アルジャーノンに花束を (第1話・4/10) 感想

TBS系『アルジャーノンに花束を』(公式)
第1話(15分拡大版)『無垢な夢、愛友情がもたらす奇跡』の感想。
なお、原作小説:ダニエル キイス『アルジャーノンに花束を』は確か読んだはず。過去の映画やテレビドラマも数本鑑賞済み。
幼児ほどの知能しかない28歳の知的障害者・咲人(山下智久)は、更生中の若者らが集まる花の配送センターで働いている。ある日、同僚の柳川(窪田正孝)と配達に行った咲人は、届け先の遥香(栗山千明)とトラブルになり、警察を呼ばれそうに。純粋で優しい咲人の夢は、母の窓花(草刈民代)が望む「お利口さん」になること。一方、遥香が勤務する研究所では、研究用ラットのアルジャーノンが逃げ出す騒ぎが起きていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
こう言っては元も子もないが…
まあ、こう言っては元も子もないが、ジャニーズのイケメン・山下智久さんが主役で、最近人気と実力が急上昇中の窪田正孝さんと工藤阿須加さんが脇を務めれば、「主役は演技派の窪田さんの方が良かった」「きれいな顔で急に知的障がい者を演じても説得力がない」などの意見が大多数を占めるても当然だと思う。
ただ、リメイク版の素材としてもやや使い古された原作小説ではあるが、時代を超えた人間の尊厳に関わる壮大なテーマは色褪せないし、今の時代にも通じると思う。その意味で、本作を山下さんや窪田さんらの若い世代に伝えるには、良い機会ではないだろうか。
ただ、そのことと誰が主役に最適か?は別の話だ。でも、偏った考え方を承知で言うならば、“ジャニーズの山P”が主役を演じる意義がそこにある。だから、嫌なら観なければ良いだけのこと。私は、本作で“俳優・山下智久”が開花するのを期待するから観ようと思う。
過去の作品に捉われず、新しいのを見てみたい
脚本監修は近作は『お兄ちゃん、ガチャ』の野島伸司氏。脚本は『アリスの棘』の池田奈津子氏。演出は『ATARU』の吉田健氏。編成・プロデューサーは『ATARU』の演出担当だった韓哲氏。設定的な部分には野島伸司の匂いが漂いつつも、全体の雰囲気は韓哲氏、と言うか『ATARU』に近いか。
そう言う視点で見てみると、新しい『アルジャーノンに花束を』が見られそうだ。まあ、基本的に原作や過去の映像作品と比較しない立場なのだが、それでも新たな作品として見られそうなのは嬉しいことだ。
視聴者を引き寄せる、惹きつける“何か”が欲しい
ただ、15分延長のせいもあるし、大人の事情もあるようで、全体的に散漫な印象は否めなかった。もっと主人公・咲人(山下智久)とその過去に絞り込んだ方が良いと思う。そして何よりも、もっともっと視聴者を引き寄せる、惹きつける“何か”が欲しい。主題歌も新鮮味に欠ける。
本作は他の作品と比較される運命を持っている。だからこそ、テーマの割に奇を衒わったところも少なく、意外に『金曜ドラマ』のテイストを残した作品に仕上がっていた第1話は悪くないと思う。それだけに、惹きつける“何か”が欲しい。
“俳優・山下智久”演じる咲人にグッと来た3シーン
と言う訳で反論ありを覚悟で?今回グッと来たシーンを3つ挙げてみる。1つ目は、夜のハンバーガー屋台で竹部(萩原聖人)に「馬鹿な子、嫌い」と感情が溢れて、身体を縦に揺らしながら走り出すシーン。怒るでも泣くでもない自分の感情をコントロールできない咲人にグッと来た。
2つ目は、柳川(窪田正孝)と檜山(工藤阿須加)の喧嘩のシーン。嫌なことが起きそうな前兆を本能的に感じた咲人が、耳を塞ぐようにしながら、その手で柳川の腕を鷲掴みにし、右手で一輪の花を差し出す。そのあとの自分がしたことの重大さに気づいていない無表情の咲人にグッと来た。
そして3つ目。遥香(栗山千明)にアルジャーノンを返すシーン。「お願いします」と何度も懇願する遥香を見て一筋の涙を流したかと思いきや、アルジャーノンを差し出した次の瞬間には子どものような満面の笑みの咲人にグッと来た。
あとがき
かなり偏った感想になっちゃいましたね。世間の評判があまり良くないようですが、私には予想より普通のドラマに仕上がっていて良かったです。あまり肩の力の入らない作品に仕上げて欲しいなと思います。でないと、どうしてもまた比較したくなりますので。
それにしても、窪田さん、期待通りどんな役もきっちり演じ分けますね。本作の素敵なアクセントになってました。
【追記 2015/04/12 21:45】
「あとがき」に、“世間の評判があまり良くないようですが”と書きましたが、私がネット上の一部のサイトの評価を見ただけで、それ以外の何の根拠もありません。作品や出演者のファンの皆さん、気分を害したら申し訳なかったです。でも、私はこれからも本作を応援しようと思います。
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