名演技に見えちゃいます。
さて、次回は幻覚が見え始め、ピークに達した咲人の脳はどうなるんでしょう。そして、咲人は自身の愛を貫けるのか。次回が楽しみと言って良いのか悩むところですが、次回に期待します。
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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
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