流星ワゴン (第10話 最終回・3/22) 感想
TBS系『流星ワゴン』(公式)
第10話/最終回『最終回~俺は生きる!永遠に朋輩じゃ』の感想。
なお、原作小説:重松清『流星ワゴン』は未読。
美代子(井川遥)たちに会った一雄(西島秀俊)がワゴンに戻ると、忠雄(香川照之)がいない。橋本(吉岡秀隆)によると、現実世界の忠雄の命はあとわずか。そして忠雄の後悔とは、一雄との親子の絆を取り戻せなかったことだという。このまま忠雄が死んだら、永遠にこの世をさまようと気付いた一雄は、忠雄が危篤状態の自身のそばに向かったと確信し、故郷を目指す。忠雄はやって来た一雄と散歩し、やり残したことに付き合えと言う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今の自分が変われば、未来を変えられる
「すべては今なんじゃ。その今が、どんな過去の積み重ねから来ているのかが問題なんじゃ。
お前の元の人生は腐っとった。じゃがのう、お前は橋本の車に乗って、その腐った過去を少しでもちょっとでも変えようと頑張った、血眼になった、血みどろになった。
その結果、過去の現実が変わらんかったとしても、そんなことはどうでもええんじゃ。お前が過去を変えようとして、血眼になったその、その積み重ねで今の新しいお前は出来とるんじゃ。
それが、この車の旅の意味じゃ」
車の旅の意味をガッツリ台詞で補強しちゃうのはどうかと思うが。過去は変えられないが、今の自分が変われば未来は変えることが出来る。それを一雄(西島秀俊)が不思議な夢の体験を通して自らの未来を変えたと言うことか。
普通は「時間軸の移動」と「過去と未来」が中心なるタイムスリップモノのオチとしては、敢えて「自分自身の変化」の過程を「時間軸の移動」で魅せたのは、なかなか凝った話だったと思う。出来ればもっと早くこのことをチラ見させたら良かったと思うが。
父と息子の再生に絞り込むべきだった
「チュウさん、俺たちは橋本さんと健太の優しい嘘にまんまと騙されたよ」
「では戻りましょうか。最低で最悪の現実の世界へ」
「はい」
橋本親子にはこう言う役割と仕掛けがあった訳だ。それならそうと、もっと劇中でしっかりと描けば良かったのに。本作では旅の運転手と成仏できない子ども程度の役割しか感じなかったのが残念だ。
やはり、忠雄(香川照之)と一雄、橋本(吉岡秀隆)と健太(高木星来)の2組の父と息子に絞り込んで、「自分が変わることの大切さ」を描き切るべきだったような。一雄の息子・広樹(横山幸汰)は父と息子としてぎりぎりアリとしても、妻の美代子(井川遥)のくだりはテーマをぼかしただけだったような気がする。
「思い残しを無くす旅」と「父と息子の絆の物語」
総括気味に。終わってみると、香川照之さんと西島秀俊さんの情熱的な演技を楽しむだけドラマになっていたと思う。だから、2人を好きならグイグイ引き込まれただろうし、そうでない人は厳しかった。決して2人のファン向けドラマでは無かったが、結果的な仕上がりがそれに近かったことが、視聴率に反映されたのだろう。
だとしたら、もっと話数を減らして、演技もストーリーも濃厚&濃密仕立てにしたら良かったのでは?2人を目立たせるためのシーンやカットをグッと摘めて、橋本親子とのバランスをもっと均衡に近づけたら、摩訶不思議な「思い残しを無くす旅」と「父と息子の切っても切れない絆の物語」がストレートに伝わったと思う。
あとがき
最終回の数々の長台詞とエンディングと好意的な脳内補完によって、本作の描きたかったものが見えてきた、そんな最終回でした。中盤で気になった「成仏」についても、後悔や悲しみや怒りをこの世に残したくないと言う、我々が考えるリアルな心霊世界を描いたと思うと納得できます。
もっとシンプルに「父と息子の再生」に絞り込んだら良かったのに…
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